山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

大岩山から甲斐駒ケ岳へ 日向八丁尾根1日目  平成21年9月20日

2009年09月28日 | 南アルプス
 平成21年9月20日 天候晴れ

大岩山から甲斐駒ケ岳へ、日向八丁尾根 1日目  平成21年9月20日 天候晴れ

 9月のシルバーウィーク、皆様はいかが過ごされたでしょうか?私は当初荒川三山を予定していたのですが、所属する山岳会嶺朋クラブで、滅多に歩くことのない日向八丁尾根というところをを歩くというので同行させてもらいました。この尾根は日向山から鞍掛山の横を過ぎて大岩山に登り、そこから急下降して甲斐駒ケ岳の鋸岳側尾根にある三つ頭という山に抜ける尾根です。最近は歩く人が増えてきてはいるようですが、基本的にはルートのない薮尾根です。この機会を逃すともう二度と歩く機会が無さそうなので、メンバーの足を引っ張ってしまうのが目に見えていたのですが参加させてもらいました。

 1日目 天候晴れ
 7時45分に甲斐駒ケ岳黒戸尾根の登り口、竹宇駒ケ岳神社駐車場集合だったが、想定外に時間がかかり10分遅れて到着した。私を含めて4人で行く予定だったが、1人は都合により行けなくなり、小池、深沢、吉野の3人のメンバーで行くことになる。小池さんの車に乗り込んで日向山登山口の矢立石に移動し、8時半、錦滝に向って林道を歩き始める。小池さんはキノコ博士(自称)で、途中にヌメリスギタケモドキというキノコが生えており、採りながら行く。錦滝から日向山に登る道は急登で、急傾斜の階段やロープ設置箇所がある。雁ヶ原の手前で鞍掛山方面に行くトラバース道(取り付き口がわかりにくい)があり、そのあたりで今度はブナハリタケというキノコを採る。これで晩飯のキノコ食材は十分、マツタケが見つけられれば最高なのだが・・・。

    錦滝の横から登る


    トラバース道。細い踏み跡が続く。

 トラバース道と日向山からの尾根が交わる先は傾斜がきつくなってくる。4月にもこの道を歩いているが、昭文社地図では点線のルートになっているものの、道はしっかりとしていてテープもつけられている。ペースの遅い私は2人に先に行ってもらい、2人は鞍掛山に立ち寄ってくるというので分岐の駒岩で待ち合わせということにした。この日は快晴に近い良い天気で、登りながら振り返って見る日向山雁ヶ原が真白に光って見える。さらにその左手に八ヶ岳がくっきりと見える。三脚を立てて写真を撮りながら、ゆっくりと登る。

    日向山雁ヶ原を下に見て鞍掛山方向に登る。左に見えるのは八ヶ岳。


    途中の美しいツガ林

 急登を登りつくとそこには美しいツガの原生林が広がっている。さらに進むと、一旦シャクナゲ混じりの薮っぽい道になるが、林が切れると鞍掛山の上に聳え立つ甲斐駒ケ岳が見えてくる。その左手には鳳凰山、さらに左に富士山の姿が見え始める。あまり人が入らない山域と思いきや、最近は人気が出てきたようで7~8人の登山者とすれ違った。そのうちの1人は大岩山までピストンしてきた人だった。
13時10分、駒岩に到着。先行した2人はザックを置いて鞍掛山に出発した後だった。マツタケでも無いかと林の中をウロウロしながら待つこと45分、2人が戻ってきた。かなりの急傾斜を登るらしいが、展望台まで片道40分のところを30分弱で行き、往復1時間かからずに戻ってきた。さすがに息が切れていた。

    駒薙から見る甲斐駒ケ岳、鳳凰山、富士山。三山が並ぶこの景色は見事。

 休憩して息が整ったところで大岩山に向かって出発する。駒岩から少し下り、再び登り返して千段刈というなだらかな尾根を行く。木々におおわれていて眺望はいまひとつだが、時折木々の切れ間から見える甲斐駒ケ岳の姿は、深い谷から立ち上がる秀逸な姿を見せてくれる。15時40分、大岩山の手前、駒薙に到着する。駒薙は登山道から外れているので、場所を知らないと立ち寄りにくい。2人を案内して駒薙の眺望を楽しむ。甲斐駒ケ岳、鳳凰山、そして富士山の3山が並ぶその景色はおそらくここでしか見ることができない絶景だろう。予定では大岩山山頂で幕営だったのだが、木々におおわれた大岩山は展望が悪く、写真撮影の目的でわがままを言わせてもらい、本日は駒薙の林の中でテント泊となった。
ビールで乾杯、採ったヌメリスギタケモドキでキノコソバをつくる。シャリッとした歯ごたえ、山のキノコの臭いがプーンとする。ブナハリタケはレトルトカレーのスープにしたが、こちらは臭いが強すぎてカレーの味が負けてしまっていた。しかし、良く煮込んでから食べるとカレーのスープにキノコの香りが広がり、おいしくいただくことができた。ビール、日本酒、ウィスキー、いつもの山の中での宴会が続く。

