平成23年10月9-10日
10月8日、早朝に霧に巻かれた蔵王熊野岳を往復した後、朝日岳を目指して朝日鉱泉に移動した。カーナビでいちばん近そうな道を選んだのだが、途中から渓谷の脇に刻まれた細い林道となり、舗装はされているものの対向車とのすれ違いに相当苦労し、10時半に朝日鉱泉に到着した。選択した道を間違えたかと思い地図を見直したが、この道で間違いなく、夏の登山シーズンにはバスが通る道だった。それにしても細い。駐車場は既に満杯で路上にずらりと車が止まっていた。ちょうど到着した頃に小雨が降り出し、準備して出発しようとした11時ごろには本格的に降り出してしまった。前夜の寝不足もあり、ここは一旦退却して明朝から登ることにして山形市まで引き返す。帰り際に月山インターチェンジから南下してくる広い道があることを知り、そちらの道を行ってみるとそこから古寺鉱泉と日暮沢の登山口に行く林道が出ていることがわかった。細い林道はできるだけ避けて、明日は古寺鉱泉から大朝日岳を目指すことに決める。この日は山形市内の宿をなんとか確保して夜8時に寝る。
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古寺鉱泉の駐車場
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古寺鉱泉 橋を渡って鉱泉前の道を行く。
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大きなブナの並ぶ登山道を行く。これは合体の樹。
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下部は紅葉にはまだ少し早かった。
ぐっすり寝て翌朝は4時起床、山形自動車道を月山インターまで行き、そこから南下して古寺鉱泉に到着したのは6時半だった。既に駐車場は満杯、路上にずらりと並ぶ車に並んで車を止める。7時出発、前日とは一変して透き通るような秋空が広がる。5分ほどで古寺鉱泉の建物が右手に見え、橋を渡って古寺鉱泉の前を通って古寺山に向かう登山道に入る。ブナの巨木が立ち並ぶ心地良い森は、川入から登る飯豊連邦に似ている。紅葉にはまだ少し早かったが、高度を上げるにつれて色付きはじめる。
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日暮沢からの合流点手前にある水場。水量は豊富。
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林の隙間から見える古寺山
水場を過ぎて日暮沢からの尾根と合流した後、ひと登りするともう一つ水場があり、そこから20分ほどで古寺山に到着する。このあたりの紅葉は見頃を迎えており、色付く山肌の向こうに大朝日岳から西朝日岳、竜門山へと連なる山並が大きく見える。そして、眼前にはこれから越える小朝日岳の格好良い三角錐が立つ。山頂を越えずに行く巻き道もあるのだが、時間もあることだし、ここは小朝日岳に登って行くことにする。
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古寺山山頂
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古寺山と朝日連峰(左から大朝日岳、西朝日岳、竜門山)
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古寺山から見る大朝日岳
急登を頑張って登ると小朝日岳山頂に到着する。山頂は広くて平らで眺望も良く、休憩するには絶好の場所だが、先客がたくさんおり、また風が強かったのでそのまま通過する。大朝日岳側の斜面は紅葉真っ盛り、三脚を取り出して撮影しながら急斜面を下る。下り付いたところから振り返って見る小朝日岳の紅葉は見事で、ちょうど良い西日が当たっていっそう彩が鮮やかだった。再び登りになり、眺望の良い尾根を進むと目指す大朝日岳がどんどん迫って来る。大朝日小屋への最後の登り直下にある銀玉水という水場は冷たくておいしい水が豊富に流れている。小屋の向こう側(西朝日岳とのコル)には金玉水という水場があるが、小屋から往復30分ほどかかるらしく、ここで汲んで行くのが良いと休憩している人に教えてもらった。水が涸れていることを恐れて3リットル背負ってきたが、この山域は水が豊富でその心配が無さそうだ。
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小朝日岳の紅葉と大朝日岳
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錦秋の小朝日岳
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ナナカマドと小朝日岳 ナナカマドが色付き始めてすぐに雪が降り、葉が落ちてしまったと聞く。
