山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

湿地に生えるモウセンゴケ 令和6年7月19日

2024年07月20日 | 山に咲く花
 収集した情報が正しければ、八ヶ岳山麓にある湿地の中にモウセンゴケが生えているはずである。時期的にそろそろ花を咲かせている頃ではないかと思う。天気は良好だが山の上には雲がかかっているようである。午前の仕事を終えて午後から訪問してみる。

    八ケ岳には雲がかかっていてあまりご機嫌は良く無いが、おかげで少し涼しい。

    小さな川が何本か流れ込む湿地帯

    クサイが群生している。

    ヒメシダの群生

    まだ花が開いていないが、これはウキヤガラであろう。

    これはゴウソと思われる。湿地や水辺を好む植物がたくさん生えている。

    水際の草むらの中を覗き込んでみるとあっさりと探しているモウセンゴケが見つかった。

    粘着性のある腺毛を伸ばすモウセンゴケの葉

    白い蕾を付けているものを多数見かける。

    草むらの中に顔を出したモウセンゴケの花

    まだほとんどが蕾で、花が開くのは2~3日先になりそうである。

    それなりに数はあった。

    少し離れた別の場所にも生えていた。先端を持ち上げかけた花穂がたくさん出ている。

    この場所は生育条件が良いようで、蕾がたくさんある。

    これは植栽のものであろうが、珍しい花が咲いていた。

    キンロバイ。北岳ではたくさん見かけるが、八ヶ岳の山梨県側ではまだ出会っていない。

    自生のものはまだ見たことが無いこの木。見つけるのはかなり難しいと思っている。

    これはミヤマビャクシンであろう。丸い実がたくさん付いている。

 羽衣池周辺にあるのではないかと思っていたモウセンゴケであるが探しても見当たらず、それとは別の場所に生育していた。あまり踏み荒らされるような場所では無く、これからも元気に生育してくれると思う。この条件の湿地ならばエゾリンドウも咲くのではないだろうか。10月ごろに再訪してみたいと思っている。カフェに立ち寄ってくつろぎ、大人の平日の午後をたっぷりと楽しんだ。


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アリノトウグサが咲いた 令和6年7月17日

2024年07月19日 | 山に咲く花
 1ヶ月ほど前に生育を確認したアリノトウグサはまだ花穂を伸ばしていなかった。そろそろ咲いている頃ではないだろうか。前日訪問する予定だったが雨に阻まれて見に行けず、改めて本日見に行ってみる。

    群生しているアリノトウグサ。しかし生育しているのはほんの一画のみ。

    今度は花穂を伸ばして小さな花が付いている。

    花が小さすぎて咲いているのかどうかは近付いてみても良く分からない。

    まさに蟻が這っているような花である。
    
    たぶんこれで咲いている状態ではないかと思う。

    こちらはまだ花穂を十分に伸ばしていないもの。満開にはまだ少し早かったようである。

    花を終えたコゴメウツギであろう。

    見たことはあるがまだ何の花かは調べていない。

 満開には少し早かったがなんとかアリノトウグサの花を見ることが出来た。花が小さすぎるうえに風で花穂が揺れてなかなかうまく写真を撮らせてくれなかった。花が散り始めるとまた違う姿を見せてくれるのであろう。来られるようであれば再訪してみたいと思う。


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湿地に生えるラン科植物の正体は? 令和6年7月14日

2024年07月17日 | 山に咲く花
 1ヶ月ほど前にタニヘゴの生育する湿地を訪れた際に見たラン科と思わしき植物がそろそろ花を咲かせている頃ではないだろうか?もう日没近い時刻であるがさほど歩かずに行ける場所なので立ち寄ってみる。

    元気に青々と茂っているタニヘゴ。


    湿地のこの一画にのみ生えている。

    正体の分からないこのラン科と思わしき葉

    当初はカモメランかと思ったのだがそうでは無さそうである。

    咲き始めたばかりの花が付いている。

    葉の大きさの割には小さな花が咲いている。

    これはトンボソウであろう。

    近くに生えていたオレンジ色の棒のようなもの

    冬虫夏草の一種ではないかと思う。

    草地にたくさん生えているハネミギク

    花が咲き始めていた。

    雑草の如くたくさん生えているが、それなりに綺麗な花だった。

    コウヤワラビの大群生

 正体不明のラン科植物の正体はどうやらトンボソウだったようである。かつては珍しいラン科の花が咲いていたらしいのだが今ではコウヤワラビの群生に置き換わってしまい、絶滅してしまったようである。