    甲斐駒ケ岳と天の川、そして木星


    甲府盆地の夜景と鳳凰山・富士山

 夜8時頃、甲斐駒ケ岳の上に天の川が登ってきているはずなので、駒薙にカメラを持ってふらりと出かける。ところが、酔っ払っていて方向感覚がいまひとつ、駒薙方向に向ったつもりがその先は樹林帯の急下り、小池さんが「そっちじゃねーぞ」と怒鳴っている。方向を変えて歩いて行くと・・・テントに戻ってしまった。出直してようやく駒薙に到着、見上げる星空は久しぶりに見る満天の星空だ。頭の上に輝く夏の大三角形とそれを貫く天の川が白い帯となって空を流れている。甲斐駒ケ岳の上にはひときわ明るい木星が輝く。しかし思ったより早く星が昇っていて、さそり座はもう南西の空に沈み、天の川の中心部(いちばん明るい部分)は鋸岳の上に沈み始めてしまっていた。時間は8時半、ここから甲斐駒ケ岳とさそり座、天の川中心部を狙うには4月から6月がベストとなるだろう。来年に期待。
 宴会は10時まで続き、明日のことを考えてお開きとなった。さて、距離だけ見るとさほどたいしたことはなさそうに見える日向八丁尾根だが、果たしてどんなものなのか。3人とも未体験ゾーンである。期待と恐怖が入り混じりながら眠りに着く。
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シルバーウィーク足慣らし 大栃山と神座山  平成21年9月19日

2009年09月28日 | 御坂・毛無・天子山系
 平成21年9月19日 天候曇り

 先日の経ヶ岳を歩いた際に2年間履いていた靴が故障し、靴底の張り替えと併せて見積もりを取ってもらった結果、新しく購入するのに近いくらいの料金がかかってしまうことがわかった。もう一足の靴も靴底がすり減っていて危ない山に入れるような状態ではない。新規購入には財布の中が寂しい・・・。残っている靴がもう一足、息子が3年前に買った靴が数回しか履かずに放置されている。サイズは合うのだが、横幅がややきつく感じるのと、靴底の踏み心地が悪い。そこで、靴底を故障した靴のものと交換して踏みならしに出かけた。

    登り口の檜峰神社。現在工事中。

 御坂山塊のどこかを考えていたが、最終的に行き先を決めたのは車に乗ってからだ。本日は天気予報で秋晴れのはずだったのだが、空はどんより曇り空で、富士山はあまり期待できない。展望よりもまだ歩いていないコースを歩きたいと思い、檜峰神社の上、鳶巣(トビス)峠から神座山を経てその先の釈迦ヶ岳に行く途中から檜峰神社に下りるコースを、途中大栃山に立ち寄って歩いてみることにした。

    鳶巣(トビス)峠。右に行けば大栃山、左に行けば神座山。


    大栃山山頂。木々が伸び、葉の生い茂るこの季節は眺望が悪い。

 檜峰神社に車を止めてトビス峠まで神社の横を通って20分ほどで到着する。トビス峠は十字路になっていて、右に行けば大栃山、左に行けば神座山だ。看板にはどちらの山も1時間10分と書かれているが、実際にはそれほどかからず、ゆっくり歩いて1時間とかからずに到着できる。3年ぶりの大栃山山頂はずいぶんと木が伸びて眺望が無くなっていた。山頂のすぐ手前から富士山の写真を撮った記憶があるのだが、今は木々におおわれて山頂をわずかに望むことしかできなくなっていた。

    神座山への広葉樹林帯の登り


    神座山山頂

 小休止してトビス峠を経て反対側の神座山に登る。富士山の展望はこちらの山のほうが優れているが、それよりも端正な三角錐を描く釈迦ヶ岳の姿が目を引く。紅葉が始まってはいるが、まだほんのわずかだ。

    神座山から見る釈迦ヶ岳の三角錐。右奥は御坂山塊最高峰、黒岳。


    神座山から見る富士山


    神座山に生えていたヤハズハハコ

昼食をとって大休憩し、釈迦ヶ岳側に進む。小コブを2~3個越えたあたりで今年5月に釈迦ヶ岳を周遊した時の下山道に着き、その道を檜峰神社に下りた。心配していた靴の履き心地だが、登りでは全く問題なし、しかし下りの時に指先に体重がかかってしまうようで、指先と足先の甲が若干痛くなる。しかしなんとか使えそうだ。明日からいよいよテント2泊で、登山道無き未体験ゾーンを歩く。本日は準備体操だ。
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