山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

南部町のシダ散策  令和4年10月9日

2022年10月12日 | シダの仲間
 何度も訪れている場所であるが、探し物があって訪問してみる。空模様が悪くなってきて今にも雨が降り出しそうな暗い空になってきた。カッパを着て傘を持って散策に出発する。


    ホラシノブ。普通にありそうだがあまり見かけない。


    ヘラシダ。この場所のものはいつも痛んでいる。


    ソーラスはほんの少ししか付いていない。


    少し離れた場所のヘラシダ


    トウゲシバだが、葉の幅が広くオニトウゲシバになるのではないかと思う。


    アマクサシダは普通に生えている。


    ウラジロの群生


    コハシゴシダ。あまり多くは無い。


    最下羽片のいちばん根元部分の上向き小羽片が大きく飛び出し、かつ根元まで切れ込んでいるのが特徴。


    しっかりとソーラスが付いていた。


    オオキジノオが少しだけ生えていた。


    羽片の付着部は軸に流れない。


    こちらは確認しておきたかったキジノオシダ。


    頂羽片がはっきりしており、キジノオシダではないかと思うのだが、羽片の上部が軸に流れて付着しておりタカサゴキジノオなのかも知れない。


    アリドオシ。南部町の林道脇では結構普通に見かける。今年も花と実を見ないで終わってしまった。


    竹林の中で探し物を探すのだが見つからない。これはオオハナワラビ。


    コクランの葉は良く見かける。

 このあたりの竹林で一昨年12月にヤツシロランの仲間と思わしきガラを発見しているのだがまだ開花した花を見たことが無い。咲くのは今ごろだと思って探しに行ってみたのだが残念ながら発見出来なかった。天気が悪くて竹林の中が暗いうえに目の悪い私にとっては地味な黒っぽい植物は探しにくい。あるいは夏が暑かったので開花が遅れているのかも知れない。もう少し探してみたかったが本降りの雨になってしまい撤退となった。時間がとれるようならば、再探索に来てみたいと思う。

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渓谷の上流に生育するシダ、これはイワウサギシダなのか?  令和4年9月4日

2022年09月07日 | シダの仲間
 トダイアカバナが生育する渓谷の上流部支脈でウサギシダらしきシダを発見している。見つけた時はウサギシダだと思って撮影してきたのだが、帰って来てから画像を見てみるとウサギシダにしてはちょっとおかしい。最下羽片の下向き小羽片があまり発達しておらず、全体的な形も細長い。これはイワウサギシダの可能性が高いのだが、観察が不十分で最下羽片分岐部のところの毛が生えているかどうかは良く見て来なかった。画像をトリーミングして見ると毛が生えているように見えるのだが、やはりこれは再訪してしっかりと確認してくるしかないだろう。急峻な谷で現地までは少し大変な行程だが、行ってみることにする。


    樹林の中には点々とピンク色の花が咲いていた。


    ミヤマモジズリ。結構数はあった。


    渓谷の本流はやや水量が多い。


    支脈の谷。石はぬめりがあって滑り易く、倒木も多い。帰りに滑って転倒し、膝から下はびしょ濡れになってしまった。


    アザミが生えていた。


    総苞は細長い。おそらくホソエノアザミであろう。


    ウメバチソウが少しだけ咲いていた。


    谷から抜け出して森の中を歩いてみた。


    大きなブナの木。エビネらしきものが無いかどうか探してみたが見当たらない。


    ミヤマイタチシダ


    イワデンダ


    フクロシダ


    ホソイノデ


    ミヤマシダと思われる。


    そしてなんとかイワウサギシダらしきシダが生育している場所に到着。数ヶ所で固まって生育している。


    いちばん大型で元気だった株。最下羽片の下向き小羽片はあまり発達しておらず、全体的に細長い。


    肝心な最下羽片の分岐部を見てみると、しっかりと毛が生えている。これはイワウサギシダで間違いない。

 問題のシダはイワウサギシダで間違い無さそうである。イワウサギシダもトダイアカバナも石灰岩地を好んで生育する植物で、おそらくこの渓谷の中には石灰岩が混じっていると見て良いのではないかと思う。また、ウサギシダは固まって生育しておらずやや離れてポツポツと出るのに対してこのイワウサギシダは群生するところも違うようである。念のためシダの師匠のところに立ち寄って鑑定していただいたところ、イワウサギシダで間違いないとのことであった。北岳に続いて山梨県では2ヶ所目の生育地が発見されたことになるが、おそらく他の場所にも生育しているのではないかと思う。


    渓谷の中に咲いたダイモンジソウ(ミヤマダイモンジソウ)

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ヒロハハナヤスリはどうなっているだろうか? 北杜市  令和4年5月25日