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久しぶりに見るオオバナオオヤマサギソウ 令和6年7月14日

2024年07月17日 | 山に咲く花
 花仲間からオオバナオオヤマサギソウが咲いているので見に行こうと誘われて行ってみることにする。現地まで案内していただいてビックリ!以前に訪れた場所と同じところだった。テンニンソウに覆われてもう絶えてしまったと思っていたのだがまだ残っていたか、あるいは復活したようである。

    テンニンソウの中に咲いていたオオバナオオヤマサギソウ

    数年前に訪問した時は花が見つからず、数株の葉を見たのみだった。しっかり復活したようである。

    オオバナオオヤマサギソウの花。手を広げたような形で花が咲く。

    テンニンソウがあまりはびこっていない場所のほうが多く生育していた。

    この花を見るのは5~6年ぶりではないだろうか。

    距は長くて真直ぐに伸びるか、先端部が緩く下に曲がる。

    葯が2本見える。

    こちらは花が咲かずに立ち枯れしてしまったようである。

    別株。これは穂が伸びる前に立ち枯れしたようである。

    茶色い木がたくさん生えている。

    木の縞模様がはっきりしており、これはヒコサンヒメシャラであろう。

    花は蕾なのか?それとももう終わって結実し始めているのか??

 久しぶりにオオバナオオヤマサギソウの花に出会えたが、個体数はあまり多くは無く、立ち枯れしているものも多く見かけた。

 草原に立ち寄ってみる。

    オオバギボウシがたくさん咲いている。

    草原内は鹿の食害が多いのだが、この場所はあまり食害を受けていないようである。

    これはユウスゲであろう。

   紫色鮮やかなアヤメの花

    スズサイコはたくさん見かける。

    天候が悪かったためにスズサイコの花は開いていた。

 草原に咲くランがあるのではないかと足元に気をつけながら探したのだが残念ながら見つからなかった。他にも珍しい花があるはずなのだが、雨が降り出して靴とズボンがびしょ濡れになってしまい、撤退となる。


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ヤワタソウが咲いた 令和6年7月9日

2024年07月12日 | 山に咲く花
 10日ほど前に発見したヤワタソウと思わしき草は蕾が付いていた。そろそろ咲いている頃ではないかと思い、再訪してみる。

    前回発見したヤワタソウの葉。この株には花が付いていない。

    なかなか見つからず、谷の上から探してみると前回発見したものとは別株の花が咲いていた。

    初めて見るヤワタソウの花。山梨県では個体数が少なく、ちょっと感動である。後ろに生えているのはカナウツギの葉。

    花は痛み始めていて一部が散っていた。

    前回発見した株はちょうど満開である。下にあった大きな葉2枚はおそらく食害で消失している。

    ドンピシャリ!満開のヤワタソウの花。

    やっと出会えた山梨県のヤワタソウの花

    周辺を探してみると葉はいくつか発見できたが花は咲いていなかった。

    ほとんどそっくりだが、こちらはイヌショウマのようである。茎に毛が生えていなかった。

    カナウツギを見に行ってみると、もう花が散っていた。

    もう花が散っているカナウツギ

 昨年から本格的に探していたヤワタソウだが、やっと咲いている花に出会うことが出来た。東京都民の森に行けば難無く見られるのであろうが、山梨県では個体数が少なくなかなか見られない花である。食害が著しく、傾斜のきつい土手の斜面にしか咲いていない。今後が心配である。


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ラン科植物の咲く山を訪れる 令和6年7月7日

2024年07月11日 | 山に咲く花
 昨年は日程が合わず訪問出来なかったが、それ以外の年は恒例のように訪問している山を訪れてみる。天候が不安だったのだが数日前に予報が晴れに変わり、甲府は猛暑日になりそうである。雨の心配はほとんど無さそうだが、暑さが心配で水を少し多めに持って登ることにする。

