山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

登る前からトラブル発生、経ヶ岳  平成21年9月13日

2009年09月17日 | 圏外編
 平成21年9月13日 天候晴れ時々曇り

 1泊2日でどこかの日本百名山を予定していたのだが、12日(土)は全国的に雨模様だ。13日、日帰りで行けそうな山へと良さそうなところを探していたところ、ちょうど嶺朋クラブの会報が郵送されてきて(前回・前々回の例会は当直と重なり出席できず)見ると日本二百名山の経ヶ岳が予定されている。標高2296mのさほど高い山ではないが、登り始めの標高が890mなので、標高差1400m、コースタイムで登り約5時間、下り3時間半のロングコースとなる。参加メンバーを見ると・・・とても私がついて行けそうなメンバーではない。ならば先に出発して・・・と思ったのだが、それがトラブルの始まり...。
 集合時間が書いていなかったのだが、おそらくいつものように韮崎市役所4時だろう。となると登り始めは朝6時ごろになる。地図で見るとコースの8合目に眺望の良い場所があるので、そこに7時か8時に到着して朝の風景を撮影しようとすると、逆算して4時ごろに出発すれば良いはず。そこからゆっくりと移動すれば、おそらくは山頂で会のメンバーが追いついてくるはずた。甲府を未明2時前に出発し、登山口の仲仙寺付近に3時半に到着した。地図を見ると4合目付近に延びる林道が続いている。これを行けばもっと早く到着できるか?と色気を出して林道を車で行ってみることにした。権兵衛峠に行く道(途中で崩落しているらしい)を左に分けて、右に行く砂利道の林道を進む。下部は比較的良い道だったが、上に行くに従って草ボウボウの荒れた林道になる。途中で何かを踏んだらしく、後輪がズルッと横すべりした場所があったが、気にせずにどんどん登って行くと、さらに草はボンネットほどの高さになり、遂に通行止めの看板に行き着く。車を止めるに十分なスペースが無く、あきらめて車を回して林道を下り始めた。しかし、何かおかしい。左の後輪がやけにガタガタと振動し、カーブで車体が大きく傾く。草むらの林道が終わった辺りで車を降りてタイヤを見ると・・・見事にパンクしている。ギャジを出してタイヤ交換を試みるが、湿った林道ではギャジが沈んで傾いてしまい、車体が持ち上がらない。今度は雑誌を下に敷いて再度試みるも、やはりダメ。これはもうアスファルトの道まで下りるか、JAFを呼ぶしかない。
 なんとか騙しながら運転し、アスファルトの道まで下りてタイヤを交換した。タイヤは側面が5cmほど裂けていて、ペチャンコの状態、もう使い物にならないだろう。時間はもう5時を回り、あたりは明るくなり始めていた。心が折れて、7割は帰る方向に心が傾いた・・・。が、おそらく今回登らないと二度と登る機会が無くなってしまうであろう経ヶ岳。仲仙寺の駐車場まで車を移動してあたりをブラブラして考えた後、登る決心をする。5時40分、予定より1時間半以上も遅れて出発だ。

    登り口の仲仙寺

 駐車場の横にお寺の地図とコースが書かれた看板があり、真直ぐ上に登って行くと案内板が立てられていて、本堂(おそらく)の右手の道から登山道に入る。少し行くと林道のような大きな道に出くわし、上に向って歩いて行くとそのまま登山道に入る。道は明瞭で、緩い登りや水平な道が4合目あたりまで続く。4合目を越えたあたりから笹におおわれた道になり、場所によっては腰まである笹をかき分けながら進む。前日の雨と朝露で笹が濡れていたため、ズボンの膝から下と靴がだいぶ濡れてしまった。

    4合目.各所に看板が設置されている.中には地元の中学校の看板もある.


    笹原の中を(下を)登山道が通る.


    5合目.カラマツの下の笹原に朝日が射し込む

 5合目で靴を脱いで靴下の水を絞っていると、2人の登山者が追い越していった。それに続いて聞き覚えのある女性の声が聞こえ出す。嶺朋クラブのメンバー3人が追いついてきた。ここから先は会のメンバーと同行する。相変わらず笹の道が続き、傾斜もきつくなってくる。先頭を快調に飛ばす秋山さんに先導されて展望地の8合目に9時20分到着した。本日は秋晴れになるはずだったのだが、振り返って見る南アルプスも、右手の木曽駒ケ岳方面も、左の八ヶ岳も山頂はみな雲におおわれている。しかも入道雲、秋空ではなくて夏の空だ。9合目はまた笹の中の急登り、笹の背丈も高く、腰から肩まで隠れる場所もある。9合目を越えると緩いピークをいくつか越えて最後のややきつい登りを登ってようやく山頂に到着する。時間は10時25分、ちょうど5時間くらいだ。(会のメンバーは私より20分ほど遅れて出発している。)

    8合目の展望の良いピークから南アルプスを望む


    木曾駒ケ岳方面.山頂に雲がかかる.


    8合目から9合目への笹の急登


    経ヶ岳山頂.左から秋山さん,水野さん,池田さん,ヨッシー.

 経ヶ岳山頂は如来像と石碑が立つ静かな山頂だった。南面が一部切り開かれてはいるが、この日は雲が巻きつき眺望は得られず、しかも結構寒い。自分の温度計を見ると気温は9℃だったが、秋山さんの温度計では5℃だった。寒いのでさっさと食事して、11時前には下山開始する。8合目まで下りると青空が見え、体感温度もぐっと暖かく(暑く)なる。振り返って見る経ヶ岳山頂は相変わらず黒味がかった雲におおわれている。長い行程をひたすら下山するが、下りは道が滑りやすく、2~3度スリップして尻餅をついた。足が疲れていたこともあるのだが、2年間履いている登山靴の底がすり減って丸くなっていた。途中できのこに詳しい水野さんに教えてもらいながら、少々きのこを採りながら下山し、順調に3時間、午後2時に仲仙寺到着した。

    9合目から見る南アルプス方面.右下の小ピークが8合目.下山時にはまだ雲がかかっていたが,仲仙寺に下山した頃には雲が晴れてすっきりと見えるようになっていた.

 さほど素晴らしい眺望が得られるわけでもなく、ロングコースの経ヶ岳。日本二百名山ではあるが、地味な山という印象だった。経験豊富な嶺朋クラブの人たちは足も速い。三脚とカメラを置いてゆけばなんとかついて行けるかもしれないが、そんな気が全くない私が一緒に歩くには、日頃のトレーニングと体重を減らす(目標5kg=カメラ機材の重さ)しかない。
コメント
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