山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

霞む富士山、石割山  平成20年8月8日

2008年08月09日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成20年8月8日 天候曇り

 カシミール3Dとアストロガイドという2つのソフトからこの日の月の沈む位置を予測してみると、ちょうど石割山か二十曲峠あたりで富士山山頂に月が沈みそうだ。ここのところ連日夕立と雷でしばしば停電に陥っている山梨県。しかし、この日の天気予報では雷に遭遇する可能性は低い。空模様は曇りだが、青空の広がっているところもあり、一瞬の晴れ間を期待して二十曲峠に向う。
 忍野から二十曲峠への道は細い林道ではあるが舗装された道だ。峠に到着すると展望が開け、車を止められるスペースがある。水場やトイレもあって、おいしそうなスイカが冷やされていた。ここは富士山撮影の有名な場所で、車に泊り込みで撮影に来ている人たちがたくさんおり、10本以上の三脚がずらりと並んでいた。石割山への道が悪ければここで撮影も考えていたが、この三脚を見てその気は一気に失せる。時間は夕方5時40分、準備して石割山向けて出発。シカの食害を避けるためのフェンスの横を登って行くと、大きな鉄塔が3本立っている。3本目の鉄塔をまわりこむとすぐに山頂で、30分で到着できた。夕暮れが迫り、あたりは少し薄暗くなりはじめていた。富士山は霞の中に隠れ、シルエットがわずかに見えるのみだ。一瞬でも山頂を見せてくれれば、と期待しつつ、暗くなるのを待つ。

    夕暮れの石割山からの風景

 7時半頃、うっすらと富士山の山小屋の明りが見えるようになってきた。月が富士山近い位置まで来ているはずなのだが、全く見えない。山中湖ほとりの明りは良く見える。約15分間のバルブ撮影してみるとかろうじて霞の中に立つ富士山が写っていた。忍野ではちょうど花火大会をやっているらしく、右下にきれいな花火が打ちあがっていた。その花火とは別に・・・御坂山塊のあたりだろうか、黒い雲の中がピカピカと光っている。規模は小さいが雷雲だ。こっちに来るな!と願っていたが、しだいに石割山山頂にも深い冷たい霧が流れ込む。雲の流れからして雷雲の一部が流れてきている可能性が高い。8時半、カメラ撤収、大急ぎで山を下りる。幸いにして雷は鳴らなかったが、二十曲峠到着の頃はもう富士山の姿はなかった。

    霞む富士山

 猛暑日と夕立、雷の続く今年の夏、どうにもおかしな天候である。これからの夏はすっきりした富士山は見られなくなってしまうのだろうか。
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乗鞍岳から見る御来光  平成20年8月2-3日

2008年08月09日 | 日本百名山
 平成20年8月2-3日 天候晴れ

 夏合宿が終了した息子の迎えに清里まで行った。宿泊した施設はヴィラ千ヶ滝というところで、近くには八ヶ岳や富士山の眺望が良い飯盛山の登山口がある。ヴィラ千ヶ滝は研修や会議ができる大きな施設で、建物はきれいとは言えないが、川のせせらぎを聞きながら自然の中の静かな環境に立つ施設である。近くに千ヶ滝という滝があり、遊歩道を歩いて20分くらいで到着できるらしい。迎えの午後1時まではまだ時間があったのでちょっと見物に行こうと思ったら、遊歩道の入り口のところに料金箱があり、滝の見物には500円支払うように書かれていた。ちょうど管理人さんらしき人が現れて、1回500円だと催促された。何ゆえにお金を払って滝を見に行かなければならないのか?この川は個人の持ち物ではないはず。遊歩道の整備費という意味ならば強制徴収ではなくて協力金になるのでは?ちょっと腹が立って結局滝を見に行くのはやめた。
 そんなこともあって、息子とその友達を乗せて甲府に戻ったのは2時半ごろ。それから準備して出発したのは3時過ぎになってしまった。行く先は乗鞍だが、山頂に向う最終バスには間に合うはずもなく、テントを積んで乗鞍高原休暇村のテント場に寝ることにした。高速を120kmくらいで飛ばし、5時半には休暇村センターに到着したものの、テント場の場所がわからず、休暇村センターの受付で場所を聞き移動。しかしやはり入り口が良くわからず、座望庵(ざぼうあん)という休憩施設で場所を聞くと、その前の広い駐車場のいちばん隅に遊歩道がつけられていた。そこから歩いて15分ほどでテント場に到着した。時間は6時半、テントを張って夕食をとると、もうあたりは暗くなってきた。夕焼けに赤く染まる空がきれいだったが、残念ながらお目当ての乗鞍岳は木々の間からようやく見える程度で、星空を入れての乗鞍岳撮影はできない場所だった。

