山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

貫ヶ岳周辺のシダ  令和4年1月10日

2022年01月13日 | シダの仲間
 貫ヶ岳の渓谷は上まで登れなかったが、登山道周辺には様々なシダが生育していた。


    カタヒバ。県南部では普通に見かける。


    ホラシノブ。普通にありそうだが、意外と見かけないシダ。


    アマクサシダ


    アマクサシダはこの山では結構見かけるが、なかなか良い状態のものに出会えない。


    ヘラシダ。この場所ではあまり多くは生育していない。


    これはタカサゴキジノオだと思っていたのだが、頂羽片がはっきりしておりキジノオシダではないかと思う。


    羽片の付け根の部分も上下が軸に流れて付着している。判定保留にしておく。


    これはコハシゴシダではないかと以前から着目しているのだが、ソーラスが確認できていない。


    最下裂片が独立して付着するらしいのだが、この画像でははっきりしない。判定保留、再確認に行く必要がある。


    これもミドリカナワラビかオ二カナワラビか分からないシダ。ソーラスが付着していれば判別出来るかも知れない。


    鱗片が細くてこげ茶色のことから、オニカナワラビの可能性が高いと思われる。


    イノモトソウ。オオバノイノモトソウはたくさん見かけるがこちらは意外と少ない。


    シダではないが、アリドオシがこの場所に生育していた。まだ花と実を確認できていない。

 シダは判別が難しいものが多々あり、おそらく何度見なおしても分からないものがあるのだと思う。判別は慎重に行うべきだと思うが、分からなくてもそれで良いと思っている。当たらずとも遠からず、で良いのではないだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大木に着生するシダに会いに行く 大室山  令和4年1月3日

2022年01月08日 | シダの仲間
 一昨年の年末から昨年の年始にかけて、富士山寄生火山の大室山に3度登り、3度目の正直でやっと出会えたのが今回見に行くシダである。午後になると日が当たりにくくなって撮影しにくくなるため、お昼までにはなんとか到着したい。富士本栖リゾートでダイヤモンド富士を見てから登山口に移動し、9時に出発する。


    相変わらず1株だけ生えているオオクボシダ


    何となく違和感が・・・見上げてみればあったはずの木が無くなっている。


    ベニカヤランが着生していた木が根元でボッキリと折れてしまっていた。残念。


    ヤドリギが着生する木


    ヤドリギは常緑性で、冬になるとある程度は落葉するが全て葉が落ちてしまうことは無い。緑色の実が残っている。


    こちらはホザキヤドリギが着生する木。他に無いか探しているがこの界隈ではこの木1本しか見つからない。


    ホザキヤドリギは落葉樹で冬になると葉は全て落ちる。既に実も全て落ちてしまっている。


    カラマツの林。たぶん植林帯。


    大室山の斜面は主にコナラとブナが生育している。こちら側の斜面は若いブナの木が多い。


    大室山山頂。樹林の中のピークで展望は無い。


    その先の少し下がったところに三角点と展望地がある。


    雄大な富士山がドンと聳えて見える。眺望が良く雄大である。


    目的のシダが着生する木に到着する。木の影で陰ってしまっていたが、少し待っていると陽が射してきた。


    目的のシダ、スギラン。


    かなりの大株である。


    角度を変えて撮影。天候が良くうまく日が当たってくれたため、超望遠撮影でも撮影し易い。


    さらに角度を変えて撮影。他に無いかどうか探してみるが見つからない。

 富士本栖リゾート周辺にはコンビニが無く、持って来たのは昨日の残りのパンが少しとお菓子だけだった。半分ほど食べて下山するが、下りは登って来たところとは別の道無き斜面を探索しながら下りてみる。


    スギランが着生していないかと双眼鏡で覗き込みながら下山するが見つからない。


    ヤドリギはたくさんあるがホザキヤドリギは見つからなかった。


    本栖風穴。この場所の近くに下りてくるはずだったが、途中でGPSが位置を拾わなくなり、通り過ぎてしまって戻ることになる。

 ベニカヤランがたくさん着生していた木が折れて無くなってしまったのは残念だったが、スギランはしっかりと生育してくれていた。着生植物は木の状態によって突然無くなってしまうことがあるのが難しいところだと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南部町のシダを訪問する 令和4年1月2日

