山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

ほころび始めたベニシュスラン 南部町  平成30年6月28日

2018年06月28日 | 花・花・花
 昨年は7月10日ごろに見ごろを迎えていたはずだが、今年はもう咲いている頃なのではないかと思う。南部町まで足を運んでみた。中部横断道が増穂の先まで延びたおかげで以前に比べると甲府から南部町まで2時間くらいで行けるようになり、だいぶ行き易くなった。


    苔の中に生えるベニシュスラン。まだ1週間ほど早く、一部が咲き始めたばかりだった。


    ほころび始めたベニシュスラン


    こちらの株はあと3日もすれば見頃。


    別角度から。


    接写


    一株だけイワタバコが咲いていた。こちらもこれからのようだ。

 見ごろには若干早かったが、花も葉も美しいベニシュスランを堪能してきた。昨年発見したもう1ヶ所別の場所を訪れてみたが、沢が増水していて目的地まで行けずに撤退した。

 山梨県ではもう1ヶ所別の沢の周辺に生育が確認されているらしく、いつかそちらも散策してみたいと思っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

末期的な草地 帯那山  平成30年6月26日

2018年06月28日 | 花・花・花
 保護柵の設置されている大蔵高丸からハマイバ丸、さらに保護柵が設置されていない高座山と、山梨県を代表する草地を巡り歩いて来た。保護柵の設置してある場所はススキ野原からアザミ類やキク科の植物が生える野原に変わりつつあるが、保護柵が設置していない山はやはり鹿の食害が目立ち、年々少なくなっている花が多い。今回訪れるのはかつてはアヤメがたくさん咲いていたと言われている帯那山山頂の草地である。しかし最近ではアヤメを見るためにこの山を訪れる人はほとんど皆無であろう。完全にススキ野原と化してしまいアヤメはほとんど見当たらなくなってしまっているからである。保護ロープは以前から張られているが保護柵は設置されておらず、鹿の餌食になったためと思われる。


    「アヤメ群生地」の看板はあるが、今では全くアヤメは見当たらない。


    頂上の建物。今はほとんど管理されていない。


    ほとんどがススキ野原で目ぼしい植物はあまり見当たらない。


    ススキの少ない場所に黄色い花。


    ミヤコグサ


    確認できたアヤメは折れかけた1本だけ。葉も見当たらない。


    大型のテンナンショウ属。いつも見ているいわゆるマムシグサとはちょっと違う。


    仏炎苞に少し光沢がある。


    葉より下か同じ高さに花(仏炎苞)が出る。これはオオマムシグサではないかと思われる。


    フナバラソウか?残念ながら花が付いていない。

 おそらくは、鹿の食害に遭ったまま何もしないとこのような荒れた草原になってしまうのだろう。この場所は末期的な草地を見ているのだと思う。もはや保護柵で囲ったとしても植生を取り戻してアヤメが生えてくるのは困難だと思う。

 ここからは自分の勉強のために撮影してきたイネ科の植物だが、図鑑を見ても何だかさっぱりわからない。


    カモガヤ?


    イヌムギ?


    上と同じ??

 そのうち、少しは同定できるようになる、かも知れないイネ科の植物。田んぼや畑の界隈には普通にいろいろなものが生えているが、全く分かっていないのは問題だろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

こちらの草原にもあるはずだ 高座山  平成30年6月25日

2018年06月26日 | 花・花・花
 前日にハマイバ丸界隈の保護柵の中で元気に咲いているヒメイズイを見てきた。梨ヶ原にもあることがわかっているが、同じような植生の高座山の草地にもきっとあるはずだ。歩き始めが4時半と遅い時間になってしまったので一部分しか探せないが、登山道脇の草地にきっと居るはずだ。日没後の下山を覚悟で探しに入る。


    出発時間が遅く、広大な草地なので登山道を歩いたとしても全ては廻り切れない。


    オカトラノオの葉がたくさん生えていた。花は咲き始めたばかりだった。


    草むらの中にカイジンドウ。


    こちらは何本か固まって咲いていた。数はあまり多く無い。


    タツナミソウ。普通にある花だろうが、実は山梨県で見るのは初めてだ。


    オオバギボウシ。ほとんどが蕾だった。鹿にだいぶ食べられている。


    シモツケ。後ろの富士山は白とびしてしまった。


    セイタカトウヒレン。それなりの数はあると思われるが・・・


    発見した別株は食害の跡。鹿の好物らしい。


    このアヤメも食害の跡が目立ち、だいぶ数を減らしている。

 さて、探しもののヒメイズイだが意外と見つからない。この花は昨日見てきた様子では草地の中に生えるのではなくて、草地の端の少し草が薄くなって適度に日が当たるような場所を好んで生えているように見える。だから、あるとすれば草むらの中よりも登山道脇のほうが可能性が高い。