    ニッコウキスゲは笹薮に飲まれており、鹿の食害もあるようでだいぶ数が少なくなっている。

    ススキの中に隠れるように咲いているヤマトキソウ

    今年は数が少なくなかなか発見出来ない。

    こちらはヤマサギソウであろう。

    まだ咲き始めたばかりのものが多かった。

    ヒメムヨウランはそこそこに数があるがもう終盤だった。

    笹の中に生えていたコハクラン。見つかったのはきわめて偶然である。

    もう痛んでいたコハクランの花

    ちょうど見ごろのものを1本発見した。

    唇弁の模様は赤紫色をしているコハクラン

    草むらの中に咲いているタカネアオチドリ。個体数はきわめて少ない。

    見たかったこの草はもう終盤だった。

    今にも脱落しそうな場所に咲いていた草

    1円玉ほどの小さな株も花を咲かせたようである。個体数は年々減少しているように見える。

 この山に咲くラン科の花たちは年々開花時期が早くなっているようで、既に少し遅かったものが多かった。今年は全体的にラン科植物はハズレ年であろうと思うのだが、それを考慮しても稀少なラン科の花たちは減少しているように見受けられる。生育地がイネ科の植物に占拠されてしまっていることと、土砂が流れて流出してしまっているものがあるようである。どうやって保護すれば良いのかはかなり難しい問題であろう。


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これがヤワタソウであろう 令和6年6月30日

2024年07月03日 | 山に咲く花
 富士山の草原の散策を早めに切り上げてヤワタソウが生育していると聞く森を訪れてみる。数年前にも一度訪れているが、それらしい葉は見つけたものの、イヌショウマとの区別が全く出来ずに何だか分からないで終わってしまっている。今回は少し勉強してきたのに加えてイヌショウマの葉は十分に見てきたのでおそらく区別が出来るのではないかと思う。

    さっそくそれらしき葉が現れた。葉の表面の光沢が強くツルッとした感じ、茎には毛が少ない。これはイヌショウマの葉だろう。

    こちらは葉が円形に近く、葉の表面の光沢が鈍い。

    茎を見てみると毛が多い。

    こちらも葉の光沢が渋く、おそらくこれがヤワタソウであろう。真ん中の茎は朽ちている。

    葉茎を見てみると棘のような毛がたくさん生えている。

    小さな葉が何枚かあるがこれもヤワタソウと思われる。

    花が見当たらないが、太い茎は途中で千切れている。これは食害なのではないだろうか?

    急斜面に大きな葉のものが残っていた。

    近付いて見てみると蕾のようなものが付いている。

    葉茎から分かれて花茎が伸びるようである。これはヤワタソウで間違いないであろう。

 ヤワタソウと思わしきものはいちばん太い茎がほとんど千切れており花芽が見当たらなかったが、急斜面にあった1株だけは幸運なことに蕾が付いていた。あと1~2週間で咲きそうなので、是非とも見に来てみたいと思う。

    帰り際に出会った白い花

    コゴメウツギに似るがこっちのほうが花序が大きくてゴージャスである。

    葉の形がコゴメウツギと違って切れ込んでいない。これは探していたカナウツギであろう。

    花序は大きく、花もコゴメウツギに比べてひとまわり大きい。

    カナウツギの葉。切れ込んでいるというよりも不ぞろいな鋸歯といった感じである。

 まだ見たことが無いヤワタソウはなんとか花が見られるかも知れない。そして探していたカナウツギに、まさかこの日に出会えるとは思ってもいなかった。オカオグルマといい、この日はまだ見たことが無く探していた花3種類に出会えたことになり、とても充実した1日になった。


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草原のオカウツボはもう終盤 令和6年6月30日

2024年07月02日 | 山に咲く花
 先週小雨の中を花仲間がオカウツボを探しに行ってくれて、咲き始めのものを見つけ出してくれた。今週ならばまだ十分に花が楽しめるはずである。この日も天候はいまひとつで午後からは小雨が降りそうである。かつ、山中湖ではマラソン大会が行われていて混雑必至であろう。出来るだけ渋滞が少なそうな道を選んで富士山の裾野にある草地に行ってみる。

    空はどんより曇り空、富士山は雲が巻いてご機嫌斜めである。時折小雨がパラつき、カッパを着て散策に出発する。

    これは普通のヨモギ。たくさん生えているがこれにはオカウツボは寄生しないようである。

    探すのはこちらのオトコヨモギが生えている周辺である。緑色が濃いので慣れてくると遠目でも区別が出来る。

    教えてもらった場所を探してみると容易に見つかったオカウツボ

    こちらは2本並んでいる。

    オカウツボの花は毛が多い。既に痛み出していてそろそろ終盤である。

    もう1本は根元が朽ちて倒れていた。踏まれたかも知れない。

    オオマツヨイグサだろう

    シモツケ

    イタドリか?