2022年01月06日 | シダの仲間
 年末から年始にかけてレナード彗星を中心に星空やダイヤモンド富士を追いかけてきたが、植物も見て回らないとあっという間に名前を忘れてしまう。富士川町林道のダイヤモンド富士失敗の後は南部町まで足を延ばしてみる。


    まず訪れたのはマツバラン。


    「松」という名が付くシダで、何となく縁起が良いような気がする。


    昨年見つけた別の木に着生しているマツバラン。


    球形の胞子嚢をたくさん付けているのが見える。


    木の幹に着生したクモラン


    結実したクモラン

 さらに渓谷に沿って林道の奥に入ってみる。


    つららの垂れ下がる岩壁。今年の正月は寒い。


    ハカタシダ。だいぶ痛んでいる。


    典型的なオオバノアマクサシダ。頂羽片の先端部小羽片が著しく長く、羽片の小羽片が上下不対称である。


    羽片の先端部小羽片がやや長いが、羽片の小羽片が上下対象でこれはオオバノハチジョウシダだと思う。


    最下羽片の下向き第一小羽片の切れ込みも左右対称である。オオバノアマクサシダはいずれかが長いものがほとんどである。


    これがどちらか分かり難い中間型のもの。最下羽片の下向き第一小羽片の切れ込みが不対称なのでオオバノアマクサシダではないかと思う。


    コバノイシカグマがちらほらと残っている。


    一見何だか分からなかったシダ。イタチシダの仲間のようにも、カナワラビの仲間のようにも見える。


    大株を見て何だか分かる。これはミヤマイタチシダであろう。


    ヒカゲノカズラの群生


    林道脇に生えていたベニシュスラン


    カンアオイの仲間が生えていた。さて、これは何?


    マクロレンズで花の中を覗き込んでみると、内側を向いている二又になった雌しべの先端が見える。これはカンアオイ。分解しなくても判別できるようになった。


    このシダに会いたかった。


    木の幹に着生したスギラン。手の届くような位置に生育しているスギランはここしか知らない。


    貝殻状の胞子嚢は割れていて胞子は既に放出されている。ヒメスギランやコスギランと違ってスギランには無性芽が無い。


    雲ひとつない綺麗な富士山が見える。早起きして少し眠いが、良いシダ観察が出来た。

 朝のダイヤは失敗だったがシダはそれなりに良いものが見られたと思う。オオバノアマクサシダとオオバノハチジョウシダはまだ決定的な判別点が分かっておらず、今後の課題である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アカハナワラビとオオハナワラビ 竹宇駒ケ岳神社界隈を散策  令和3年11月25日

2021年11月26日 | シダの仲間
 アカハナワラビの葉が紅葉している頃だろ思う。花仲間とともに竹宇駒ケ岳神社界隈のアカハナワラビを見に行ってみる。


    竹宇駒ケ岳神社


    もう胞子穂が傷んでしまっているアカハナワラビ


    こちらはまだ胞子穂が残っている。この場所のアカハナワラビは背が高い。


    紅葉したアカハナワラビの葉。辺縁は細かい鋸歯状である。


    こちらはオオハナワラビ。すぐ下に見える葉はアカハナワラビである。


    オオハナワラビは葉の辺縁が紅葉する。鋸歯はアカハナワラビほど細かく無い。


    見たかったのは木に着生するこのシダである。


    スギラン。空は曇り空で強風が吹き荒れ、撮影条件がいまいちだった。晴れた良い日に際写したいと思っている。

 スギランは高い木の上に着生するシダで、個体数が少なくなかなか見つけずらいシダである。よくぞこの場所で花仲間は見つけてきたものである。凄い!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

晴天の富士山とヒメウラジロ  令和3年11月13日

2021年11月15日 | シダの仲間
 朝から真っ青な青空が広がり綺麗な富士山が姿を現した。今年の富士山はこの季節にしては雪化粧していて美しい。これならばヒメウラジロと一緒に雪化粧した富士山が撮れるのではないかと出かけてみる。