2022年05月27日 | シダの仲間
 今年はヒロハハナヤスリを見に行けずにいたが、どうなっているだろうか?例年ならば草刈りが行われて今ごろは残骸しか残っていない頃である。日が長くなったおかげで時刻は5時を過ぎてもまだ明るい。尾白川渓谷からの帰り道にちょっと立ち寄ってみることにする。


    立ち寄ってみるものである。ヒロハハナヤスリは今年は刈られずに残っていた。


    刈られてしまった残骸しか見て来なかったのだが、こんなに長く胞子穂を伸ばしている。


    元気に育っていたヒロハハナヤスリ


    胞子嚢は側面が割れてもう胞子が飛び出してしまっている。


    こちらは胞子が飛び出して枯れ始めている。


    もう1ヶ所のヒロハハナヤスリの群落


    日影になるこの場所はひとまわり大型である。胞子嚢はもう割れているようである。


    ニガナがたくさん咲いていた。


    これはコデマリのようである。


    もう1種類、葉の細い花が咲いている。これはトサシモツケと思われる。


    ズミの花は満開を少し過ぎていた。


    驚いたのがこのギンランのような花。例年だと草刈りされて花が咲くまで残っていないのだが、今年は咲いたようである。


    こんなに大きくて花をたくさん咲かせるギンランがあるのだろうか?


    株数は2株だけ。ひょっとしたらこれはギンランでは無くてクゲヌマランかもしれない。

 草刈りされない年もあるようだ。胞子嚢が割れているヒロハハナヤスリを初めて見ることが出来た。ランの花は令和2年5月に白い花が咲いているのを確認しているが、クゲヌマランかどうかはもう少し検討が必要であろう。来年に期待したいと思う。

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まだ葉を巻いているヒメウラジロ  令和4年4月1日

2022年04月04日 | シダの仲間
 石灰岩地を好むヒメウラジロ(イノモトソウ科)というシダは、冬期は乾燥から身を守るために葉を丸めて一見枯れてしまったように見える。3月中旬から下旬に何日か暖かい日が続き、雨や雪が降ったので湿度も上がり、そろそら葉を展開しているのではないかと思い様子を見に行ってみる。


    ノジスミレが咲いていた。


    ムスカリとスイセン。梅はそろそろ終盤である。


    ヒメウラジロ。まだ葉を展開しておらず、枯れたような状態になっている。


    他の草は枯れ落ちてしまっているがヒメウラジロの葉は残っている。


    岩の隙間に少しだけ青い葉のヒメウラジロが顔を出していた。


    青々と茂るのはまだだいぶ先になりそうである。


    今年こそは青々と元気に茂るヒメウラジロと富士山を写真に撮ってみたいと思っている。

 6月を過ぎた頃にまた訪問出来ればと思う。

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竹林を探索するが探し物は見つからず  令和4年2月22日

2022年02月24日 | シダの仲間
 昨年の今ごろは渓谷に咲くセツブンソウが満開になっていた頃である。フクジュソウも咲いていたはずだが、先日の雪の影響で今年はどうなっているだろうか?見に行ってみる。


    林道にはまだ雪が残っている。


    渓谷にもまだ雪があって寒々しい。


    ツララも解けていない。


    セツブンソウの咲く場所だが・・・まだ何も出ていない。

 セツブンソウは雪の影響で今年はまだ葉も出ていなかった。2週間くらい先になりそうである。おそらくフクジュソウもまだ早いであろうから、ここで撤退する。

 行き先変更し、以前から探索したいと思っていた竹林の中を歩いてみることにする。詳細な場所は不明なのだが、マツバランが生育していたという未確認情報を耳にしたことがある。


    竹林の中を探索してみる。


    中は倒れた竹だらけ。進むのに一苦労である。


    荒れ放題の竹林。


    竹が疎になって日が当たる場所にはハナワラビの仲間が生えていた。


    葉の辺縁は鋸歯状、葉質は柔らかい。アカハナワラビのようだが・・・?


    近くに紅葉している葉があった。全体が紅葉しておりこれはアカハナワラビで間違い無さそうだ。


    数は結構あった。

 1時間ほど竹藪を漕いだが探し物のマツバランは見つからない。橋を渡って対岸の竹林に入ってみる。


    別の竹林に入ってみる。


    これはアカハナワラビのようだ。


    紅葉しているのはアカハナワラビだが、違うのも生えている。


    先ほどのアカハナワラビに比べて辺縁の鋸歯が鋭い。小羽片の切れ込みが少なく、辺縁がうっすらと紅葉している。


    これはオオハナワラビであろう。中間型のような紛らわしい個体もあった。


    群生していたオオハナワラビ


    粗な竹林に出た。このような少し日が当たる場所にマツバランは生育していると思うのだが見つからず。


    またしても大藪に突入。ここを強引に突っ切って上にある林道に抜け出る。


    抜け出た林道。


    探索してきた竹林を見下ろす。

 見つかったのはアカハナワラビとオオハナワラビくらいで探していたマツバランは全くその気配が無かった。この周辺にはまだたくさん竹林があり、宅地造成のために犠牲になってしまったマツバランもあると聞いている。きっとどこかに生育していると思うのだが、最初の一株を探し出すのが大変である。暖かくなると藪蚊が発生して探索は難しくなってしまうため、次の冬のシーズンに持ち越しとなってしまうであろう。

