平成20年8月16-17日 天候曇り時々雨
この日は十五夜の満月が明るく輝く夜のはずだった。そして翌17日の朝は蛭ヶ岳山頂から見ると富士山の上に月が沈み、かつ月没帯食という、月が水平線に沈む頃に部分月食が起こるという絶好の天体ショーが見られる、はずだった。
神ノ川ゲート前のトイレ休憩所
午前中の仕事を済ませて出発し、高速道路を上野原で下り山道を走って神の川のゲートに到着したのは午前11時半。きれいで大きなトイレが建っており、その前の道沿いに既に4~5台の車が縦列駐車してあったので、並んで車を停めさせてもらう。神の川から歩き始めたのは12時、順調に歩いて6時間くらいで蛭ヶ岳なので、一雨くれば到着できないこともあり得る。今回はテントを持って入山することにした。ゲートからアスファルトの道を15分ほど歩くと左側の川に下りる階段があり、東海自然歩道、袖平山、姫次、焼山の看板あがる。そこを下ると立派な橋がかかっており、そこから登山道に入る。いきなりの石屑状の急登り、そこを過ぎるとスギ・ヒノキの緩い登りになり、しばらく行くとまた急登り、緩くなって今度は風巻の頭への急登りとなる。登りつくとそこには立派な休憩小屋が立てられていて、夏場ならばテント無しでも寝られそうだ。一旦下りになって小コブを一つか二つ越えると、今度はロープのついた崖のような急下り。コルに降り立つと、今度は見上げるような急登りが待っている。浮石がゴロゴロしていて歩きにくい。特に下りは要注意だ。登りつくとまた緩い下り、上りのアップダウンを繰り返し、さらに袖平山への急登りへと続く。登りにさしかかったあたりで雨が降り出し、西側の大室山あたりでゴロゴロと遠雷が鳴り出した。その雲は当然の如くこちらに向って流れて来る。しばらく雲の様子をみながら林の中で待機していると、30分ほどで雲が去り、空が明るくなってきた。袖平山への登りには地図に危険マークがついており、ガレの縁を通過する場所がある。落石があると確かに危険だが、道は良く整備されていて通行には全く支障はなかった。
川にかかる橋。これを渡ると登山道になる。
風巻の頭の休憩所(帰り際に撮影)
急斜面をひと登りして袖平山に到着、ここには休憩ベンチが設置されており、下を見ると焚き火をした痕跡があることから、テントを張った人がいるらしい。時間は午後4時半をまわっている。そして再び遠雷が鳴り始め、冷たい雲が流れて来る。ベンチに座ってしばし雲の様子を伺い、ここにテントを張るか、それとももう少し進むか大いに迷った。心配なのは水が残り1リットルほどしか無いことだ。夕食をここで食べると明日蛭ヶ岳まで行く水が足りなくなるかもしれない。地図で確かめると、この先の姫次まで約20分、そこから下りになって水場のマークがある原小屋平まで約20分、できればそこまで行きたい。待つこと30分、空が明るくなり、青空の一部が見え始めたので出発する。
姫次。富士山の眺望が良いらしいが、この日も翌日も全くダメ。(帰り際に撮影)
姫次は富士山の眺望が良いらしいが、霧に巻かれて全く眺望無し。小休憩して原小屋平に向かうと、そこは平らになった絶好のテント場だった。既に先客が一組、男性2人組だった。水を探しに原小屋沢側(東側)に下りて10分ほどガレた沢筋を降りたが水場は見つからず、戻ってくると、先客の人が反対側(西側)に5~10分ほど降りると水場があることを教えてくれた。無事水を確保することができ、夕食にありつくことができた。
原小屋平。テントを張るには良い場所。水場もある。
空はどんよりと曇り空だが、時折明るい星が見える。7時を過ぎた頃には東の空から明るい満月が昇り始めた。天気予報では明日は晴れか曇り、朝の景色を期待して早々に眠りにつく。 (2日目に続く)
