山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

甲斐駒ケ岳、黒戸尾根 2日目(9月23日)

2007年10月01日 | 南アルプス
 2日目(9月23日) テント場~甲斐駒ケ岳山頂~下山 天候晴れのち曇り
 朝は山頂かあるいはその近くで日の出を迎えたいので、山頂まで2時間半として逆算すると、早朝3時から登りはじめないと到着できなそうだ。朝2時30分に起床し、持ってきたパンを食べ、朝3時、先頭を切って甲斐駒ケ岳山頂を目指す。古き信仰の道だけあって登山道はしっかりしていて、迷うことはなかった。8合目御来迎場の上には沢登りの人たちと思われる4~5人のグループがテントを張っており、朝4時のまだ暗い時間だというのに既に準備して出発目前というところだった。その先に大きな岩の横を通る急登の鎖場があり、暗い中で登るにはややスリルがあった。鎖場を過ぎたところで南の空にオリオン座がきれいに出ていたので、三脚を立て、カメラのIso感度を800に上げて星空の撮影を試みる。笹山でも試してみたが、やはり暗いのでピントを合わせるのが難しい。2~3枚撮影して帰ってきてからパソコンで見ると・・・とても人に見せられるものではなかった。もう少し勉強せねば。
 5時を回った頃にあたりが明るくなり、鋭く尖った北岳のシルエットや鳳凰山、さらにその向うに霞んで富士山が見えるようになってきた。日の出は5時50分ごろなので日の出前に山頂に到着できる時間帯だが、既に東の空は赤く焼け始めている。甲斐駒ケ岳へのハイマツ帯登りとなる手前の岩の上に三脚を立てるには絶好の場所があり、ここで日の出を待つことにした。富士山はちょうど鳳凰山地蔵岳オベリスクの真上に位置するという好ポジション、北岳は摩利支天を前景に、その左上に見える。朝焼けと雲海の上に浮かぶ鳳凰山、富士山に見とれながら写真を撮りつつ、露出をモニターで確認すると、何やらずいぶんと荒い画質になっている。先ほど星空を撮影する時にIso感度800にしたまま戻していなかったのだ。失敗失敗。感度を100に設定して撮り直したが、朝焼けの富士山はあっという間に終わってしまい、撮れたのは4~5枚程度。最初に撮影した10枚ほどは引き伸ばしてみせられるような写真にはならなかった。
 既に6~7人が私を追い抜いて山頂に登っていった。日が登った6時、三脚をたたんで山頂を目指す。この頃にはもう雲が湧き始め、富士山は見えなくなってしまっていた。6時30分、山頂到着。北岳や鳳凰山、仙丈岳など周辺の山がぐるりと見渡せ、良い眺めだ。しかし、ガスが多く、空気の透明度も悪く、良い写真にはならない。ラーメンを作って食べ、1時間ほど山頂で過ごして下山する。その間に昨日七丈小屋に宿泊した団体客2組が到着し、山頂はたくさんの人で大賑わいとなった。私もそうだが、黒戸尾根を登ってきて、みんな感動ひとしおのようだった。
 さて、下山。また長い黒戸尾根を駐車場まで戻らねば。景色を楽しみつつ下山して行くと、鉄剣の立った岩の上に代わる代わる登っている人たちがいたので、雲海と雲巻く鳳凰山を入れて写真を撮らせてもらった。私は岩登りと絶壁は得意ではないので(どちらかというと高所恐怖症の部類)登らずに通過する。9時テント場到着、ツエルト撤収し、9時30分、七丈小屋の小屋主、小田切さんにお礼を言って下山する。小田切さん、昨日の大盛況でだいぶ疲れておられる様子だった。すっかり曇り空に変わり、山の中は時折ガスに巻かれる。高度を下げるごとに変わってゆく森の姿を楽しみつつ、午後2時30分に竹宇駒ケ岳神社駐車場に到着した。車で甲府に戻る途中で小雨が降り出した。雨の降る前に下山していて良かった。黒戸尾根、距離は長いが、ハシゴあり鎖場ありの楽しい道だった。


   オベリスクの上に立つ富士


   雲海の彼方に浮かぶ


   日の出。右手の山塊は鳳凰山。  


   麻利支点と北岳


   賑わう甲斐駒ケ岳山頂


   鉄剣の岩峰に立つ(私ではありません)
コメント
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