    紅葉の向こうに立つ雪化粧した富士山


    ヒメウラジロが生育する石垣に到着したが・・・


    もう冬支度でヒメウラジロは葉を丸めているうえにアメリカセンダングサがはびこっていた。


    葉を丸めたヒメウラジロ。個体数は昨年よりも多そうである。


    まだ茶色くなっていないものもある。


    まだ少し青いヒメウラジロ


    こちらはほとんど冬支度のヒメウラジロ


    葉裏の辺縁に付着する胞子嚢群


    下から見上げるヒメウラジロ


    トキワトラノオ

 今回は新調したEosRP用の35㎜マクロレンズを持って行った。それなりに写ってくれそうだが、ピント合わせが難しく使いこなすには少し時間がかかりそうである。ヒメウラジロと富士山を撮るには10月中に訪問しないと難しいようである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

初めて見るシダ、ミヤマウラジロ  令和3年9月6日

2021年09月06日 | シダの仲間
 ミヤマウラジロは石灰岩地を好むシダであるが、石灰岩地の少ない山梨県ではあまり見かけないシダである。丹波山村あたりまで遠征すれば容易に見られるらしいが、なかなか時間がとれずにまだ見たことが無いシダのひとつである。別件で師匠に連絡を入れたところ、東部富士五湖地方の林道脇に生育しているとの情報をいただき、さっそく見に行ってみた。お昼過ぎに現地付近に到着し、車を止めて準備しているとポツポツと雨が降り出してしまい、やがて頭上で雷鳴が轟き出した。これはあまりゆっくりしていられなそうだ。


    林道脇の古い石垣の間から生えていたミヤマウラジロ。


    見るのは初めてである。やっと会えたといった感じである。


    葉の裏側には白粉が付着して白くなっている。


    ソーラスは葉の辺縁に巻き込まれるように付着する。


    茎にも白粉が付着していた。


    生えているのは石垣のほんの一画だけで、個体数もあまり多くは無かった。

 次第に雨脚が強くなり、一旦車に戻って待機するが、止みそうもない。もう1種類珍しいシダが生えているらしく、歩いて探索するつもりだったが、雷鳴激しく雨も強い。車で移動しながら路上駐車し、怪しい岩壁を見ながら探すことにする。


    3ヶ所目くらいでそれらしきシダの姿があった。


    コガネシダ。東部富士五湖方面でまれに見かけるシダである。


    裏側のソーラスも撮影したかったが土砂降りになってそれどころではなくなった。


    風で葉がブレてしまう。じっくり撮っている余裕無く、さっと撮って車に逃げ込む。

 2種類の珍しいシダが生育しているのを確認し、もう少しじっくりと観察したい気持ちはあったが雨と雷のためこの日は撤退である。帰り際にはさらに前が見えないほどの土砂降りの雨となってしまった。いずれのシダも夏緑性のシダなので10月に入ると枯れ始めてしまうかも知れない。近くに行く時には再訪してみたいと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コヒロハハナヤスリその後 令和3年8月24日

2021年08月26日 | シダの仲間
 6月初旬に訪問して胞子穂を出しているのを確認しているコヒロハハナヤスリだが、その後はどうなっているのだろうか?初めて見つけたのは昨年10月だが、その時には既に痛み始めていた。今頃は元気に胞子穂を伸ばしている頃ではないだろうか?


    たくさん葉を出しているセンブリ


    花芽はまだ見えない。咲くのは3~4週間先になりそうだ。


    たくさん生えていたはずのネジバナがひとつも見当たらない。これは草刈りが行われた後ではないだろうか?