    それっぽいのが・・・しかしこれはチゴユリの葉。


    こちらは種になったアマドコロ。ずいぶん数が減ってしまったように感じる。


    そして発見。ヒメイズイ。


    予想通りに登山道脇の草が少ないところに固まって生えていた。


    花はもう終わって散っていた。

 予想していた通りにヒメイズイに出会うことが出来た。この季節には以前にも歩いているのでその気で見ていなかったか、あっても気付かなかったのだろう。まだ知識と花を見る観察力が足りないのであろう。この草原にもあるはずのフナバラソウも探していたのだがまたしても見つからなかった。


    ちょうど日没の頃に下山。富士山に巻いていた雲が飛んで全容を現した。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

保護柵の効果を確認に行く 大蔵高丸からハマイバ丸  平成30年6月24日

2018年06月24日 | 花・花・花
 櫛形山の保護柵の効果は設置されて3年目あたりから絶大な効果が現われ始めた。今回訪れる大蔵高丸からハマイバ丸の界隈も今年で3年になるはずである。昨年の秋に訪れた際にタムラソウやセイタカトウヒレン、さらにはヒメヒゴタイの大株など、見事に植生が蘇ってきたのを見てきた。この季節の花も復活を遂げているであろうが、今回は保護柵の中だけでなく、囲われていない場所の植生がどうなっているかを見たくて出かけてみた。


    湯ノ沢峠の先にある保護柵の扉。これを開けて中に入る。


    保護柵の中なのに食害の痕跡がある。そして何故にこんな場所に鹿道が?


    保護ロープを越えて鹿道をたどってみると・・・やっぱり。ネットが破れている。


    本日は補修作業は想定していなかったので何も道具が無く、とりあえずは繕って補修しておく。次回訪問する際は紐を持って来よう。


    保護柵で囲われた湯ノ沢峠お花畑。よくぞこれだけの広大な範囲を囲ったものである。まだ十分に回復しているとは言えないが、アザミ類の葉が目だって増えている。


    一方、保護柵の外は荒れたススキ野原になっている。


    シダの茂る斜面。こうなってしまうともはや末期的と言えるだろう。


    ハマイバ丸。

 ハマイバ丸で昼食をとり、その界隈にあるまだ囲われていない草地の中を上へ下へとさまよってみる。数年前にもこの界隈を探り歩いたことがあるが、目ぼしいものは何も見つかっていない。


    広大な草地が広がるハマイバ丸の界隈。同時に沢へ下りられそうなルートも探ってみたが、下りるよりも登って来たほうが良さそうだ。


    花はほとんど終わっているがクリンソウの群落を発見。


    水の流れるこの界隈はクリンソウのパラダイス。しかし鹿の水飲み場にもなっているようで、足跡と糞が多量にある。


    だいぶ下って今度は登る。ワラビだらけの斜面。


    これは鹿が寝た痕跡だろう。シカたね~?

 保護柵の外を2時間ほど散策して保護柵の入り口に戻る。嬉しい収穫といえばクリンソウ群落だが、他にも数年ぶりに確認できた嬉しい花があった。


    保護柵の入り口。外と中の植生の違いは明らかである。


    ヤマオダマキ


    ノアザミ。この花は初夏に咲き、良く似たノハラアザミは夏から秋に咲く。


    ノアザミは総苞片が粘っているのに対してノハラアザミは粘らない。


    大株のシモツケ


    特筆すべきはこのセイタカトウヒレン。


    これでもかというくらいに大増殖している。タムラソウはいずこへ?これから出てくるのだろう。

 期待していた通りの保護柵の効果が現われてきた大蔵高丸からハマイバ丸の界隈であった。鉄製の保護柵で囲ったハマイバ丸側のほうは申し分無いが、ナイロンのネットで囲った湯ノ沢峠側はどうやら鹿が角でネットを破っているらしく、見回りが必要なのではないかと思われる。あれだけ広大な範囲を囲っていると見回りと修復作業におそらくは人手が足りていないであろう。少しでも協力できればと思う。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まだ早かった白いラン 富士北麓  平成30年6月22日

2018年06月22日 | 花・花・花
 フガクスズムシソウがまだ時期が早かったので予定よりも早く下山した。もう時間は5時半になるが、日が長くなったのでもう少し花を見歩けそうだ。2週間ほど前に訪れた際にまだ蕾だった白いランがそろそろ咲いている頃だろう。場所を移動して富士北麓の森をもう1ヶ所訪れてみた。