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銀玉水 大朝日小屋宿泊の際はここで水を汲んで行くと良い。
もうひと登りして平らになった尾根の先に大朝日小屋が立つ。到着したのは3時20分、写真を撮りながら相当ゆっくり来たつもりだったが、少し早かった。この日は連休2日目、小屋は大混雑が予想され、それを見越してテントを持って来た。朝日連邦は植生保護のために全域テント禁止で、その代わりに随所に避難小屋が設置されている。この日の混雑を予想して、管理している大江町役場に前日電話で問い合わせたところ、小屋が満杯の場合はテントも止むを得ないという話を聞いていた。早く到着し過ぎると小屋の中で寝ることになってしまうので、登山者が皆到着した後に小屋に入り、混雑しているのでテントを張らせてもらうという作戦だった。さらに、この日はりゅう座流星群が観察できる夜でもあり、空が晴れれば夜間に活動するので周りの人たちに迷惑がかかってしまう。
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ハイマツの斜面と西朝日岳
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うっすらと見えるのは月山
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大朝日岳と大朝日小屋
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夕暮れの影迫る小朝日岳(大朝日小屋前から)
小屋に到着するや否や、私の姿を見て管理人さんがやって来た。ザックの横にあるテントポールを見て、テント泊かと尋ねて来た。町役場に問い合わせたこと、流星群が来ていること、さらに条件が良ければカノープスという星が山頂から見えるかも知れないということを話すと、快くテント設営を許してくれた。さらに、テントが風で飛ばされないようにと、しっかりした鉄杭まで打ってくれた。さらに、小屋に入りきれないグループのために小屋にある大きなテントを2張、管理人さんが設置してお迎えしていた。親切に、そして快適に過ごせるように登山者を迎えてくれる大朝日小屋の管理人さんには頭が下がった。
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夕暮れの大朝日岳山頂
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夕焼けの空
さて、テント設置し、食事を済ませ、日暮れを狙って大朝日岳山頂に登る。小屋から20分ほどで到着できる。この時間になると山頂は静かで、2人の先客のみ、1人は茨城県から来られた金融関係のKさん、もう1人は東京から来られた、私の横にテントを張った若者だった。昼間は快晴だったのに、日暮れが近付くにつれて雲が増え、山は霞んでしまった。南側の祝瓶山まではなんとか見えるが飯豊連邦は見えない。月が昇っていたが、次第にその月も霞み始め、期待していた天の川は全く見えなかった。残念ながら星の輝く空と流星群はあきらめざるを得ない空模様になってしまう。
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月が昇る。この尾根に時折ちらりと明かりが見えたが、まさか真っ暗になってから人が登って来るとは・・・
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夕暮れの小朝日岳
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霞んだ空に昇って来た木星。星を撮影したのはこのカットのみ。
すっかり暗くなった夕方6時、ヘッドライトを点灯して山頂で景色を見ていると、朝日鉱泉から直登する急峻な尾根に時折ちらりと明かりが見える。何の明かりだろうかと思っていたら、6時半、声が聞こえ出し、明かりが次第に近付いて来た。なんと、この暗闇の中を若者2人が山頂に登って来たのだ。しかも1人はヘッドライト無し、首からぶら下げた豆電球のような明かりを頼りに登って来たのだ。月明かりがあって幸いしたようだ。途中でへばってしまい、予想以上に時間がかかってしまったとの事だった。星空は見えそうも無いので、ここは2人を先導して小屋に下りることにした。ちょうどザックの中に懐中電灯にもなるテント用LEDランタンが入っていたので、それを貸してあげた。寝る場所があるのかどうか心配したが、1階の入り口近くになんとか寝場所を確保できて良かった。
明朝、空が晴れればもう一度山頂へ、という思いも空しく、空は霞におおわれてこの夜は星を見ることはできなかった。
