山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

今は昔、犬を供に毛無山へ 平成18年2月18日

2008年02月21日 | 御坂・毛無・天子山系
平成18年2月18日 天候曇り時々雪

 今となってはもう昔の事、2年ほど前に毛無山のダイヤモンド富士を撮影に下部から湯の奥林道経由で毛無山に登ったことがあった。冬季は造林小屋のところでゲートが閉じているので余計に1時間近く歩かなくてはならない。山頂の日の出は7時ごろなので、3時から歩けばなんとか到着できるかどうかという時間だが、出発が遅れてゲートから歩き出したのは4時近くになってしまった。ゲートの前にプレハブの小屋があり、そこに車を止めると何やら白いものが近付いてきた。ヘッドライトを照らすと、首輪をつけた犬だった。(白い犬なのでシロ君と命名。)このシロ君、非常に人懐っこく、私の足元から離れようとしない。お腹が空いているようだったので持って行ったソーセージ1本を分けてやったら大喜び。歩き出した私の後をずっとついて来た。どこかであきらめて帰るだろうと思っていたら、毛無山登山道の入り口まで林道をずっとついてきた。さすがに登山道に入ればもう来ないだろうと登山道を歩き始めると、林道から悲しそうに私を見上げている姿が見えた。そのまま私は登山道を歩いて行くと、目の前をふと白い影が横切る。まさか!と、ヘッドライトを照らすと、なんと、シロ君ではないか。よほど私が気に入ったのか、それともご飯を分けて欲しいのか。ならば行けるところまで一緒に行こうということでお供に歩くことになる。

    お供してくれたシロ君

 途中から薄雪の積もる道になり、途中日の出に間に合わせようと急いだおかげで足が攣り、あきらめて普通のペースで登ったが、あいにくの曇り空でとても日の出は望めそうになかった。地蔵峠の下ですっかり夜が明けてしまい、地蔵峠で休憩し、おやつを食べる。せんべいを出して半分シロ君に分けてやると、あっという間にバリバリと食べてしまう。次にカロリーメイト、こいつもあっさり平らげる。ソーセージ、もちろん大好物。食べ物は全て半分ずつ分ける。明るくなってあたりの景色が見えるようになると、地蔵峠から上は見事な樹氷になっていた。今まで見たことがない景色、風が吹いたためか、木の枝の一方向にだけ雪が着いている。ダイヤモンド富士は見られなかったものの、思わぬ景色に出会うことができた。

    毛無山の樹氷


    雪の華咲く地蔵峠

 さらに地蔵峠から先の急登を頑張って稜線まで登ると、上の道は完全にアイスバーン状態でカチカチに凍り付いていた。ここで6本歯アイゼンを装着、素足のシロ君はいかにも冷たそうだったが、それでも私の前や後ろを離れずについて来た。アイゼンの無いシロ君が氷の上でまるでスケートでもしているようにスリップしている姿がまた可愛らしかった。山梨百名山の標柱がある山頂に到着した頃には小雪が舞う天気になっていた。風が吹き顔が痛いほどに寒い。私と同じくダイヤモンド富士でも狙っていたのだろうか、テントが一張りあり、中でまだ寝ているようだった。ここで持ってきた鳥弁当を食べる。半分凍りついていたが、これもシロ君と半分ずつ。標柱の前で記念撮影したのだが、シロ君が気になるのは私のザックの中の食べ物だけらしい。なかなかカメラのほうを向いてくれない。

    山頂でシロ君と記念撮影


    毛無山山頂の樹氷

 記念撮影後、下山。半分しか弁当を食べなかったので何となく腹の空いた状態でさっさと下りる。駐車場に到着すると林業作業にやって来た人たちが5~6人作業を始めていたので、犬を借りたことを話すと、なんと、シロ君、飼い犬ではなくて野良犬(誰かが置き去っていったのか、それとも主人とはぐれたのか?)だそうだ。隠しておいた、とっておきのカニ飯弁当をこっそりと車の中で食べて帰ろうかと思ったのだが、お供してくれたシロ君に申し訳ない気がして、これも半分シロ君にあげて帰って来た。また機会があったら一緒に登ろう。楽しかったよ、シロ君。

    湯の奥林道から見る樹氷の毛無山

 さて、今年の毛無山ダイヤモンド富士はいかに?
コメント (2)
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