    咲き始めたばかりのクモキリソウ。


    ヒトツボクロの葉がパラパラとある。昨年の花穂が付いているが今年は付けていない。


    ツルアリドオシ。赤い種がいくつか付いていたのでもう花が終わったのだと思っていたが昨年の種だったようだ。


    もうすぐ咲きそうなツルアリドオシ。


    くるりと巻いたコイチヨウランの花穂。


    見たかった白いランとはこれだが・・・


    残念ながらまだ咲いていなかった。


    まだ1∼2週間先になりそうだ。


    これはやはり再訪する必要がありそうだ。

 残念ながらこちらの花もフライングだった。折角の梅雨の合間の晴れ間だったのだが富士北麓の期待していた花は2つともまだ時期が早かった。時間を作って再訪してみたいと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ほころび始めたフガクスズムシソウ 富士北麓  平成30年6月22日

2018年06月22日 | 花・花・花
 例年ならば7月に入ってから見頃を迎えるのだが花期の早い今年はもう咲いているかも知れない。過去に何度か訪れている場所であるが、Borgの新しいレンズではまだ撮影していないため出かけてみた。現地に3時過ぎに到着して木を見上げるが見当たらない。200㎜望遠レンズを装着して木の上を覗き込んでみるがどうにも見つけられない。


    オシャグジデンダ。これは絶滅危惧種のシダ。


    こんな感じの苔が生えた木の上に居るはずだが・・・


    どうにも見つけられない。


    ようやく見つけた小さな葉っぱ1枚。これは完全にフライングだったようだ。

 あきらめて戻ることにしたが、100㎜マクロレンズに変えて木の上を覗き込みながら戻り始めると、幸運にも咲いている株を発見することが出来た。


    やっと見つけたフガクスズムシソウ。以前にも見たことがある白花のようだ。


    ようやく出番が来た570㎜望遠レンズを装着する。やはり白花だ。


    さらにエクステンダー装着して1,140㎜望遠。


    これだけの解像度が得られれば上出来だが、午後の遅い時間で森が暗く光があまり入らない。


    位置と角度を変えて撮影。


    別の場所を覗いてみるとまだ蕾の株があった。

 もっとたくさん咲くはずなのだが、以前に訪れた際にGPSでマークしてあった木には残念ながら発見できず、その木はまだ時期が早かったようである。時間がとれるようであれば、満開の時にたくさん咲いている様子を撮影してみたいと思っている。ようやくBorg570mmレンズがしっくりと使えるようになってきた感じがする。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヒトツボクロを巡る  平成30年6月17日

2018年06月20日 | 花・花・花
 ラン科のヒトツボクロという花は富士山麓にしか無い珍しいものだと思っていたのだが、最近いろいろと情報をいただき、他の山にもあることがわかってきた。そのひとつが茅ヶ岳、もうひとつが甘利山である。いずれの場所も今年発刊された山梨県レッドデータブックに登録されているメッシュからは外れた区域である。絶滅危惧種Ⅱ類に分類されているだけあって、意外とあちらこちらの山に生育しているのではないかと思われる。今回は茅ヶ岳と甘利山の2ヶ所を巡って存在を確認してきた。


    夏草が茂ってきた茅ヶ岳の登山道。


    コアジサイが咲く。


    ヤブレガサはもうすぐ咲きそうだ。


    こんなところにもキッコウハグマがあった。


    居ました。ヒトツボクロ。聞いていた場所では見つからず(おそらく聞き間違い)周辺をうろついて発見。


    咲いていたのは2株だけ、葉の数はざっと見て10株くらいと数は少ない。しかし存在は確認できた。


    もう終わりかけていたヒトツボクロ。


    朝は隠れていた富士山が昼ごろから姿を現した。この季節にしては珍しい。

 途中で色気を出してあまり歩いたことが無い尾根に踏み込んでみたところ、本来のルートからだいぶ外れた場所に出てしまい1時間以上時間をロスしてしまう。駐車場に戻って甘利山に向かうが、途中で椹池に立ち寄ってみた。


    椹池のほとり。スゲの白い綿毛が生えている。


    ワタスゲ?とはちょっと形が違うようだが??


    おそらくこれはサギスゲだろう。初めて見る綿毛になった花。

 高地にある椹池はいろいろな植物が生えていそうである。ネットで見るとサワランが咲くらしく、季節になったら是非とも訪れてみたいと思っている。

 ヒトツボクロの生育する場所に移動する。


    ギンリョウソウが一輪だけ咲いていた。


    居ました、ヒトツボクロ。ちょうど見頃だが暗い場所の上に風で首を振って全く写真を撮らせてくれない。


    何10カットも撮影して大幅に時間を費やしてしまう。マクロレンズは揺れて使えなかった。


    ミヤマウズラ


    花芽を付けたラン科と思わしきこんな葉がたくさん出ていた。


    花が咲くのはまだしばらく先のようだ。どうやら正体はジンバイソウらしい。

 甘利山の山頂付近に到着したのは5時を過ぎてしまった。その時間になってもまだ富士山は見えていた。しかし、残念ながらレンゲツツジは既に盛期を過ぎていてほとんどが散ってしまっていた。