10月8日、早朝に霧に巻かれた蔵王熊野岳を往復した後、朝日岳を目指して朝日鉱泉に移動した。カーナビでいちばん近そうな道を選んだのだが、途中から渓谷の脇に刻まれた細い林道となり、舗装はされているものの対向車とのすれ違いに相当苦労し、10時半に朝日鉱泉に到着した。選択した道を間違えたかと思い地図を見直したが、この道で間違いなく、夏の登山シーズンにはバスが通る道だった。それにしても細い。駐車場は既に満杯で路上にずらりと車が止まっていた。ちょうど到着した頃に小雨が降り出し、準備して出発しようとした11時ごろには本格的に降り出してしまった。前夜の寝不足もあり、ここは一旦退却して明朝から登ることにして山形市まで引き返す。帰り際に月山インターチェンジから南下してくる広い道があることを知り、そちらの道を行ってみるとそこから古寺鉱泉と日暮沢の登山口に行く林道が出ていることがわかった。細い林道はできるだけ避けて、明日は古寺鉱泉から大朝日岳を目指すことに決める。この日は山形市内の宿をなんとか確保して夜8時に寝る。
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古寺鉱泉の駐車場
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古寺鉱泉 橋を渡って鉱泉前の道を行く。
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大きなブナの並ぶ登山道を行く。これは合体の樹。
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下部は紅葉にはまだ少し早かった。
ぐっすり寝て翌朝は4時起床、山形自動車道を月山インターまで行き、そこから南下して古寺鉱泉に到着したのは6時半だった。既に駐車場は満杯、路上にずらりと並ぶ車に並んで車を止める。7時出発、前日とは一変して透き通るような秋空が広がる。5分ほどで古寺鉱泉の建物が右手に見え、橋を渡って古寺鉱泉の前を通って古寺山に向かう登山道に入る。ブナの巨木が立ち並ぶ心地良い森は、川入から登る飯豊連邦に似ている。紅葉にはまだ少し早かったが、高度を上げるにつれて色付きはじめる。
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日暮沢からの合流点手前にある水場。水量は豊富。
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林の隙間から見える古寺山
水場を過ぎて日暮沢からの尾根と合流した後、ひと登りするともう一つ水場があり、そこから20分ほどで古寺山に到着する。このあたりの紅葉は見頃を迎えており、色付く山肌の向こうに大朝日岳から西朝日岳、竜門山へと連なる山並が大きく見える。そして、眼前にはこれから越える小朝日岳の格好良い三角錐が立つ。山頂を越えずに行く巻き道もあるのだが、時間もあることだし、ここは小朝日岳に登って行くことにする。
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古寺山山頂
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古寺山と朝日連峰(左から大朝日岳、西朝日岳、竜門山)
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古寺山から見る大朝日岳
急登を頑張って登ると小朝日岳山頂に到着する。山頂は広くて平らで眺望も良く、休憩するには絶好の場所だが、先客がたくさんおり、また風が強かったのでそのまま通過する。大朝日岳側の斜面は紅葉真っ盛り、三脚を取り出して撮影しながら急斜面を下る。下り付いたところから振り返って見る小朝日岳の紅葉は見事で、ちょうど良い西日が当たっていっそう彩が鮮やかだった。再び登りになり、眺望の良い尾根を進むと目指す大朝日岳がどんどん迫って来る。大朝日小屋への最後の登り直下にある銀玉水という水場は冷たくておいしい水が豊富に流れている。小屋の向こう側(西朝日岳とのコル)には金玉水という水場があるが、小屋から往復30分ほどかかるらしく、ここで汲んで行くのが良いと休憩している人に教えてもらった。水が涸れていることを恐れて3リットル背負ってきたが、この山域は水が豊富でその心配が無さそうだ。
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小朝日岳の紅葉と大朝日岳
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錦秋の小朝日岳
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ナナカマドと小朝日岳 ナナカマドが色付き始めてすぐに雪が降り、葉が落ちてしまったと聞く。