    オカトラノオが結構咲いていた。

    オカトラノオの花

    これはチダケサシであろう。

    茎にヒレがあり、セイタカトウヒレンであろうが、食害で先端部が千切れている。

    他の場所でもオカウツボを発見。だいぶ痛んでいる。

    こちらは4本並んで咲いていた。今まで出会った中ではいちばん固まって咲いていた株。

    場所を変えて散策してみる。綿毛になったこの花はおそらくオカオグルマであろう。

    細長い根生葉。

    探していたオカオグルマだが見るのは初めてである。来年は咲いている花が見られそうである。

    これはスズサイコであろう。

    朝・夕か天気の悪い日にしか花が開かない。

    開いている花を見るのは初めてである。天気の悪い日も散策に都合が良いこともある。

 昨年は枯れかけた花2本しか見られなかったが、花仲間のおかげで今年はオカウツボに何本も出会うことが出来た。生育する環境もある程度分かってきたので、今後はもう少し探しやすくなるかも知れない。探していたオカオグルマを発見し、さらには初めて開花しているスズサイコも見ることが出来た。行くかどうか迷っていたが、今日はこの草原を訪れて良かったと思う。


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キンセイランがほころぶ 令和6年6月29日

2024年07月01日 | 山に咲く花
 まだ少し早いであろうが咲き始めているかも知れない。例年に比べて今年は個体数が少なく、盗掘ではないかと心配されている。さて、どうだろうか?

    咲き始めていたキンセイラン

    今年は大株が少なく小さなものばかりである。

    クモキリソウも咲いていた。

    こちらはまだ蕾

    花穂を伸ばしていない小さな株が多い。

    盗掘されたのではないかと懸念されていた株も残っていた。土が流出して根が露出しており状態は良く無い。

    本日一番の大株

    半透明なキンセイランの花

    無事に咲いてくれることを願いたい。

 今年のキンセイランは小さな個体が多く花穂を出していないものばかりである。個体数も少なくなっているように見えなくもないが場所を変えて小さな株が出ているようである。おそらく今年はハズレ年なのではないかと思う。周辺の情勢がだいぶ変化していて、そのうち人目に触れてしまい多くの人が訪れるようになってしまうのではないかと心配している。


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これがアリノトウグサだろう 南部町 令和6年6月25日

2024年06月29日 | 山に咲く花
 全く情報の無かったアリノトウグサが南部町の山中に生えているとの情報をいただいた。そろそろ咲き出す頃ではないかと思う。南アルプス市に出張があったので南部町まで足を延ばして探しに行ってみる。

    もっと歩き易い道もあるはずだが・・・ロープの付いた急斜面を登る。

    ワラビの生えた平坦地に抜け出た。このあたりにあると思うのだが・・・

    シソの仲間だろう。

    これはチドメグサであろう。花が咲いている。

    これが探しているアリノトウグサであろう。


    花穂はまだ伸びていないが群生する様子と葉の形からみて間違いないと思う。

    花穂がまだ見えていない。

    結構たくさん生えていたが、あったのはほんの一画のみだった。

    果穂が伸びて花を咲かせるのはまだ3~4週間先になるのではないだろうか。

 アリノトウグサは湿地に生えるものだと思っていたのだが想定外に山中に生えていた。北杜市にもあるらしいのだが、それも山の中らしい。生育しているのは確認出来たがまだ花が咲いていなかったので、7月中旬か下旬ごろに再訪してみたいと思う。


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ヤマゴボウとマルミノヤマゴボウ 令和6年6月14日

2024年06月16日 | 山に咲く花
 今年はなんとか花を見たいと思っているヤマゴボウであるが、3週間ほど前に訪問した時にそれらしき個体は確認したものの花芽が付いていなかった。咲くとすれば、そろそろ咲いていて良い頃である。午前中は南アルプス市に出張があったので午後から訪れてみる。