    甘利山から見る富士山。梅雨時にしては珍しく夕方5時を過ぎても富士山が見えている。


    残念ながらレンゲツツジはもう盛期を過ぎている。訪れる人も少ない。


    咲き残ったレンゲツツジを前景に富士山。


    同上。


    日没まで待ったが・・・


    富士山は次第に雲に隠れてしまい撤退。

 おそらくヒトツボクロは標高1,000mくらいの中・低山でも生育している可能性があるのではないかと思われる。特殊な山域にしか生育していないと思っていたのは私の思い込みだったのだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山梨県山岳連盟主宰の高山植物学習会のため三ツ峠へ  平成30年6月9日‐10日

2018年06月11日 | 花・花・花
 毎年恒例となっている三ツ峠清掃登山だが、今年は山梨県山岳連盟創立70周年記念事業として一般募集も行い、総勢約60名を集めての大登山となった。といっても私はメインの9日は仕事があるため集合時間の8時半には行けず、大幅に遅れて午後2時から登り始める。昨年に続いて今年も夕方から行われる勉強会の講師を仰せつかっており、前日未明の3時までスライド編集を行ってやっと完成したパワーポイントのデータを持って三ツ峠山荘に向かう。午後3時に当日組は下山を開始したらしく、途中ですれ違うことになってしまう。3時半に三ツ峠山荘に到着し、4時半ごろから宿泊組の10数名を迎えてスライド上映会を行った。予定では20名近く宿泊するはずだったのだが翌日の天気予報が雨だったため、関東地区の山岳連盟メンバーが全てキャンセルとなり、山梨県山岳連盟メンバーの勝手知ったる人たちを相手に自由な討論を交えながらの上映会となった。山梨県の絶滅危惧種のスライド、特に今年のレッドデータブック発刊で新たに登録された植物を中心としたスライド、および保護柵設置による植生の変化とその効果について数年間の写真データを元に講演させていただいた。それなりのインパクトのある講演になったのではないかと思う。機会があればブログ上で公開したいと思う。

 登りながら見た植物を掲載する。


    ツルアジサイ


    ガクアジサイによく似ているがこちらは木に絡みつく。


    ガマズミ


    遂にヤグルマソウまでが食害を受けるようになってしまった。よほど食べ物が無いとみえる。


    登山道脇に咲いていたヒメムヨウラン


    もうほとんど痛み始めていた。

 上映会終了後、宿泊部屋に移動して宴会、兼花と山談義が始まる。夕食後は三ツ峠山荘の中村さんも交えての大懇親会となり、メンバーの皆さんが持っている山と花に対する熱い思いについて語り合い、大いに盛り上がったし勉強にもなった。風呂に入らせてもらって11時に就眠した。

 翌朝7時半に朝食をいただいていると本日の植物観察会メンバーの2人が8時に登って来てさっそく中村さんが案内して保護地区に出かけて行った。私も合流する予定だったのだが出遅れてしまい、遅れて現地に向かうと既に観察が終わって山荘に戻るところだった。すると、中村さんが特別に配慮してくれて、私ともう1人、通りかかった前日の宿泊客の2人だけを連れて保護地区を案内していただくこととなった。花咲じじい作戦作戦が今年はうまくいって無かったので、今年はもう一度この保護地区内の環境を見ておきたいと思っていたので、特別な配慮に大感謝である。


    青々と茂るこの保護地区の植生は何度見ても凄い。


    圧倒的なオオバギボウシ、その中にクガイソウやヨモギ、フウロなどの元気な葉が混じる。


    ユキザサも群落を形成している。かつての黒岳にもこのようなユキザサ群落があったが今は消滅している。


    このような環境があってこそこの花が元気に咲いてくれる。

 保護地区の中にはもちろんシダもあるしバイケイソウもスゲも生えている。しかしそれらの植物がどんどんはびこって来るというわけでは無く、調和を保って混生している感じがする。鹿の食害が無ければ、バイケイソウやシダばかりがはびこるような環境にはならないのではないだろうか。花咲じじい作戦がうまく行かずだいぶ気分が落ち込んでいたが、この保護地区を見せていただいてまた元気を取り戻せた気がする。引き続き作戦続行である。