この日は十五夜の満月が明るく輝く夜のはずだった。そして翌17日の朝は蛭ヶ岳山頂から見ると富士山の上に月が沈み、かつ月没帯食という、月が水平線に沈む頃に部分月食が起こるという絶好の天体ショーが見られる、はずだった。
神ノ川ゲート前のトイレ休憩所
午前中の仕事を済ませて出発し、高速道路を上野原で下り山道を走って神の川のゲートに到着したのは午前11時半。きれいで大きなトイレが建っており、その前の道沿いに既に4~5台の車が縦列駐車してあったので、並んで車を停めさせてもらう。神の川から歩き始めたのは12時、順調に歩いて6時間くらいで蛭ヶ岳なので、一雨くれば到着できないこともあり得る。今回はテントを持って入山することにした。ゲートからアスファルトの道を15分ほど歩くと左側の川に下りる階段があり、東海自然歩道、袖平山、姫次、焼山の看板あがる。そこを下ると立派な橋がかかっており、そこから登山道に入る。いきなりの石屑状の急登り、そこを過ぎるとスギ・ヒノキの緩い登りになり、しばらく行くとまた急登り、緩くなって今度は風巻の頭への急登りとなる。登りつくとそこには立派な休憩小屋が立てられていて、夏場ならばテント無しでも寝られそうだ。一旦下りになって小コブを一つか二つ越えると、今度はロープのついた崖のような急下り。コルに降り立つと、今度は見上げるような急登りが待っている。浮石がゴロゴロしていて歩きにくい。特に下りは要注意だ。登りつくとまた緩い下り、上りのアップダウンを繰り返し、さらに袖平山への急登りへと続く。登りにさしかかったあたりで雨が降り出し、西側の大室山あたりでゴロゴロと遠雷が鳴り出した。その雲は当然の如くこちらに向って流れて来る。しばらく雲の様子をみながら林の中で待機していると、30分ほどで雲が去り、空が明るくなってきた。袖平山への登りには地図に危険マークがついており、ガレの縁を通過する場所がある。落石があると確かに危険だが、道は良く整備されていて通行には全く支障はなかった。
川にかかる橋。これを渡ると登山道になる。
風巻の頭の休憩所(帰り際に撮影)
急斜面をひと登りして袖平山に到着、ここには休憩ベンチが設置されており、下を見ると焚き火をした痕跡があることから、テントを張った人がいるらしい。時間は午後4時半をまわっている。そして再び遠雷が鳴り始め、冷たい雲が流れて来る。ベンチに座ってしばし雲の様子を伺い、ここにテントを張るか、それとももう少し進むか大いに迷った。心配なのは水が残り1リットルほどしか無いことだ。夕食をここで食べると明日蛭ヶ岳まで行く水が足りなくなるかもしれない。地図で確かめると、この先の姫次まで約20分、そこから下りになって水場のマークがある原小屋平まで約20分、できればそこまで行きたい。待つこと30分、空が明るくなり、青空の一部が見え始めたので出発する。
姫次。富士山の眺望が良いらしいが、この日も翌日も全くダメ。(帰り際に撮影)
姫次は富士山の眺望が良いらしいが、霧に巻かれて全く眺望無し。小休憩して原小屋平に向かうと、そこは平らになった絶好のテント場だった。既に先客が一組、男性2人組だった。水を探しに原小屋沢側(東側)に下りて10分ほどガレた沢筋を降りたが水場は見つからず、戻ってくると、先客の人が反対側(西側)に5~10分ほど降りると水場があることを教えてくれた。無事水を確保することができ、夕食にありつくことができた。
原小屋平。テントを張るには良い場所。水場もある。
空はどんよりと曇り空だが、時折明るい星が見える。7時を過ぎた頃には東の空から明るい満月が昇り始めた。天気予報では明日は晴れか曇り、朝の景色を期待して早々に眠りにつく。 (2日目に続く)