    茎が赤っぽい。これはヨウシュヤマゴボウであろう。

    花芽が付いておらず、これは咲かないかも知れない。

    こちらは茎が緑色でヤマゴボウと思わしき株

    こちらも花芽が見えない。ヨウシュヤマゴボウに比べて葉の皺が深いように思う。

    周辺の斜面を探してみると、幸運にも一株だけ咲いているものがあった。

    軸が緑色でこれはヤマゴボウで間違いないであろう。

    結実しかけているが頂部はまだ花が咲き残っている。

    結実した実は溝がはっきりと見える。

    花は葯が赤紫色をしている。これがヤマゴボウの花の特徴であろう。

    葉はやや皺が多い感じはするが、この大きさになるとヨウシュヤマゴボウとの区別は難しい感じがする。

    1株だけだが、なんとか出会えてとても感動したヤマゴボウ

 さて、花仲間が別の場所でマルミノヤマゴボウと思わしきものを発見してきたのでそちらに移動してみる。林道を少し歩かなければならないのだが、現地に近付くと車道の脇に大株が生えているのが目に付いた。

    車道脇に生えていた大株のマルミノヤマゴボウ

    今年見る中で最大の株。花をたくさん咲かせた。

    ほぼ結実しているマルミノヤマゴボウ

    先端部にまだ花が残っている株。

    結実した部分。ヤマゴボウのように溝が深く無く丸くなっている。

    咲き残っていた花。薄ピンク色の花で葯は白い。この葯の色がヤマゴボウとの違いであろう

    沢沿いに生えていたマルミノヤマゴボウ

 今日はヤマゴボウとマルミノヤマゴボウの両方を観察することが出来た。特にヤマゴボウは個体数がかなり少なく食害も受けていると思われ、咲いている花が見られたことはとてもラッキーだった。ヤマゴボウとマルミノヤマゴボウの違いはしっかりと分かったと思う。


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ランを中心に南部町植物散策 令和6年6月13日

2024年06月16日 | 山に咲く花
 数年前に南部町で見つけたムヨウランと思わしき植物はその後何年も姿を見せていなかった。ところが、花仲間が訪問してみたところ、今年は1本だけ茎を伸ばして花を咲かせているらしい。他にも見たい花があり午前の仕事を終わらせて午後から南部町を訪れてみる。現地に到着したのは午後3時になってしまった。

    スイカズラの花が満開になっている。良い臭い漂っている。

    満開のスイカズラ

    こちらはマタタビ

    白い花が咲いておりこれもほんのりと甘い香りが漂っている。

    マタタビは雌雄別株である。これは真ん中に白い雌しべがあり、両性花であろう。

    こちらが雌花と思われる。花弁が無い。

    これはツワブキであろう。花はもうほとんど終わっている。

    カナクギノキ、のはずである。

    春には花をたくさん咲かせていたので実を見たかったのだが見当たらない。

    さて、目的のムヨウランらしきものを見に行ってみるが・・・

    既に遅かったようで立ち枯れしてしまったのか、花は枯れて頂部は脱落してしまっていた。

    ベニシュスランはまだ蕾。咲くのは2週間以上先になりそうである。

    気になっていた着生ランだが、木の本体が枯れてしまっている。

    これはマメヅタランのはずだが、木が枯れてだいぶ脱落してしまっている。

    花が散った後の実になりかけたものが付いている。

    こちらはムギラン

    豆のような偽球茎が見える。花らしきものがいくつか見えているが既に散っているようである。

    道路脇を見ると様々なシダが生えている。これはオオヒメワラビと思われる。

    円形ないしは馬蹄形ソーラスが中肋と辺縁の中間に付き、小羽片は軸に流れて柄が無い。

    触ると固くて痛いイノデの仲間が生えている。オニイノデか、あるいはオオキヨズミシダか?小羽片が軸に流れている。

    茶色い幅広な鱗片はあまり多くは付着していない。これはオオキヨズミシダであろう。

    あまり見慣れないシダが生えている。

    イヌワラビの仲間であろうということは分かるが、これは何?

    小羽片の切れ込みはやや深めで、中肋寄りに線形ないし三日月型のソーラスが付着している。

    鱗片は茶色であまり多くは付着していなかった。これはホソバイヌワラビではないかと思う。

    チャセンシダの仲間がたくさん生えている。

    軸の裏側を見てみると翼が付いている。これはイヌチャセンシダであろう。

    こんなにたくさん生育しているのに今まで気付かなかった。

    場所を移動してハナミョウガを見に行ってみる。もう花が咲いているはずだが・・・

    葉は展開しているが花芽がひとつも見えない。

    千切れているのは食害であろう。個体はたくさんあるので簡単に花が見られると思ったのだがそう簡単では無さそうである。


    こちらにも生えていた。

    軸が緑色でこれはマルミノヤマゴボウ。

    うっすらピンク色の花

    結実した実は溝が少なく丸みを帯びる。これがマルミノヤマゴボウの由来であろう。

 ムヨウランは残念ながら訪問が遅くなってしまい、マメヅタランも終わってしまっていた。しかし新たにイヌチャセンシダの群生や他のシダ、さらにマルミノヤマゴボウも発見出来て、有意義な散策になったと思う。


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陸の孤島と化したカモメラン 黒岳 令和6年6月11日

2024年06月15日 | 山に咲く花
 黒岳のカモメランを見に行くのは3年ぶりくらいになるのではないだろうか。保護柵がどうなっているかが心配ではあるが、カモメランもおそらく安泰ではないだろうと思う。午後からスズランの森のバス停に行ってみると、ちょうど良く午後2時半のツインテラス行きバスが出発するところだったのでこれに乗ってツインテラス経由で黒岳に登ることにする。

    整備されたのは良いが・・・ここにあったレンゲショウマやアザミ類、ジャコウソウなどは消滅してしまった。

    ツインテラスからの眺望。本日の富士山はご機嫌斜め。

    白い花がたくさん咲いている。

    これはカマツカであろう。

    ヤマツツジがもうすぐ満開。富士山が見えておらず残念。

    十二ヶ岳側の眺望

    グミの花が咲いていた。

    さて、これは何グミ??
    花筒には鱗状毛が付いている。時期的にもハコネグミでは無い。

    葉の表側。これは星状毛であろう。葉の質は柔らかい。

    葉の裏側は鱗状毛がいっぱい。これはトウグミではないかと思うが全く自信無し。

    スズラン峠

    黒岳山頂への登り。しばらくぶりに来るとだいぶ違和感がある。

    山頂直下の登り。草がほとんど無くなっていて山肌が露出している。かつて生えていたキンポウゲやヤマタイミンガサはいずこへ??

    もうすぐ咲きそうなクサタチバナ

    辛うじて1株だけキンポウゲ。たぶんグンナイキンポウゲであろう。

    山頂付近にはヤマタイミンガサが生えていた。しかし、食害を受けている。

    黒岳山頂

    黒岳展望台はガスっていて何も景色は見えず。

    保護柵を見に行ってみる。誰かが手直ししてくれているのだろう。意外としっかり立っていた。しかし、柵の外は何も生えていない。

    カモメランはなんとか咲いてくれているが、花数、葉数とも激減している。

    鹿や人が入り込んだ感じではない。


    これは自然遷移によるもので、ラン菌の活性が落ちているためだと思う。周辺の環境が悪過ぎる。

    次の保護柵。ここも柵の外は何も生えておらず、陸の孤島と化している。

    カニコウモリなどが生えているが、カモメランは葉数、花数ともかなり減少している。

    辛うじて咲いている感じのカモメラン

    黒岳特有のカモメラン。

    3つ目の保護柵。こちらも周辺の草があまり生えていない。保護柵はだいぶ痛んでしまっている。


    柵の中を覗き込んでみると、カモメランの花はひとつも見当たらない。

    葉は少しだけ残っているが、花を咲かせる元気はとても無さそうである。

    これはコゴメウツギであろう。

    コゴメウツギ。これよりもひとまわり大きな花を付けるカナウツギを探していたが見つからなかった。

 心配していたほどに保護柵は破損していなかったが、保護柵周辺の環境は大きく変わっており、山肌の乾燥が大きく進んで下草が著しく減少しており、ヤマタイミンガサすらも減少している。保護柵の外ではカモメランはひとつも見当たらない。柵の中も安泰では無く、花数、葉数とも大きく減少している。周辺の環境の変化によりラン菌の活性が落ちてしまっているのではないかと思う。あと何年持つのか?そんな気さえする黒岳のカモメランである。