 午前10時には解散となったが山頂付近の花は見て回らずにメンバーを案内して富士北麓の森にちょっとだけ立ち寄ってきた。


    ベニカヤラン。花が終わって種になっているだろうと思っていたが・・・


    トリーミング画像。散りそうな花は本当に紅色をしていた。ベニカヤランの名前に納得した。


    ツリシュスラン


    トリーミング画像。昨年は花が咲かなかったが今年は3本くらい花芽を付けているようだ。

 時々小雨が降る中の富士北麓散策だったが、メンバーの皆さんはそれなりに楽しんでいただけたようである。

 今回の講演会のためにだいぶ駆け足であちらこちらの花の写真撮影や保護ネットの補修や新設を行ってきた。やっとひと段落といった感はあるが、まだまだ観察に行きたい場所や新たな探索候補地は山盛りである。ゆっくり休んでいる暇は無さそうだ。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大丈夫か?櫛形山固有の草  平成30年6月4日

2018年06月06日 | 花・花・花
 一昨年の秋に櫛形山に咲く固有の草を保護柵で囲ってもらったのは良いが、囲ったからといって必ずしも良いとは限らないようである。保護するはずの肝心の草では無くてバイケイソウやシダ類などのその他の草が増殖して日当たりが悪くなり、栄養分もだいぶ取られてしまっているようで昨年の株はひとまわり小さくなってしまっていた。今年はどうなっているのか、かなり心配になっていたので見に行ってみた。


    ミツバツチグリがたくさん咲いていた。シロバナノヘビイチゴも満開。


    今回見たかった花のひとつ、ホソバノアマナ。まだ少し早いようで数が少ない。


    ヒメムヨウランがたくさん咲いていた。


    スポットライトを浴びるヒメムヨウラン


    セリバオウレン。2回3出複葉だと思うが3回3出か?


    葉はたくさん見かけるが種が見つからない。食害を受けているかも知れない。


    ホソバテンナンショウ


    ユモトマムシグサ


    こんなところにヒョウタンボク(たぶんスルガヒョウタンボク)。花芽は無かった。

 さて、肝心な草はどうなっているだろうか?保護柵の中を覗き込んでみると・・・昨年よりもさらにバイケイソウやシダが増殖している。そして草は・・・株数が減って葉の大きさもさらに小さくなっている。


    保護柵の中。バイケイソウとシダがはびこっている。保護している肝心の草は埋もれてしまっている。


    株数が減って大きさも小さい。2年前はシダに覆いかぶさるくらいの大きな葉を出していたが、今では完全に負けてしまっている。


    別角度から見る。小さな株が2つ確認できるがあまり元気が無い。


    花はもうそろそろ終わりで一部は結実している。


    こちらは結実。

 確か昨年は12株くらい葉が出ていたはずだが、今年はカウントすると8株しか見当たらない。周辺の草に生育を邪魔されているので、メインテナンスのための草刈りが必要だろうと思う。柵で囲われる前は踏みつけられないように周辺に木の枝で囲いがしてあったが、それがあったために余計な草がはびこって来なかった可能性もある。おそらくは、手入れをせずにこのままの状態で放置しておくと数年で消滅する可能性が高い。しかし、保護柵に囲われているので手が出せない。山岳連盟(あるいは環境省)を通して対処をお願いしたいと思っている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

危機的な状況に陥っている瑞牆山周辺のカモメラン  平成30年6月3日

2018年06月06日 | 花・花・花
 瑞牆山を訪れた最大の目的がこのカモメランの調査と言って良いであろう。

 年々数を減らしているという山岳レインジャー活動の報告を目にしていたが、まだ大丈夫だろうと思っていた。ところが昨年の報告で葉はあるものの花がひとつも咲いていないという報告を受けた。さらに今年の調査の第1報では葉も見当たらないという。もし本当ならばそれはまずい。自分の目で確かめてみないといけない。


    激減したクリンソウ。これを見ただけでもかなりの変化が起こっていることは想像がつく。


    この沢はかつてサンリンソウがこれでもかというくらいに咲いていたはずだが、少ししか見当たらない。


    わずかに咲き残っていたサンリンソウ。ヒメイチゲは見当たらない。


    花は全く見当たらないが、かろうじて葉は残っていたカモメラン。


    直接の食害の跡も見られる。しかし、いちばんの問題は下草が無くなって山肌が乾燥化したことだろう。


    もう1ヶ所別の場所を訪れてみる。このあたりも下草がほとんど無くなっている。


    ここにも葉はあるが花はひとつも見つからない。


    散在的に葉は残っているが・・・


    どこを探しても花は見つからなかった。

 がっかりして富士見平小屋に到着すると、休憩しているグループの方から声をかけられた。見れば山岳レインジャーのメンバー8人ほどで本日このカモメランの調査に訪れているそうだ。私は咲いている花は見つけられなかったが、毎年訪れているそちらのメンバーは4~5株開花している花を見つけたそうで、完全に咲かなくなってしまったわけでは無いようだ。しかし、かつては50株以上は咲いていたカモメランがもはや絶滅寸前の状態まで追い込まれてしまっている。直接の食害というわけでは無く、植生の変化によるラン菌の活性が低下してしまったことと鹿(および人)による踏み荒らしが原因であろうと分析している。直接の食害は囲って保護してやれば早期に回復が望めるが、植生の変化によるものはそう簡単に戻せるものでは無い。しかし、今出来ることは残っている場所を囲ってあげることくらいだろう。何もしなければおそらくは数年で絶えてしまうだろう。御坂山塊のカモメランもあと少し囲うのが遅かったらこちらと同じ状況に追い込まれていたことは間違いないだろう。早急な行動が必要とされている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