    乗鞍休暇村キャンプ場の夕暮れ  乗鞍岳はわずかに見えるのみ。


    木星昇る  ひときわ明るい木星が雲の間から姿を現す。

 空には薄雲がかかっているものの、午後8時ごろから南東側の空にひときわ明るい木星が昇りはじめた。頭の上には白鳥座デネブが時折輝く。一旦テントに潜って横になるもののなかなか寝付けず、テントの喚起窓から時々空を眺める。午前1時半、外を見ると、空には星が輝いていた。南西に沈みかけた木星、北西の空に傾きかけている夏の大三角形。テントから起き出して空を眺め、結局そのまま2時過ぎにテント撤収し、朝3時40分出発の乗鞍岳畳平行きの御来光バスに乗ることとなる。

    沈む夏の大三角形  観光センターあたりから撮影。

 バス停のある乗鞍観光センターには3時に到着した。既に数人待っていたが、バス待ちの順番はトップで確保し、バスの到着を待つ。少し時間があったので北西に沈んでゆく夏の大三角形の星空撮影をしたが、駐車場近辺で乗鞍岳をうまく捉えることができる場所は見つけられなかった。星空は良かったものの山が無く、物足りない写真となってしまった。最終的なバス待ちの人は50~60人といったところだろうか。バス2台に分乗して定刻に出発。畳平バス停手前の日の出が見やすい場所で降ろしてもらう。ちょうど富士見岳の登り口だったので、先頭を切って富士見岳に登る。山頂にトップで到着、と思ったら既に4~5人の先客あり、前日山頂泊の人たちだ。一面に広がる雲海の上に、北側には槍・穂高をはじめとする北アルプスが間近に立ち、東から南にかけては八ヶ岳、南アルプス、中央アルプスが浮かぶ雄大な眺め。そして15分ほど経過した頃、浅間山のやや北側から朝日が昇り始める。赤く大きな日の出だった。

    乗鞍岳から見る御来光  太陽のすぐ右下に見えるのが浅間山。


    日の出と槍・穂高  間近に槍・穂高の雄姿が見える。


    乗鞍岳最高峰、剣ヶ峰を見上げる

 日の出を見た後、乗鞍岳の最高峰、剣ヶ峰に向ってテクテクと歩く。途中の肩の小屋で一休みして頂上目指すが、既にたくさんの人が登っている。私は相変わらず標高3,000mを越えると咳と痰が多くなるが、だいぶ改善してきている。このあたりにはたいしたお花畑はなかったが、山頂手前のガレ場には目を見張るようなコマクサの群落があった。山頂に立つ神社周辺は人でごったがえしており、20人以上の団体の登山者もいた。西側に見える雲海に浮かぶ御嶽山が朝日に映えて美しかった。

    雲海に浮かぶ御嶽山


    山頂から見る北アルプス


    雪渓とコバイケイソウ


    池のほとりに咲くウサギギク

 のんびり歩いて畳平のバス停に戻る。途中で50人くらいいるのではと思われるような団体客とすれ違う。しかも全員中・高齢者。途中の池のほとりには黄色い花が咲き、登りながら見た時はタンポポだとばかり思っていたら、良く見ると可愛らしいウサギギクだった。さらに畳平のお花畑は、上から見ると白いじゅうたんのように広がって見える。保護のため木道がつけられ、監視員がしっかりと見張りしている。歩いてみるとそこはハクサンイチゲやミヤマキンバイを中心とした見事なお花畑。ミヤマクロユリもたくさんあった。人だかりのところに行ってみると、雷鳥の姿を見ることもできた。

    畳平とバスターミナル


    畳平のお花畑  向うに見える山が日の出を迎えた富士見岳

 乗鞍岳は登山としては物足りなさを感じるが、景色や花を楽しむには手軽に行けて良い山だった。
コメント (7)
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