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ベニバナヤマシャクヤク満開 令和6年6月9日

2024年06月12日 | 山に咲く花
 昨年も訪問しているベニバナヤマシャクヤクが咲く山であるが、昨年は既に花が終わっていて咲き残りを数輪見たのみだった。そろそろ咲いている頃ではないかと思う。この日は空模様が悪く、いつ雨や雷雨になってもおかしくない天候だったので、悪路の林道を車で詰めて短絡して歩くことにした。案の定倒木で道幅がギリギリのところがあり、車の側面を少し擦ってしまった。

    ギンリョウソウが満開

    山盛りのギンリョウソウ

    おそらくこれはカシワバハグマの葉であろう。

    あちらこちらで白い花が咲いている。

    これはサワフタギないしはタンナサワフタギであろう。

    葉裏を調べてみると葉脈のところに白い毛が生えている。これはタンナサワフタギであろう。サワフタギは葉裏全体に毛が生えているらしい。

    居ました。目的のベニバナヤマシャクヤク。

    ちょうど満開。薄ピンク色の花。

    色の濃いものもあった。

    これは色が濃いタイプのベニバナヤマシャクヤク

    雌しべの先端は赤い。

    何本か固まって咲いていた。

    天候が悪いためか花は全開してくれない。

    森の中にひっそり咲いていたベニバナヤマシャクヤク

    こちらはまだ蕾

    林道脇に咲いていた白い花

    甘い臭いが漂っており、ハシドイだろうと思ったのだが葉っぱが違う。

    葉には鋸歯がある。おそらくアワブキではないかと思う。

    これも林道脇に生えていた木。花が満開になっている。

    上向きに咲くこの花の感じはニワウルシではないかと思う。

 樹木はまだ分からないものばかりで、図鑑とネットで調べているが同定が怪しい。ベニバナヤマシャクヤクはちょうど良い時期に訪問出来たと思う。色の濃いもの、薄いものなど、いろいろな花を見ることが出来て生物学的多様性が保たれた素晴らしい森であることを体感し、たいへん満足な花見となった。


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湿地のスゲとシダを巡る 乙女高原界隈 令和6年6月3日

2024年06月07日 | 山に咲く花
 恒例となっている乙女高原の湿地に生育するスゲを見に行ってみる。何度見に行っても同定に自信の無いものがいくつもあり、ここ数年観察を続けている。たぶん間違っているものが多数あると思う。


    貯水池のほとりに生えているこのスゲ


    雄小穂は長い柄を持っている。


    緻密にギッシリと並んだ雄小穂の果胞、これはオタルスゲだと思う。


    やや大型で葉の幅が広いスゲ


    雄小穂の鱗片が黒い。


    アゼスゲの果胞に似ているが鱗片の幅が狭い。これはヤマアゼスゲではないかと思う。


    こちらのスゲは葉が少し細め。


    鱗片が黒く、果胞が細長く見える。


    嘴が少し長い。これはタニガワスゲであろう。


    湿地の一角に生えているこのスゲ


    これはアカンスゲであろう。


    数個の果胞が固まって付く特徴的な形をしている。


    まだ果胞が熟しておらず何だか分からないスゲ

    シダを見て回る。これは群生しているシラネワラビ


    似ているがこちらは別のシダ


    下向き最下羽片が突出しておらず、これはイッポンワラビであろう。


    これも似ているが別のもの。小羽片の辺縁が円くなっており、キヨタキシダであろう。


    大型のシダの群生、オシダであろう。


    こちらはオシダに比べてやや小型、葉軸が黒い。ミヤマクマワラビであろう。


    幅広い真っ黒な鱗片が密集する。



    やや小さ目なシダが群生


    これはヤマヒメワラビであろう。


    特徴的な球形ソーラスはまだ出始めたばかりである。


    ヒメハナワラビが生えていた。


    結構たくさん生えている。


    既に痛んで千切れているものが多かった。


    これはスッポンタケであろう。


    数株生えていた。

 他に探し物もあったのだが見つからず、履いていった長靴に穴が開いてしまっていて靴下がびしょ濡れになってしまったこともあって早々に撤退した。キバナウツギも見たかったのだが工事のため林道ゲートが閉じていて現地まで行けなかった。なんとなく消化不良に終わってしまった今回の探索だった。


コメント
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