カモメランを観察に行く 御坂某山  平成30年6月2日

2018年06月04日 | 花・花・花
 この山のカモメランは保護柵の修復と新たな設置のために今シーズン2度訪れているが、ポールと機材の荷揚げと作業のために、カモメランをゆっくりと観察している余裕など無かった。そのため保護柵の外でどれくらいの数が残っているのかはカウントが出来ていない。まだ保護柵が不完全な場所があるのだが、今回は作業では無く観察のために訪問する。久しぶりのポール無しでの登山であるが、部分的な修復が必要かも知れないのでワイヤーとネットは持って行くことにする。


    ユモトマムシグサがまだ咲き残っていた。この1ヶ所でしか見つからない。


    柵の外で咲いていたカモメラン。


    例年は10株くらい咲いていた場所だが、今年は5株だけだった。葉の数も減少している。左側には食害の跡が見られる。


    直接の食害跡が散見される。


    こちらは花穂が食べられている。


    最も問題なのはこの環境である。中央に立つ木の周辺にカモメランがあるが、周りは食害の影響で下草が無くなり山肌が乾燥している。これこそが数を減らす最大の原因。

 保護柵を設置した場所に到着する。柵の周辺にもカモメランがあったのだが、今年は葉っぱだけ確認出来るものの咲いている株は1株しか見られなかった。この場所も下草が減ってヤマタイミンガサがはびこるようになってしまっている。一方、保護柵で囲った内側はショウマ類やユキザサなどが元気に葉を出しており、植生の差は歴然としている。


    柵の外に咲いていたツルシロカネソウ


    かなり不完全ながら、囲っただけの効果は現れている。ショウマ類、ユキザサ、ツルシロカネソウ等、元気に茂っており周辺との植生の差は歴然としている。


    ポールが1本折れてしまっていたので落ちていた木の枝でとりあえずは修復しておく。一冬は越せないので年内中に修理が必要になるだろう。


    柵の中は快適らしい。昨年よりもはるかにたくさんのカモメランが咲いてくれた。


    元気なカモメラン。バンザイしたくなるほどに嬉しい。


    5月に修復を行った保護柵。一冬越せるかどうかは微妙なところだ。


    この柵の中も今までに無くたくさんのカモメランが咲いてくれた。葉の数はそれほど増えているわけでは無さそうだ。


    カウントすると全部で9株咲いていた。バンザイ。


    これが前回夜の9時過ぎまでかかって設置した柵。かなり頑丈に出来たと思うが、台風を凌げるかどうかは不安である。


    昨年の夏に大規模な食害に遭って株数が半分以下になってしまった。根は残っていたようで予想していたよりは葉数があった。


    表側のいちばん咲いていた場所は今年は1株しか咲いていない。残念でならない。


    裏側の被害が少なかった場所はこの2株と少し離れた場所に1株咲いていた。例年ならば50株くらい咲く場所が今年は4株だけしか咲かなかった。


    カモメランに混じってヒメムヨウランが一株。

 他にも群生していた場所があったので立ち寄ってみたが、その場所は葉も見つからず、消滅してしまったようだ。オオヤマサギソウも完全に姿を消してしまっている。そして、よほど食べ物が無くなってきたようで普段は食べないヤマタイミンガサまでが食害を受けていた。


    食害を受けたヤマタイミンガサ。

 もう少し囲ってあげたい場所もあるのだが、高さが1.2mほどの低い保護柵ではいつ鹿が乗り越えてくるかわからない。鹿が自由に身動きできない程度のある大きさの柵を複数設置するほうがこの高さのネットでは鹿対策に有効なのではないかと考えている。とりあえずは今シーズンの花の時期に間に合わせてやれることはやったと思っている。あとは、いつか行政のほうでもっと頑丈な柵で広く囲ってくれるのを待つことになる。さあ、復活してくれ、カモメランよ。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イナモリソウ?いや、ちょっと違う 上野原市へ  平成30年5月30日

2018年06月02日 | 花・花・花
 5月連休に歩いた山で偶然出会ったイナモリソウらしき葉の花がそろそろ咲いている頃ではないだろうか。見つけた時には固い小さな蕾が付いていた。富士北麓の森を散策して車に戻ったのは3時過ぎ、夕方7時から会議があるのでそれまでに甲府に戻れば良い。高速を使って上野原まで移動してなんとか間に合いそうな時間である。神社の駐車場まで行くとパラパラと雨が降り出したので傘を差しながら散策する。


    神社の鳥居。階段は雨で滑りそうなので慎重に昇る。


    小さな菊発見。小型なので珍しいものを発見したかと思ったが・・・


    小型のハキダメギクだった。


    境内の中に咲いていた花。少し痛み出している。


    だがまだ十分に見られる。


    イナモリソウ・・・のようだが、初めて見るので自信が無い。


    花が細いような気がする。


    さて、この花は?


    甲府に戻ってから図鑑で調べると、イナモリソウよりも花弁が細い。


    ネットで調べてようやく正体が判明。ホシザキイナモリソウというイナモリソウの変種だった。

 ホシザキイナモリソウ(アカネ科 イナモリソウ属)はネットの検索で出てくるのはほとんどが高尾山のものばかりだった。神社の境内の中だけ咲いているので最初は誰かが植えたものかと思ったが、分布域から見て自生のものと見て良いだろう。山梨県ではレアものと見て良いだろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

富士北麓花散策  平成30年5月29日

2018年05月31日 | 花・花・花
 「花咲かじじい作戦」を展開している山の様子を見に行きたかったのだが朝から天候が不順で雨が降ったり止んだりしている。登山口に向かう途中で雨足が強くなってきたため登るのは止めてあまり登らない場所の花散策に切り替える。今回の場所は5月11日にも訪問しているがお目当てのスズムシソウやコアツモリソウはまだほとんどが蕾だった。それから2週間以上が過ぎてもう少し時期が遅いかも知れない。


    いつもとはルートを変えて枯れた沢の中を歩いてみる。少し荒れた沢。


    クルマムグラ。環境的にツルシロカネソウがあるのではないかと思ったが見つからず。


    沢の中にもコアツモリソウが咲いていた。

 沢の中は荒れていたが、ところどころ砂防工事を行った跡が見られた。あまり目ぼしい花は見つからずに沢を抜け出てスズムシソウが咲く場所に到着する。


    スズムシソウ。花期を少し過ぎているがまだ咲いている。


    周辺に幼弱な葉が沢山出ているのが嬉しい。


    昨年よりも数は多い。

 コアツモリソウの咲く森に入ってみる。前回とは別の場所である。


    満開のコアツモリソウ。少し痛み出している株もあった。


    この場所は例年とあまり変わっていない。

 さらにいつもとは違う森をさまよってみた。


    杉の林床はアオフタバランの海になっていた。圧巻の数。


    ミヤマウズラの葉


    キッコウハグマの葉だと思うが、ずいぶん大きい。


    コアツモリソウが点々と咲いている。


    大型のコアツモリソウ


    鹿道をたどって上に登って行くと、暗い杉の林床を抜け出てカラマツ林の明るい森に出た。


    これを登れば正規の登山道に出られそうだが・・・GPSを持って来るんだった。軽装で来たので水や食料も持っておらず、ここまでで撤退して下りる。


    ササバギンランがちらほら。


    ウマノスズクサの葉だと思う。


    枯れた沢を横切る。


    その先には立派な道があった。林業作業道だろう。


    その道沿いにもコアツモリソウ。


    スズムシソウも少しだけあった。

 作業道から外れて森の中を進むと、今までに歩いたことの無い林道に抜け出た。その林道をしばらく歩くと、駐車した場所からさほど遠くない場所に戻った。この界隈はいつも観察に行っている場所だけでなく、周辺の森も豊かな植生を持つアオフタバランやコアツモリソウの天国であることがわかる。道路の拡張工事が行われて影響が出るのではないかと心配していたが今のところは問題なさそうである。    





コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

着生ランを再訪する 南部町へ  平成30年5月28日

2018年05月29日 | 花・花・花
 2週間ほど前に訪れた際はまだ蕾だったマメヅタランの花がそろそろ咲いている頃だと思う。高い木の上でしかも距離のある場所に着生しているこのランは風が吹いていると木が揺れてブレた写真しか撮れない。かつ、天候が悪いと光が入らずシャッタースピードが遅くなってこれまた良い画像が得られず、撮影技術が難しいだけでなく気象条件にも左右される。この日の天候は曇だが風は少なく穏やかな天候である。良い日を待ってなどと言っていると花期を逃してしまううえに行ける日も限られてしまう。午後から出かけてみる。