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南部町内船寺界隈のシダ観察  令和4年2月16日

2022年02月20日 | シダの仲間
 植物は何度も観察し直して頭の中をアップデートしておかないと、すぐに忘れてしまう。60歳を過ぎた私の頭は劣化が著しく、常に忘却との戦いであるが、それでも良いと思っている。今回訪問する内船寺周辺はもう何度も訪問している場所であるが、未だに分からないシダがいくつもある。季節が変わると、たぶん様子も変わっているのではないだろうか。


    内船寺山門。この界隈を散策する。


    たぶんこれはベニシダ。


    最下羽片の第一小羽片に柄が無く、羽片の軸にくっついている。


    鱗片はこげ茶色で細めである。先日大笠山で見たベニシダの仲間(たぶんサイゴクベニシダ)とは全く違う。


    アマクサシダ。あまり数は多く無いが、ちらほらと見かける。


    これはコハシゴシダだと思う。


    最下羽片の第一上向き小羽片に短い柄があり、羽片の軸から離れている。


    ソーラスは裂片のやや辺縁寄りの付着している。コハシゴシダで間違いないと思うのだが・・・?


    近くに羽片の形が良く似たシダが生えていた。頂羽片が長く伸びていてこれはホシダだ。触ってみるとこちらはやや硬く、先ほどのシダとは別物だ。


    ハカタシダ、だと思ったのだが・・・?


    すぐ近くに生えていた大きくなったシダはちょっと様子が違う。


    第一羽片だけでなく第2羽片の最下小羽片も大きい。これはオオカナワラビであろう。


    ソーラスを見ると裂片の中軸と辺縁の中間に付着している。これを見るとハカタシダに近いように見える。


    鱗片は茶褐色で細長く、オオカナワラビのように見える。ハカタシダは細くて根元部分が広いと図鑑には書かれている。オオカナワラビとしておこう。


    別の場所に生えていたこれはハカタシダで良いと思う。


    いちばん確認しておきたかったのがこのシダ。光沢が少なく、ナガバノイタチシダやミヤマイタチシダに似ている。


    最下羽片の下向き第一小羽片が大きいが、目立って大きいというわけではない。


    ソーラスは小羽片のやや辺縁寄りに付く。


    特徴的なのはこの真っ黒な鱗片で、たぶんヒメイタチシダと思うのだが、葉軸の鱗片が袋状でリョウトウイタチシダなのかも知れない。


    こちらが離れた場所にあったナガバノイタチシダ。形は良く似ている。


    鱗片を見ると全く別物。薄茶色の幅広い鱗片が付着している。


    イヌカタヒバ。土手に群生していた。


    こちらはコンテリクラマゴケ。


    やや青みがかった緑色をしている。イヌカタヒバもコンテリクラマゴケも園芸種が増殖したものと言われている。


    石垣にツル性の植物が茎を伸ばしていた。


    葉が対生している。これはイタビカズラであろう。何ヶ所かで発見しているが、この場所がいちばん簡単に観察できそうである。


    公園に立ち寄ってみる。


    桜がほころび始めていた。これは河津桜か?なんとなく春めいてきた気がする。

 シダはまだまだ勉強不足で確定できないものが多々ある。しかし、安易に答えを出さずに観察して行くことも必要であろうと思う。また繰り返して見に来ることになるであろう。

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竹林に生育するマツバラン  令和4年2月9日

2022年02月11日 | シダの仲間
 雨の少ない今年の冬は湿気を必要とするシダ類にとっては厳しい冬である。おそらくこの稀少なシダも元気が無いのではないかと思う。昨年甲府市近傍の竹林の中で見つかったマツバランを久しぶりに見に行ってみる。


    石桶の中に生えたマツバラン。思っていた以上に水不足で元気が無い。


    少し枯れかかっており、大きさも以前より小さくなっているように見える。


    竹林の中に入ってみる。


    元気とは言えないが、こちらのマツバランはまだ少しは良さそうである。


    小さくて幼弱な株が多く、胞子嚢を付けている株は見当たらない。


    少し大きめの株だが、胞子嚢無し。


    倒れかかっている個体。


    水が足りず枯れてしまっている個体もあった。


    倒れているものも多数あるが、比較的元気である。


    個体数もそれなりに確認出来た。

 原始的なシダであるマツバランは、一時山梨県では絶滅したかと思われていたが、桜の大木に着生しているのが2ヶ所で確認され、さらにこの場所の竹林内で生育しているのが発見された。この場所は小さな個体ばかりであるが、現在確認されている中では個体数が最も多い。明日は雪の予報で、水を吸収して少しは元気を取り戻してくれることを期待したい。

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静岡県境周辺のシダ探索 令和4年1月30日

2022年02月02日 | シダの仲間
 本栖湖展望台で富士山頂に昇る細月を眺めた後は南部町に移動する。中之倉トンネルを通って下部温泉・身延に抜けるのが一番早いが、そのルートは現在崩落により通行止めになっている。そこで白糸の滝の脇を抜けて桜峠をこえ、稲子から南部町に抜けるルートを使うが、稲子まで抜けたところで気が変わり、稲子川を上流に向かって走り石神峠から上佐野・天子湖に抜け出るルートを走ってみることにする。石神峠から先が抜けられるのかどうかか心配だったが、途中で狩猟をやっている猟師さんたちに出会い、ルート状況を聞いてみると砂利道だが抜けられるということだった。稲子川上流の細い林道を走っていると大きなシダがたくさん茂っているのが目に付いた。林道脇の広くなった場所に車を止めて散策してみる。


    稲子川上流部。さほどの急流では無い。


    丸野滝。ここは凍っていない。


    圧倒的に多いのがこの大型のシダ、リョウメンシダ。


    そしてもうひとつ目を引いたのがこのシダ。


    オオバノハチジョウシダ


    羽片頂部の裂片は長さが様々だが、おおむね裂片の長さと同じくらいかやや長い程度である。


    最下羽片の下向き第一小羽片はオオバノアマクサシダのように左右の長さが違うものが多かった。


    ソーラスは裂片の辺縁に巻き込まれるように付着する。


    それにしてもたくさん茂っている。山梨県でこんなにたくさん生育している場所はお目にかかっていない。

 さらに林道を進みながら、車を林道傍らに止めつつ林道脇に茂るシダを見て回る。


    ハカタシダか?と思ったが、左側に光沢のある栄養葉があり胞子葉が分かれて出ている。


    ソーラスを見ると中軸と辺縁の中間あたりに付着している。これは頂羽片が細いオニカナワラビであろう。


    1株だけメヤブソテツが生えていた。


    羽片上部に突起があり、葉の辺縁には細かい棘状の鋸歯がある。


    別のヤブソテツの仲間があった。


    緑色が濃く、光沢が強いホソバヤブソテツ。


    石神峠に到着。これを越えると山梨県である。

 石神峠の静岡県側は林道脇の岩壁の湿り気が強く、ヤブソテツの仲間を主にたくさんのシダが茂っていた。期待して山梨県側の林道を走ってみると、こちら側は打って変わって林道脇の壁は乾燥していてイノデとヤブソテツの他は目ぼしいシダが見当たらない。佐野川を渡って南部町の神社に行くはずだったが、ちょっと気が変わって佐野川の上流側の様子を見に行ってみることにする。


    天子湖より上流部の佐野川。川幅が広く、このあたりはゆったりとしている。


    林道脇の水の流れる場所に生えていたヤブソテツの仲間。


    ここにもメヤブソテツが生えていた。


    博多織模様が鮮やかなハカタシダ。この一角には博多織模様がくっきりとしたものが多かった。


    これはオニカナワラビだろう。上にあるのが栄養葉、下が胞子葉である。


    コモチシダ。少し群生していた。


    無性芽が少しだけ付いていた。


    探していたのはオオバノハチジョウシダだったが、これはオオバノアマクサシダだと思う。


    羽片の先端部裂片が著しく長く、上下の裂片の長さが違う。これはどうみてもオオバノアマクサシダ、だろう。


    ところが、同じ根元から出ているもう一つの葉は羽片先端部の裂片が短く形は先ほどの稲子川上流で見てきたオオバノハチジョウシダそっくりだ。

 見れば見るほどに分からなくなるオオバノハチジョウシダとオオバノアマクサシダの区分けだが、このように同じ根元から両方のシダが出ているような個体を他の場所でも見ており、これははっきりとこの2種類のシダを区分するのは難しい(分けられない)のではないかとも思えてくる。


    林道を源頭近くまで登って来た。ぐるりと回れるかと思ったが別の支脈の林道に入ったようで、ここまでで撤退。

 シダはまだまだ勉強不足で分からないことばかりである。もっと見歩いてみたいと思っている。佐野川上流部も時間が許せば是非とも探索に歩いてみたい。

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渓谷沿いのシダ観察 身延町  令和4年1月28日

2022年01月29日 | シダの仲間
 先日見たヒメサジランが脱落しているのを見て、こちらにある稀少なシダが無事なのかどうか心配になってきた。それとずっと気になっていることがあって、ヒメカナワラビとオニイノデ、そしてその中間型のようなオオキヨズミシダの区別がまだはっきり分からないでいる。鑑別のポイントはひとつは鱗片であろうが、もうひとつは裂片の付け根が軸に流れているかどうかというところなのではないかと思う。果たして区別できるのかどうか?既に何度も訪問している渓谷であるが再訪してみる。


    心配していたのはこのシダ。


    コタニワタリ。乾燥しているこの季節はあまり元気が無い。


    雨が少なく乾燥していて斜面が崩れ、土に埋もれかけているコタニワタリ。おそらく脱落してしまった個体もあるだろう。


    渓谷脇の岩に生えていた小さなシダ。


    葉に毛が生えている。これはカラクサシダ。


    冬緑性のシダでこの季節に胞子を付ける。


    渓谷の岩壁に群生していたクリハラン


    コモチシダ。この渓谷では数が少ない。


    対岸の岩壁に群生していたヒトツバ


    ヒトツバ。この季節は枯れているものも多い。


    イワヘゴ。一見すると葉の細いヤブソテツに似ている。


    特徴的なのはこの真っ黒な細めの鱗片がたくさん付いていること。


    ソーラスは軸と辺縁の中間付近を主に不規則に付着する。


    博多織の紋様が鮮やかなハカタシダ

 さて、問題のオニイノデとオオキヨズミシダである。ヒメカナワラビもあったが撮り忘れた。


    おそらくこれがオニイノデ。


    薄茶色でやや幅の広い鱗片が多数付着する。


    トリーミングして裂片を見てみると、短い柄があって裂片は軸に流れていない。


    これもオニイノデだろうと思って撮ってきたものだが・・・


    鱗片はやや幅広でこげ茶色。


    羽片をトリーミングして見てみると、裂片の下部分が軸に流れているように見える。


    オニイノデとは明らかに違う個体を発見した。


    これは明らかに裂片の下部分が軸に流れている。


    鱗片はこげ茶色でやや細めである。これがきっとオオキヨズミシダであろう。


    これもオニイノデであろうと思って撮ってきた個体。


    裂片を見てみると、明らかとは言えないが軸に流れているように見える。


    鱗片はやや広めでこげ茶色。


    これはきっとオニイノデと思って撮ってきたもの。


    裂片を見ると、これも軸に流れているように見える。


    鱗片はたくさん付いていてオニイノデを思わせるが、こげ茶色でやや幅広、先ほど見てきたものとほぼ同じである。

 基本的にはオニイノデとヒメカナワラビの裂片は短い柄があって軸には流れて付着しないのではないかと思っている。この渓谷で今までオニイノデと思って観察してきたものは鱗片が微妙に軸に流れて付着しているものが大部分である。そして鱗片もこげ茶色で典型的なオニイノデとは違うように思える。いわばオニイノデとオオキヨズミシダの中間型のような形をしているのではないだろうか?明確な区別が出来るのかどうか?それも疑問に思えてきた。答えは出さないほうが良いのではないかと思う。


    岩壁につる性の植物の葉が付いている。


    これはテイカカズラなのか、それともイタビカズラ?葉を良く見てみると互生、ないしはまばらに付いている。これはイタビカズラであろう。


    こちらが良く見かけるテイカカズラ。


    葉は互生する。花が無いと見分けが付かなかったが、やっと見分け方が分かってきた。

 イタビカズラは何ヶ所かでそれらしき葉を確認しているが、まだ実を付けたところは確認できていない。今年はこの植物の実をしっかりと確認したいと思っている。

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植物を観察しながら山頂へ 南部町  令和4年1月23日

2022年01月29日 | シダの仲間
 この季節の南部町はヤマヒルに襲われる心配が無く、バリアンスルートの藪もあまり気を遣わずに歩ける。今回は正規ルートでは無い道(?)を通って富士山の見える山頂まで歩いてみることにする。


    滝が凍っているが、この日は風が穏やかでさほど寒くは無かった。


    ナガバノイタチシダであろう。


    以前に見かけた時はミヤマイタチシダだと思っていたが、見直してみると長い柄がありナガバノイタチシダだった。


    ミツデウラボシ。三ツ手になっている個体はほとんど見かけない。


    凍っている別の滝。


    林道の痕跡だが、崩落していてもはや林道としては機能していない。


    登山道に抜け出た。あとはひたすらこの道を進む。


    山盛りのイワカガミの葉。


    葉を見てみると大き目で切れ込みがはっきりしている。これはヤマイワカガミであろう。白い花が咲くのかも知れない。


    たぶんこれがアカガシ。


    葉に光沢があり鋸歯が無い。ドングリが確認出来れば確定である。普通にありそうだが、山梨県では絶滅危惧種に入っている。


    結構な急登が続く。


    登り付いて山頂かと思ったら、さらにその先だった。


    やっと着いた山頂。10数年ぶりである。


    曇り空だったが、幸運にも富士山が見えていた。

 もう少し簡単に登れるかと思っていたのだが、登山道に抜け出てから結構長かった。誰にも合わなかったが、新しい踏み跡があったので私が登頂する前に既に下山して行った人が居たのであろう。昼食をとって、帰りは正規ルートを下山した。


    シダの他に下見してきたのがこのカンスゲの仲間。たくさん生えているこのスゲはたぶんミヤマカンスゲ。


    その中に明らかに違うカンスゲの仲間と思わしきものが混じっていた。色が濃い緑色で、奥にあるミヤマカンスゲとはだいぶ感じが違う。


    触った感じもこちらは葉がザラついている。これが探しているハシナガカンスゲなのかどうか?穂が出る頃に見に来てみたい。


    ついでに立ち寄ってきたヒメサジラン。昨年見た時とはだいぶ様子が違う。


    岩肌から苔と一緒に脱落してしまったようだ。


    まさに脱落寸前のヒメサジランの塊。


    だいぶ数が減ってしまっている。ピンチ!!

 今期は冬の雨が少なく岩肌が乾燥して苔と一緒にヒメサジランが脱落してしまったようである。なんとか復活してくれることを期待したい。

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南部町シダ探索 渓谷を遡上  令和4年1月21日

2022年01月22日 | シダの仲間
 平日ではあるが、予定されていた出張の仕事がコロナ流行のため中止となった。再び南部町まで足を延ばしてみる。何度か歩いている道の無い渓谷であるが、シダを探索しながら今回はもう少し奥まで歩いてみたいと思う。


    今までで一番水量が少なく、靴を濡らさずに容易に渡渉出来た。


    崩落地。このあたりにかつてはヒメサジランがあったらしく、丁寧に探してみるが今回も見つからず。


    緑色鮮やかなカナワラビ属のシダが生えていた。ひょっとして探しているミドリカナワラビかと期待したが・・・


    さらに遡上すると群生していて、あちらこちらにたくさん生えていた。


    栄養葉(下側の光沢のある葉)と胞子葉(立ち上がっている葉)がはっきりと分かれている。


    胞子葉を見てみると、葉の切れ込みが深く、これはコバノカナワラビだった。


    こちらも光沢のある美しいシダ、ヒメカナワラビ。


    このヒメカナワラビもこの渓谷ではあちらこちらに生えている。


    山盛りのイヌチャセンシダ。


    ノコギリシダの群生


    羽片がノコギリのようにギザギザしている。


    細長い楕円形ないし三日月型のソーラス


    見たかったシダのひとつ、カタイノデ。いまのところ、この渓谷でしか見たことが無い。


    一見すると葉の光沢や形はイノデモドキに良く似ている。


    鱗片に特徴があり、中央部が濃いこげ茶色の鱗片が付着する。


    いつもはこの滝までで撤退するのだが、今回はこれを越えて遡上してみる。


    アオネカズラ。これは冬緑性のシダ。


    円形のソーラスが多数付着している。


    サジランは乾燥から身を守るために丸まっている。


    このシダも小さな個体だが元気に生育していた。


    タキミシダ。個体数は少ない。


    昨年は枯れかけた葉が付いていたが、新しい葉が成長してきたようで一安心である。


    緑色鮮やかで格好良いコバノカナワラビ。今日はこのシダを堪能した。

 カタイノデはやはり数が少なく、山梨県では稀少なシダなのではないかと思う。ミドリカナワラビはまたおあずけである。

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オニカナワラビかミドリカナワラビか? 南部町シダ探索  令和4年1月16日

2022年01月19日 | シダの仲間
 シダを含めて植物は分からないことだらけである。ずっと分からないでいるのがミドリカナワラビとオニカナワラビの違いである。以前に見たものでミドリカナワラビだと思っていたシダは大部分がオニカナワラビなのではないかとずっと疑問を抱いている。おそらくじっくりと観察して、かつ季節を変えて見に行かないと答えは出ないのではないかと思っている。ヤマヒルが居ないこの季節の南部町は歩き易くて常緑のシダを観察するには良い季節ではあるが、反面痛んでいるシダが多くてソーラスが付いていないことがあるのが難点である。何度も訪問している場所であるが、果たしてこの2種類のシダの区別が出来るのかどうか、他にも見ておきたいシダが多数あり、訪問してみる。


    林道脇に生えていたアリドオシ。山梨県では絶滅危惧種であるが、南部町に行くと良く見かける。


    ヘラシダ。3年前に比べるとずいぶん大きくなった。


    中肋と鈍角に付着する線状のソーラス


    コモチシダ


    この場所ではあまり多くは生育していない。このシダも南部町では比較的良く目にする。


    フモトシダ。どこにでも普通にあるのであまり撮影したことが無いが、それなりに美しいシダである。


    ナチシダ。南方系のシダであるが数年前に山梨県にも入り込んできた。


    本来は常緑性のシダのはずだが、山梨県では冬期に大部分枯れるようだ。


    ナガバノイタチシダ。ミヤマイタチシダに非常に良く似ている。西俣川や大城川で見たものもこれかも知れず、再確認の必要がありそうだ。


    側面から見たナガバノイタチシダ。長い柄があるのが特徴である。


    ソーラスは円形でやや大き目。

 さて、問題のミドリカナワラビとオニカナワラビであるが、明らかにオニカナワラビと分かるものは何株か確認しており、まずはそれを見に行ってみる。


    何度も見ている株。これはオニカナワラビで間違いない、はずだ。


    頂羽片がはっきりしない。葉は光沢があり固めである。


    ソーラスは裂片の中肋と辺縁の中間あたりに付着する。


    鱗片は細くてこげ茶色、ないしは中央部が濃いこげ茶色をしている。


    こちらがミドリカナワラビであろうと思って観察している個体である。まだ小型でなかなか成長して来ない。


    やっとソーラスが確認出来た。先ほどのオニカナワラビに比べるとこちらの個体はソーラスが辺縁寄りに付着している。


    鱗片はこげ茶色だが、やや幅が広い。しかし、図鑑に掲載されているほどの薄茶色の鱗片では無い。

 さて、オニカナワラビは良いとして、今までミドリカナワラビと思って観察してきた個体は本当にミドリカナワラビなのかどうか?本来はかなり大きくなるはずのシダだが、あまりにも小さすぎる。ソーラスの位置は違うのだが、これが決め手として良いのかどうか?もう少し大きく成長するのを待ってから判定したいと思う。では本物のミドリカナワラビはどこにあるのだろうか?引き続き探索を続けたいと思う。


    こちらもオニカナワラビ。このシダは栄養葉と胞子葉が不完全に分かれていることが分かってきた。下のほうに斜めに生えているのが栄養葉、光沢が強い。


    胞子葉のソーラス。


    典型的なオニカナワラビのソーラスで、裂片の中肋と辺縁の中間に付着する。


    ところが、栄養葉と思わしき葉にソーラスが付着しているものがあった。これを見ると、ミドリカナワラビと思わしきものに良く似ている。どうなっているのか?


    色気を出して沢を少し登ってみる。


    ヒメカナワラビが生えていた。


    あふれんばかりの山盛りソーラス。


    鱗片は黒茶色で下向きに付着している。


    群生していたヒメカナワラビ。このシダも南部町では比較的良く目にすることが分かってきた。


    上流まで詰められそうだが、適当なところで撤退する。

 ミドリカナワラビとオニカナワラビの判別にはもう少し時間がかかりそうである。典型的なミドリカナワラビを探し出して良く観察することが必用であろう。

 もう1ヶ所、確認しておきたいシダがあって移動する。

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貫ヶ岳周辺のシダ  令和4年1月10日

2022年01月13日 | シダの仲間
 貫ヶ岳の渓谷は上まで登れなかったが、登山道周辺には様々なシダが生育していた。


    カタヒバ。県南部では普通に見かける。


    ホラシノブ。普通にありそうだが、意外と見かけないシダ。


    アマクサシダ


    アマクサシダはこの山では結構見かけるが、なかなか良い状態のものに出会えない。


    ヘラシダ。この場所ではあまり多くは生育していない。


    これはタカサゴキジノオだと思っていたのだが、頂羽片がはっきりしておりキジノオシダではないかと思う。


    羽片の付け根の部分も上下が軸に流れて付着している。判定保留にしておく。


    これはコハシゴシダではないかと以前から着目しているのだが、ソーラスが確認できていない。


    最下裂片が独立して付着するらしいのだが、この画像でははっきりしない。判定保留、再確認に行く必要がある。


    これもミドリカナワラビかオ二カナワラビか分からないシダ。ソーラスが付着していれば判別出来るかも知れない。


    鱗片が細くてこげ茶色のことから、オニカナワラビの可能性が高いと思われる。


    イノモトソウ。オオバノイノモトソウはたくさん見かけるがこちらは意外と少ない。


    シダではないが、アリドオシがこの場所に生育していた。まだ花と実を確認できていない。

 シダは判別が難しいものが多々あり、おそらく何度見なおしても分からないものがあるのだと思う。判別は慎重に行うべきだと思うが、分からなくてもそれで良いと思っている。当たらずとも遠からず、で良いのではないだろうか。

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大木に着生するシダに会いに行く 大室山  令和4年1月3日

2022年01月08日 | シダの仲間
 一昨年の年末から昨年の年始にかけて、富士山寄生火山の大室山に3度登り、3度目の正直でやっと出会えたのが今回見に行くシダである。午後になると日が当たりにくくなって撮影しにくくなるため、お昼までにはなんとか到着したい。富士本栖リゾートでダイヤモンド富士を見てから登山口に移動し、9時に出発する。


    相変わらず1株だけ生えているオオクボシダ


    何となく違和感が・・・見上げてみればあったはずの木が無くなっている。


    ベニカヤランが着生していた木が根元でボッキリと折れてしまっていた。残念。


    ヤドリギが着生する木


    ヤドリギは常緑性で、冬になるとある程度は落葉するが全て葉が落ちてしまうことは無い。緑色の実が残っている。


    こちらはホザキヤドリギが着生する木。他に無いか探しているがこの界隈ではこの木1本しか見つからない。


    ホザキヤドリギは落葉樹で冬になると葉は全て落ちる。既に実も全て落ちてしまっている。


    カラマツの林。たぶん植林帯。


    大室山の斜面は主にコナラとブナが生育している。こちら側の斜面は若いブナの木が多い。


    大室山山頂。樹林の中のピークで展望は無い。


    その先の少し下がったところに三角点と展望地がある。


    雄大な富士山がドンと聳えて見える。眺望が良く雄大である。


    目的のシダが着生する木に到着する。木の影で陰ってしまっていたが、少し待っていると陽が射してきた。


    目的のシダ、スギラン。


    かなりの大株である。


    角度を変えて撮影。天候が良くうまく日が当たってくれたため、超望遠撮影でも撮影し易い。


    さらに角度を変えて撮影。他に無いかどうか探してみるが見つからない。

 富士本栖リゾート周辺にはコンビニが無く、持って来たのは昨日の残りのパンが少しとお菓子だけだった。半分ほど食べて下山するが、下りは登って来たところとは別の道無き斜面を探索しながら下りてみる。


    スギランが着生していないかと双眼鏡で覗き込みながら下山するが見つからない。


    ヤドリギはたくさんあるがホザキヤドリギは見つからなかった。


    本栖風穴。この場所の近くに下りてくるはずだったが、途中でGPSが位置を拾わなくなり、通り過ぎてしまって戻ることになる。

 ベニカヤランがたくさん着生していた木が折れて無くなってしまったのは残念だったが、スギランはしっかりと生育してくれていた。着生植物は木の状態によって突然無くなってしまうことがあるのが難しいところだと思う。

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南部町のシダを訪問する 令和4年1月2日

2022年01月06日 | シダの仲間
 年末から年始にかけてレナード彗星を中心に星空やダイヤモンド富士を追いかけてきたが、植物も見て回らないとあっという間に名前を忘れてしまう。富士川町林道のダイヤモンド富士失敗の後は南部町まで足を延ばしてみる。


    まず訪れたのはマツバラン。


    「松」という名が付くシダで、何となく縁起が良いような気がする。


    昨年見つけた別の木に着生しているマツバラン。


    球形の胞子嚢をたくさん付けているのが見える。


    木の幹に着生したクモラン


    結実したクモラン

 さらに渓谷に沿って林道の奥に入ってみる。


    つららの垂れ下がる岩壁。今年の正月は寒い。


    ハカタシダ。だいぶ痛んでいる。


    典型的なオオバノアマクサシダ。頂羽片の先端部小羽片が著しく長く、羽片の小羽片が上下不対称である。


    羽片の先端部小羽片がやや長いが、羽片の小羽片が上下対象でこれはオオバノハチジョウシダだと思う。


    最下羽片の下向き第一小羽片の切れ込みも左右対称である。オオバノアマクサシダはいずれかが長いものがほとんどである。


    これがどちらか分かり難い中間型のもの。最下羽片の下向き第一小羽片の切れ込みが不対称なのでオオバノアマクサシダではないかと思う。


    コバノイシカグマがちらほらと残っている。


    一見何だか分からなかったシダ。イタチシダの仲間のようにも、カナワラビの仲間のようにも見える。


    大株を見て何だか分かる。これはミヤマイタチシダであろう。


    ヒカゲノカズラの群生


    林道脇に生えていたベニシュスラン


    カンアオイの仲間が生えていた。さて、これは何?


    マクロレンズで花の中を覗き込んでみると、内側を向いている二又になった雌しべの先端が見える。これはカンアオイ。分解しなくても判別できるようになった。


    このシダに会いたかった。


    木の幹に着生したスギラン。手の届くような位置に生育しているスギランはここしか知らない。


    貝殻状の胞子嚢は割れていて胞子は既に放出されている。ヒメスギランやコスギランと違ってスギランには無性芽が無い。


    雲ひとつない綺麗な富士山が見える。早起きして少し眠いが、良いシダ観察が出来た。

 朝のダイヤは失敗だったがシダはそれなりに良いものが見られたと思う。オオバノアマクサシダとオオバノハチジョウシダはまだ決定的な判別点が分かっておらず、今後の課題である。

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