    フユノハナワラビはまだほとんど姿を現しておらず、見つかったのはこの1株のみ。


    元気なコヒロハハナヤスリを発見。


    別角度から。すらりと延びていて格好良い。


    胞子穂の拡大。まだ胞子は放出されていない。


    まだ小さな個体。しかし、胞子穂を出しているのはこの2株のみで昨年に比べるとかなり少ない。


    葉もあまり見当たらない。

 6月にはもう少し個体数を確認しているが、今回見つかったのはほんの数株のみだった。昨年は20株くらいは見ているので激減である。草刈りで刈られてしまっているのかも知れない。残念である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南部町のシダを巡る  令和3年8月11日

2021年08月15日 | シダの仲間
 南部町の渓谷沿いには様々なシダが生育していて散策すると面白い。花仲間数名とともに何ヶ所か南部町の渓谷沿いのシダを巡り歩いてみた。


    幼弱なアオネカズラ。


    冬緑性のこのシダは夏のこの時期に若い葉を出し始める。可愛らしい幼葉。


    博多織の模様が鮮やかなハカタシダ。山梨県のハカタシダは模様が入っていないものが多い。


    ハカタシダと同じオシダ科カナワラビ属のホソバカナワラビ。葉の光沢が美しい。


    葉柄が長くしばしば群生する。山梨県の個体数はあまり多くは無い。


    ソーラスは小羽片の辺縁と中軸の真ん中あたりに付着する。


    これも同じ仲間のコバノカナワラビ。なかなか良い状態のものを観察できない。


    葉の光沢が美しく、格好良いシダ。


    これは胞子葉。栄養葉に比べて葉が硬く、緑の色が濃くて小羽片の切れ込みがやや深い。


    ソーラスは小羽片の辺縁と中軸の中間あたりに付く。


    チャボイノデ。南部町の渓谷でしか見たことが無い。全体に細長く、あまり大型にはならない。


    ソーラスは小羽片の辺縁につく。鱗片は細めでけばけばしい感じがする。


    イヌチャセンシダは渓谷の苔の生えた岩壁を好んで生育している。


    オクタマシダ。山梨県ではきわめて稀なシダ。


    葉は硬め。線形のソーラス。


    静岡県境の林道脇で見たイブキシダ


    こちらは渓谷の岩壁に生えていたイブキシダ


    このシダは水際を好んで生育している。本来は常緑性だが、山梨県では冬になると枯れるようである。


    水圧に耐えるためにいちばん下の羽片はきわめて小さい。


    ソーラスは小羽片の辺縁と中軸の真ん中あたりに付着する。


    オニヒカゲワラビと思わしきシダ


    線形ソーラスが小羽片の付け根近くに付着している。


    以前に見たオニヒカゲワラビは真っ黒なゴワゴワした鱗片が密生していたが、この個体は鱗片が少ない。

 4~5ヶ所の場所を一気に巡り歩いた。なかなか有意義なシダ散策だったが、暑くてバテた1日だった。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コヒロハハナヤスリはどうなっているのだろうか? 令和3年6月1日

2021年06月04日 | シダの仲間
 ヒロハハナヤスリはもう花期を終えてしまっているが昨年の秋に発見したコヒロハハナヤスリのほうはどうなっているのだろうか?自生地の公園を訪れてみる。


    駐車場の脇にアヤメが咲いていた。


    草むらの中に隠れるように生えているコヒロハハナヤスリ。


    目を凝らして探さないと見つからない。


    胞子穂を伸ばしているがまだ未熟で小さい。


    草刈りが行われた後で一部刈られている個体もあった。


    橋げたのところに生えていたマンネングサの仲間


    花を付けない枝は横に長く延びている。


    これはツルマンネングサのようである。

 コヒロハハナヤスリはまだ幼弱で小さく、胞子穂を伸ばし始めたばかりのようだった。これからまだ生えてくるかもしれないが個体数は10株に満たなかった。引き続き経過を見て行きたいと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

胞子穂が伸びてきたヒロハハナヤスリ 令和3年4月18日

2021年04月23日 | シダの仲間
 先週も訪れたばかりのヒロハハナヤスリを再訪してみる。前回はまだ胞子穂が十分に伸びていなかったが、そろそろ見ごろになってきた頃ではないかと思う。草刈りされていないかどうか心配である。


    胞子穂が伸びてきたヒロハハナヤスリ。もう少し伸びたところで綺麗に撮影してやりたい。


    日当たりの悪いこの場所は型も大きめで胞子穂が伸びている。しかし残念なことに後ろ側の個体は草刈りされてしまっていた。


    ヒロハハナヤスリと胞子穂


    赤紫色のジュウニキランソウ。キランソウとジュウニヒトエの交雑種。


    紫色のジュウニキランソウ


    たぶんこれが片親のジュウニヒトエ


    たぶんアオスゲ


    先端部に少し大きめの雄小穂がある。

 同行した花の師匠がウラシマソウが見ごろになっていると案内してくれた。このウラシマソウが生き生きとしていてビックリ!甲府で見るウラシマソウは単発的にパラパラと咲いているがここは固まっていて仏炎苞が1.5倍くらい大きくて生き生きしている。


    群生しているウラシマソウ


    長い釣り糸を出している。仏炎苞が大きくて生き生きしている。


    ここは生育環境が良いのであろう。


    オドリコソウも咲いていた。

 8月に山梨のシダの写真展を開催する予定があり、今回の可愛らしいヒロハハナヤスリは是非展示したいと思っている。一応撮ってはあるがいまひとつ満足できない画像ばかりである。真っ青な青空の下で元気に葉を広げて胞子穂を伸ばしているような姿が撮れればと思っている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北杜市のシダを訪れる 令和3年4月10日

2021年04月13日 | シダの仲間
 スミレの観察を終えて下山してきたが、日没にはまだ時間がある。北杜市に生育しているシダ2ヶ所を訪問してみる。


    カタクリがちらほらと咲いていた。


    観察に行ったのはこのシダ。


    石灰岩地を好んで生育するイチョウシダ。


    常緑のシダであるが春を迎えたばかりでまだ元気が無い。


    裏側のソーラスは葉脈に沿って付く。


   2ヶ所目はこのヒロハハナヤスリ。


    先日も様子を見に来ているがまだ胞子穂が十分に伸びていない。


    あと2週間もすればしっかりと胞子穂を伸ばしてくれそうだ。草刈りされなければ良いのだが・・・。


    日当たりの悪い場所の個体は大き目で胞子穂を伸ばしていた。


    他にもいろいろ咲いていた。これはスミレの群生。


    一緒にノジスミレが咲いている。風で揺れてしまった。


    二ホンタンポポ


    その中でも、これは総苞が少し膨らんでいるように見え、シナノタンポポと思われる。


    キランソウ


    キランソウの花


    ジュウニヒトエと思ったが少し背が低い。おそらくジュウニヒトエとキランソウの交雑種、ジュウニキランソウではないかと思われる。


    ピンク色のジュウニキランソウとキランソウ

 スタート時間は遅くなってしまったが、本日も1日たっぷりと春の花やシダを楽しませていただいた。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

南部町の渓谷のシダ探索 令和3年3月14日

2021年03月15日 | シダの仲間
 何度か探しに行っているが見つからないシダを花仲間が見つけ出してきてくれた。GPS軌道も送っていただいたので簡単に見つかるだろうと思ったのだが、どうも渓谷の支脈のさらに支脈の谷の中らしい。ひょっとしたらGPSが位置をうまく拾ってくれないのでは?と心配しつつ、地図で位置を確認してから入山する。


    林道脇の2ヶ所でイヌチャセンシダを発見。


    少し色の濃いコケシノブの仲間を発見。


    マクロレンズで見てみると裂片の辺縁に鋸歯がある。これはコウヤコケシノブ。コケシノブと一緒に普通にある。


    ミヤマイタチシダ。この場所では稀。


    滝が流れ込む。


    その脇に何かシダが群生している。


    イヌチャセンシダを期待したが、どうやらツルデンダのようである。


    目的地の滝に到着。この沢沿いだろうと思っていたのだが、滝の周辺の岩壁には目的のシダは生えていなかった。


    滝を巻いて越えてみる。その先は倒木で荒れている。渓谷沿いの岩や岩壁を探してみるが見つからない。


    この渓谷に生えていたのは白いほうのハナネコノメソウだった。


    これはイワボタン(たぶん)