    マメヅタランが咲いている。200㎜望遠レンズでこの程度しか追えない。しかも、木の葉が視野の邪魔をするようになってきた。


    570㎜望遠に変える。ちょうど満開のマメヅタラン。山梨県で見ることが出来るのが嬉しい。


    さらに1140㎜。


    トリーミング。唇弁があって確かにランの形をしている。


    別の木


    トリーミング。びっしりと咲いている。


    こちらはムギラン。


    570㎜望遠。花ははっきり分からない。


    1140mmで覗いてみるとそれらしきものが付いている。


    真ん中上の黄緑色の飛び出ているもの、さらにその下にも花らしきものが何個か付いている。


    別の場所。蕾らしきものが4つか5つ見える。


    周辺の木を探してみるが、あったのは別の花。


    テイカカズラ(キョウチクトウ科 テイカカズラ属)

 お目当てだったマメヅタランはちょうど満開の良い時期に訪問出来たが、ムギランはあと2週間くらい先になりそうだ。1140㎜望遠にするとレンズのF値が11くらいの暗いレンズになってしまうため、Iso640に上げてもシャッタースピードが10秒よりも遅くなってしまい、再三撮影した画像でも使い物になるのは10枚に1枚程度しか無かった。やはり木の上の高い場所に居る植物の撮影は難しい。

 もう1ヶ所、沢沿いに咲く別のランの様子を見に行く。


    ユキノシタが咲いていた。


    ユキノシタ


    イワタバコはもう少しで咲きそうである。


    様子を見に行ったのはこの筋の入った美しい葉を持つラン。今年は花付きが良さそうである。


    あと1ヶ月くらいだろうか。開花が楽しみである。

 ムギランとマメヅタランは周辺の木を探して歩いてみたが、新たに着生している木は見つからなかった。沢まで下りてみれば見つかるかも知れないが、現在沢に下りる道は崩落のため通行禁止になっている。もうひとつの美しい葉のランも含めて、この3種は今年発刊された山梨県レッドデータブック2018年版で新たに絶滅危惧種ⅠB類に登録された貴重な植物である。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

レンゲツツジ咲く甘利山へ(後編)  平成30年5月27日

2018年05月29日 | 花・花・花
 椹池から南甘利山と思われるピークを越えてその先の祠のある小ピークにまで行き、池に立ち寄ってクリンソウの群落を楽しんで来た。これから甘利山に登り上げるのだが、道標は付いていないものの尾根に行き着けそうな笹の中の細い道があったのでそれを登ってみることにする。途中で道が無くなってしまうのではないかと心配したが、上に行くほど笹が刈り払われて道は明瞭になっていた。


    池のほとりのクリンソウとヤマツツジ


    笹原の中の道を登る。GPSにこのルートは載っていない。


    40分ほど登って稜線に抜け出た。向こうは奥甘利山。


    甘利山山頂に向かう。


    レンゲツツジは5分から7分咲き。あと1週間もすれば満開になりそうだ。


    山頂付近にはサクラスミレが散在していた。

 甘利山山頂に到着したのは午後3時になってしまった。11時に椹池を出発して1時に到着の予定だったのだが、寄り道をして写真もたくさん撮ったので大幅に時間がかかってしまったが、それに見合うだけの良い風景は見てきた。満足である。富士山は霞んでしまっているがなんとか見えているだけましだろう。三脚を担いで写真を撮りながらゆっくりとグリーンロッジの駐車場に下りる。


    山頂から見下ろすレンゲツツジの群生地。下側はあまり花付きが良いとは言えない。


    霞んでいるが富士山が見えている。


    レンゲツツジと富士山


    大きなヤマツツジと富士山

 グリーンロッジの駐車場には午後4時15分ごろに到着した。あとは道路に沿って付いている登山道をひたすら下山するだけである。途中に広大な植林地を保護柵で囲っている場所があり、その中にはたくさんのラショウモンカズラが囲われて咲いていた。食害で数が減っている花だけに、目的が違うにしろ囲われて保護されていることは良いことである。5時45分に椹池に下山した。

 今回見たかった花はレンゲツツジの他に以下の2種類である。情報をいただいていたのでそれほど難無く探し出すことが出来た。


    ヤマブキソウ。山梨県で自生のこの花に出会うのはなかなか難しい。訪問時期が遅く咲いていたのはこの1株だけだったが、個体数も少ない。


    ほとんどが結実していた。


    もうひとつがこのヒトツボクロ。少し薄暗い森を好むうえに保護色の黒っぽい葉なので見つけにくい。


    花が咲くにはまだ2週間くらい先になりそうだ。個体数もあまり多いとは言えない。

 クリンソウとレンゲツツジの他に探していた絶滅危惧種の2種類の花を見て歩いてきた有意義な山歩きだった。ヒトツボクロは今まで富士山麓でしか見たことが無かったが他にもあちらこちらで見つかってきており、茅ヶ岳にも数は少ないながらあるという情報もいただいている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする