山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

雪山トレーニング 金峰山(千代の吹上まで)  平成25年1月27日

2013年01月27日 | 山梨百名山
 雪山に登るようになってから3年ほど、金峰山と鳳凰山は毎年恒例の山だったが、頸椎を故障して以来2年間、雪山からは遠ざかっていた。頸椎症は完治する病気では無いので、今でもちょっとした枕の高さや首の姿勢が悪かったりすると、その後数日間は左腕の痛みや痙攣が起こる。しかし、症状がひどかった頃に比べるとかなり改善しており、テント泊の装備もなんとか担げるようになった。しかし、まだ左腕の力と持久力は改善しておらず、鎖場や岩場の通過にはかなり気を使う状況である。今年は大きな彗星が二つ来ることもあって、なんとか冬季の標高2,000mを越える山に登りたいと思っている。2週間前には鳳凰山辻山まで行ったが体力の衰えを強く感じた。そして今回、同程度のレベルの金峰山に行ってみることにした。
 辻山は余計な荷物を持って行って足がバテてしまったので、今回は防寒着以外は余計な荷物を持たず、途中に水場があるので水も少なめに持って出かけた。ただし、アイゼンだけは久しぶりに12本歯を装着した。金峰山は6本歯で十分登れるが、今回はしばらく使っていない12本歯アイゼンのトレーニングを兼ねている。自宅をまだ暗い5時半に出発したが、増富の道は雪とアイスバーンでスピードが上げられず、瑞牆山荘の駐車場に到着したのは7時を過ぎてしまった。

    朝7時20分。だいぶ明るくなってはきたがまだ日は差し込まない。


    瑞牆山林道のところで向かいの魔子ヶ岳に日が射し出す。


    朝日射す瑞牆山


    富士見平。雪は15cmほど、テントが5~6張あり、もうほとんどのパーティーが出発した後だった。

 8時35分富士見平、9時40分大日小屋と、私の足にしては順調に登り、辻山の時とは違ってさほど足の疲れも感じなかった。その先にある大日岩への登り、さらに樹林帯の長い登りも同じようなピッチで登って行ったのだが・・・

    樹林帯の中は樹氷の景色が広がる。


    鷹見岩と大日岩小屋。この小屋は日が当らず、寒そうだ。


    大日岩の直下から見る南アルプス。


    大日岩と八ヶ岳


    大日岩の樹氷と見上げる金峰山。まだ遠い。

 千代の吹上に登り付く手前の樹林帯は真っ白な樹氷の景色が広がっていた。さらに高度を上げてもうすぐ千代の吹上というところで振り返ると、凄い景色が広がっていた。立ち枯れのツガの木が樹氷になっており、その向こうに雲をまとった八ヶ岳が浮かんでいた。登山道からだと構図がいまひとつなので、登山道脇の雪を踏みつぶして足場を確保し、そこに三脚を立てるのだが、傾斜のある斜面でなかなかうまく三脚が立ってくれない。ここで30分ほど時間を費やし、千代の吹上の展望地に到着したのは12時40分になってしまう。

    千代の吹上への登り。ご機嫌な樹氷の景色が広がる。


    振り返れば、立ち枯れの木の向こうに雲の巻いた八ヶ岳が浮かぶ。

 眼前には五丈岩が立ち、残り標高差であと150mほど、1時間半もあれば到着できるだろう。しかし、この日は素晴らしい青空と眺望に恵まれ、写真撮影には絶好の日となった。特に金峰山側は太陽の角度が良く、PLフィルターがばっちり効いてくれる。十分に登り付ける時間ではあったが、ここで30分の撮影時間を費やすと・・・下山が日没ギリギリになりそうだ。山頂はあきらめて、ここで折り返すことにした。

    千代の吹上から見上げる金峰山。もうすぐそこ。


    雪の岩峰と富士山


    厳冬の金峰山  PLフィルターを最大限に効かせて撮影。

 心行くまでこの場所で撮影を楽しみ、軽くパンで昼食を済ませた後、午後1時25分に下山を開始する。雪山の下山は早いが、久しぶりに装着した12本歯アイゼンはひっかけやすく、何度かつまづきそうになる。そして大日岩が目前に迫った緩い斜面で遂に・・・右足アイゼンを左足の靴にひっかけて転倒。しかも支えようとした手はすっぽり雪の中にはまり込み、顔面から雪の中に突っ込み上半身が雪だらけになってしまう。緩斜面で良かったが、やっぱり転んだかと思笑ってしまった。2時10分大日岩、3時半富士見小屋と順調に下山。富士見小屋の小屋主さんに挨拶して行こうと思ったのだが、この日は残念ながら不在だった。4時10分、駐車場到着。

    千代の吹上から見る茅ヶ岳と白根三山


    小川山と瑞牆山


    午後3時半。富士山はまだ綺麗に見えていた。

 テント装備になるとさらに5kgほど重くなるのだろうが、この日の感触だと山頂までならば時間をかければ十分登れそうだ。3月にやって来るパンスターズ彗星は午後7時半には西の空に沈んで行く。山頂泊か、雪のトレースを追って暗い中を下山するか、十分に検討して登りたいと思っている。
コメント (2)
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