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銀玉水 大朝日小屋宿泊の際はここで水を汲んで行くと良い。
もうひと登りして平らになった尾根の先に大朝日小屋が立つ。到着したのは3時20分、写真を撮りながら相当ゆっくり来たつもりだったが、少し早かった。この日は連休2日目、小屋は大混雑が予想され、それを見越してテントを持って来た。朝日連邦は植生保護のために全域テント禁止で、その代わりに随所に避難小屋が設置されている。この日の混雑を予想して、管理している大江町役場に前日電話で問い合わせたところ、小屋が満杯の場合はテントも止むを得ないという話を聞いていた。早く到着し過ぎると小屋の中で寝ることになってしまうので、登山者が皆到着した後に小屋に入り、混雑しているのでテントを張らせてもらうという作戦だった。さらに、この日はりゅう座流星群が観察できる夜でもあり、空が晴れれば夜間に活動するので周りの人たちに迷惑がかかってしまう。
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ハイマツの斜面と西朝日岳
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うっすらと見えるのは月山
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大朝日岳と大朝日小屋
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夕暮れの影迫る小朝日岳(大朝日小屋前から)
小屋に到着するや否や、私の姿を見て管理人さんがやって来た。ザックの横にあるテントポールを見て、テント泊かと尋ねて来た。町役場に問い合わせたこと、流星群が来ていること、さらに条件が良ければカノープスという星が山頂から見えるかも知れないということを話すと、快くテント設営を許してくれた。さらに、テントが風で飛ばされないようにと、しっかりした鉄杭まで打ってくれた。さらに、小屋に入りきれないグループのために小屋にある大きなテントを2張、管理人さんが設置してお迎えしていた。親切に、そして快適に過ごせるように登山者を迎えてくれる大朝日小屋の管理人さんには頭が下がった。
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夕暮れの大朝日岳山頂
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夕焼けの空
さて、テント設置し、食事を済ませ、日暮れを狙って大朝日岳山頂に登る。小屋から20分ほどで到着できる。この時間になると山頂は静かで、2人の先客のみ、1人は茨城県から来られた金融関係のKさん、もう1人は東京から来られた、私の横にテントを張った若者だった。昼間は快晴だったのに、日暮れが近付くにつれて雲が増え、山は霞んでしまった。南側の祝瓶山まではなんとか見えるが飯豊連邦は見えない。月が昇っていたが、次第にその月も霞み始め、期待していた天の川は全く見えなかった。残念ながら星の輝く空と流星群はあきらめざるを得ない空模様になってしまう。
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月が昇る。この尾根に時折ちらりと明かりが見えたが、まさか真っ暗になってから人が登って来るとは・・・
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夕暮れの小朝日岳
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霞んだ空に昇って来た木星。星を撮影したのはこのカットのみ。
すっかり暗くなった夕方6時、ヘッドライトを点灯して山頂で景色を見ていると、朝日鉱泉から直登する急峻な尾根に時折ちらりと明かりが見える。何の明かりだろうかと思っていたら、6時半、声が聞こえ出し、明かりが次第に近付いて来た。なんと、この暗闇の中を若者2人が山頂に登って来たのだ。しかも1人はヘッドライト無し、首からぶら下げた豆電球のような明かりを頼りに登って来たのだ。月明かりがあって幸いしたようだ。途中でへばってしまい、予想以上に時間がかかってしまったとの事だった。星空は見えそうも無いので、ここは2人を先導して小屋に下りることにした。ちょうどザックの中に懐中電灯にもなるテント用LEDランタンが入っていたので、それを貸してあげた。寝る場所があるのかどうか心配したが、1階の入り口近くになんとか寝場所を確保できて良かった。
明朝、空が晴れればもう一度山頂へ、という思いも空しく、空は霞におおわれてこの夜は星を見ることはできなかった。