山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

雪の杓子山一夜 平成20年2月8-9日

2008年02月18日 | 丹沢・道志山系
平成20年2月8-9日 天候晴れ~曇り

 今年の冬は雪の大月市秀麗富岳十二景を撮影しようと思っており、当初は扇山と百蔵山を考えていた。9日の午後から雪になるとの予報なので、8日の午後から大月に向う。大月市に入ってから百蔵山を見るとほとんど雪がついていない、扇山も…いまひとつ。予定変更、杓子山に登ってみよう。
 甲府を出発したのが午後1時を過ぎていたので登山口の不動の湯下にある駐車場に到着したのは午後3時半、さらに着替えて準備して、登りはじめは午後4時を過ぎてしまう。夏場は林道を上のゲートまで車で行けるが、この季節は雪のためとても車で走れる状況ではなく、林道を約2時間歩かなくてはならない。日が暮れてしまうのは当然だが、テント泊りなので山頂まで行けなければ途中で寝ることにする。駐車場から10分ほど歩くと不動の湯の建物が見えてくるが、予想通り、そこから先の林道は雪がたくさん、15~30cmほど積もっている。幸いなことに新しいトレースがついており、それに沿ってひたすら林道を歩く。ゲート通過は5時、このあたりで日が暮れる。さらに、ハングライダーの発着所がある大権道峠(おおだすとうげ)到着は6時、ここですっかり暗くなり、ヘッドライトを点灯する。そのままトレースを追って歩いて行くと、登山道への入り口のところで無くなってしまう。どうやら登山者ではなく、工事関係かハングライダーの人のトレースらしい。そこから先は闇の中を道を探しながら登るのだが、下半分は迷いようのない広い尾根道、上半分はジグザグにつけられたしっかりとした登山道で、ところどころに道標の看板も取り付けられており、全く迷うことなく山頂に到着、時間は7時40分だった。山頂の積雪は30cmほど、膝下だ。大きな富士山とその裾野に広がる忍野と山中の明り、そして右手の富士吉田の夜景が眩しいほどに光り輝く。素晴らしい眺望、ただ、星の撮影をするにはあまりにも明るすぎる、そんな風景だ。

    日没迫る  不動の湯林道ゲート付近。


    杓子山山頂からの夜景  忍野と山中の夜景が広がる。
 
 雪を踏み均してテントを張る。風も無く静かで穏やかな夜だが、念のため2本だけ張り紐を固定する。気温は-10度以下だろうか、結構寒い。外に出て空を見上げると、オリオン座が高く昇り、冬の大三角形はちょうど逆三角形の位置になっていた。星空を撮影するのに難しいのはピント合わせだが、良い方法を聞いてきた。それはライブビューを活用すること。Eos40Dはライブビューモードとさらに拡大してモニター表示できる機能が搭載されているため、ライブビューで拡大して見ながら星にピントを正確に合わせることができる。今回初めてその方法で撮影を試みたが、確かにきっちりとピントが合っているように見える。が、やはり夜景といっしょに星空を撮るにはやや無理がありそうだ。
    
      杓子山の上に昇ったオリオンと冬の逆大三角形

 9時過ぎに一旦テントに戻り、一休みする。うとうととしてはっと気付くと時間は12時半だった。空はどうなっているのか?外に出ると、冬の大三角形は既に富士の山頂を越え、西の空に傾きかけていた。思った以上に星座の動きは早いものだ。1時半まで写真を撮ってまた寝る。(もう少し撮影したかったが、ライブビューモードと長時間露出撮影をするとあっという間に電池が無くなってしまう。明日の分を残して止める。)

    西に傾く冬の大三角形


    星空と夜景

 朝は5時45分起床、外を見ると富士山は見えているものの、空には薄雲がかかり、朝焼けや、朝日に焼ける富士山はとても期待できそうもない。朝食を軽くとり、6時過ぎ、カメラを持ってテントの外に出る。狙った景色にはならなかったが、しかしここから見る富士山は雄大だ。三つ峠の富士山が有名だが、ここの富士山も全く劣らない。人が少ないところが私好みといって良いかもしれない。まだ忍野の明りが残っている頃の富士山を撮影した後はあっという間に雲が広がり、姿を消してしまった。

    朝の杓子山山頂


    雲間の富士


    笠雲

 テント撤収、9時過ぎ下山開始。下りはちょっと恐いので6本歯アイゼンを装着して下る。林道のゲートあたりで一瞬だけ笠雲をかぶった富士山が姿を現し、別れを惜しんでくれた。駐車場11時40分到着、結局2日間登山者には一人も会わなかった。

参考(にならない)タイム
不動の湯下駐車場16:20-林道ゲート17:00-大権道(おおだす)峠18:00-杓子山19:40
下山 杓子山9:10-大権道峠9:35-駐車場11:40
コメント (2)
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