 目的の渓谷を探索してみたが探し物のシダは発見できなかった。この周辺には他にも支脈の谷が多数存在しており、いただいた地図だけだとどの谷なのかいまひとつ分かりにくい。それと、心配していた通り、渓谷の途中でGPSが位置を拾わなくなってしまい、正確な位置が出て来なくなってしまった。こうなったら・・・片っ端からシラミツブシ作戦に出る。


    別の支脈に入ってみる。倒木で荒れているが古い林業作業道のようなものが対岸に付いていた。緩い沢がずっと先まで続いており途中で撤退。


    この沢の岩に苔と一緒に付いていた小さなシダ。


    特徴的な毛はだいぶ薄くなってしまっているが、これはカラクサシダ。


    次の谷を覗き込む。


    この谷ではもうツルシロカネソウが咲き始めていた。


    次の谷は枯れていて岩ゴロゴロ。


    大岩を越えると谷は左右に分かれていた。


    谷の上流は水が流れていた。


    色の変わったコケシノブの仲間が生えていた。


    アオホラゴケ?かと思ったのだが、普通のコケシノブのようである。胞子嚢がまだ付いておらず詳細は不明。


    ここにもハナネコノメソウ。


    そしてツルネコノメソウ、と思ったのだが少し感じが違う。葉が対生しており、これはムカゴネコノメソウのようだ。


    次の谷。ここも枯れていて岩ゴロゴロ。


    大岩を越えて上を探る。


    イワナンテンが点々と生えていた。


    さらに次の谷。少し水が滴って来る。


    谷の上部。頑張れば稜線まで登り付けそうである。ここまでで撤退。


    ヤマイワカガミが生えていた。

 何本も沢や谷を探り時刻は4時を過ぎてしまった。結構疲れたし、何度か足元の石が崩れて危ない思いもした。そしてなんとか探し物のシダに出会うことが出来た。


    探していたのはこのヘラのような可愛らしいシダ。


    かつて生育していたと聞く別の沢を探したが、岩壁が崩落してみあたらなくなってしまったシダ。


    ヒメサジラン。やっと出会えた。


    ソーラスを下から覗き込む。上から見下ろして笑っているようである。

 だいぶ苦労したがなんとか目的のシダに出会うことが出来た。花仲間はよくこんな谷を登ってこのシダを探し出してきたものである。凄い。しかし、向こうも私のことをそんなふうに思っているのかも知れない。今年は何度か合流して花探索に出かけることになっており、今後が楽しみである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マツバランは元気にしているか? 南部町 令和3年2月27日

2021年03月02日 | シダの仲間
 甲府市近傍で見つかったマツバランはまだ幼弱でこの季節は球形の胞子嚢を付けていなかった。では南部町に生育しているマツバランはどうなのだろうか?胞子嚢の状態が気になって見に行ってみた。


    桜の木の幹に着生したマツバラン


    昨年見た時よりもいくぶん大きくなったように見える。


    胞子嚢はどうだろうか?


    普通に球形の胞子嚢が付いている。


    どうやら季節は関係無いようだ。

 周辺に何かないかどうかドライブして探索してみる。


    民家の庭に生えていたカヤの木の大木


    この木にはやはり着生している。ムギラン。


    梅の木の幹にはこれが着生していた。


    結実したクモラン


    そのうち実が割れて綿毛のような種が舞い出すだろう。


    大きな桜の木があった。たぶんエドヒガンザクラの大木。


    双眼鏡で木の幹や枝を覗き込んでみると、何か着生している。


    この大木にもマツバランが着生していた。


    それなりの大株、胞子嚢がたくさん付いている。

 まさかと思ったが、別の桜の大木にもマツバランが着生していた。これでマツバランの生育場所は山梨県では3ヶ所確認されたことになった。きっとまだ他にもあるのだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

まさかのマツバラン 令和3年2月19日

2021年02月22日 | シダの仲間
 根も葉も持たず茎と胞子しか無い原始的な形態のマツバランは、かつて山梨県から消滅したと思われていた時期があり、2007年版レッドデータブックでは野生絶滅になっていた。その後、県南部の桜の木に着生したマツバランが復活して2018年版では絶滅危惧ⅠA類となっている。かつては甲府市郊外、あるいはその近傍の竹林の林床に生育していたらしいがもう何年も見つかっていない。ところが、またしても私の花仲間がこのマツバランを見つけてきた。別の花を見に行った際に偶然見つけてきたもので確認したのは1株だけらしい。詳細に場所を聞いてさっそく見に行ってみた。


    これは水を貯める桶の跡か?


    こんなところにこんなものが生えているとは驚きである。


    マツバラン。個体が小さくまだ胞子嚢は成熟していない。

 見つかったのはこの1株だが、水桶の跡という場所が奇妙なだけに、これが本体では無いだろう。周辺にある桜の木やイチョウの木を念入りに見てまわるがそれらしきものは着生していない。竹藪の中はどうだろうか?ボサボサの竹藪をかき分けて入ってみると、その中に少数ながらマツバランが生育していた。


    竹林の林床に生えていたマツバラン


    見つかったには見つかったが・・・


    小さな個体ばかりで目を凝らして見ないと見落としてしまいそうである。


    一番大きかったのがこの個体


    胞子嚢はまだ成熟しておらず痕跡だけである。

 個体が小さいのはまだ幼弱だからか、それとも生育状況が悪いからなのだろうか?これから経過を追って見て行く必要がある。


    池のほとりに生えていたイノモトソウ


    林の中はオオベニシダがたくさん生えていた。

 マツバランがかつて生育していたという竹林はこの近傍のはずであるが正確な場所は知らない。探せば他の場所の竹林にも生育しているかも知れない。しかし、見つかっただけでもこれは凄いことである。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

渓谷の大木に着生したスギラン 山梨市  令和3年1月31日

2021年02月01日 | シダの仲間
 スギランの情報をいただいたのは昨年であるが、さらにGPSの軌道と画像を送っていただいた。おそらく私も見ている渓谷沿いに生えている大木に着生しているものであろうが、私は全く気付かずに通り過ぎたのだろう。そもそも山梨県レッドデータブックに掲載されているスギラン生育メッシュの外なのでこの山域にスギランが生育しているとは全く思ってもいなかったことがある。それと、近眼と乱視の私には着生植物を探すにはきわめて不利で、自力ではほとんど見つけられないという大きな問題もある。詳細なデータをいただいてはいるものの、単独で探しに行くと見つけられないのではないかという一抹の不安を抱えながら、渓谷を登ってみる。


    本日訪れるのは、以前にも訪問したことがある大きな椹の木が生える渓谷である。


    寒い日が続いたのでところどころ渓谷は凍っている。


    そのためこの渓谷の苔の上に生えるシダはあまり元気が無い。


    苔の生した岩の上に生育するフジシダ


    ホソバトウゲシバは寒さに全く動じていない。


    葉の細いホソバトウゲシバはスギランと見間違えてしまいそうである。


    カツラの木


    渓谷の主のような大木。これはダケカンバか、トチノキか?


    大きな木を覗き込んでみると葉を丸めたオシャクジデンダが着生している。


    冬の乾燥から身を守るために葉を丸めたオシャクジデンダ。


    情報を元に双眼鏡で覗きながら探すと、スギランを発見。


    これだけの大株ならば双眼鏡が無くても近視の私の目で発見出来そうである。200㎜望遠で撮影。


    さらにエクステンダーを装着して300~400㎜で撮影。


    葉の間にある胞子嚢が成熟して破裂しているようであるが、微妙にフォーカスが合わず風に揺れて詳細は見えない。


    角度を変えて撮影するが、逆光になり白っぽい画像になってしまう。

 このスギランという着生シダは今まで見て来た個体のほとんどが木の東側ないし北東側に着生している。南側や西側だと日が当たり過ぎて水分が不足してしまうために午前中だけ日が当たる東側を好むのであろう。今回も予想はしていたのだが、やはり東側に着生しており、午後にこのシダを撮影するには陽が入らないので暗くなってしまいなかなか良い画像が撮れない。また季節を改めて、今度は午前中の陽が射し込む時間帯に再写に行きたいと思っている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする