今年のシャクナゲは花付きが悪いと聞いているが、まだ訪れたことが無い天城山はずっとシャクナゲの季節に訪れたいと思っていた。万二郎・万三郎岳のみを周回するのならばそれほど時間もかからないであろうが、以前から注目していたのは天城縦走路の途中にある皮子平(かわこだいら)というブナの森だ。ここには天城山系で最大級のブナの巨木があるらしい。行くならばこの場所も訪れてみたいのだが、天城高原ゴルフ場から皮子平を往復すると距離的にも時間的にも天城山脈縦走よりも厳しいコースとなってしまう。朝早立ちするには近場に前夜泊する必要があり、前日沼津に宿をとって行くことにする。
早朝4時に起きて天城高原ゴルフ場駐車場に向かう。5時半に到着すると車が5台ほど止まっており、テント泊が2組いた。既に出発している人たちもいるようだ。天候はあいにくの小雨混じり、カッパを着て5時50分出発する。
天城高原ゴルフ場の登山口。
小雨混じりの天候、森の中は暗い。ヤマツツジが彩る。
四辻。だが分かれているのは3方向。シャクナゲコース(涸沢分岐方向)に入る。
四辻で右の谷に進み、シャクナゲコースに入る。人があまりいないうちにシャクナゲの写真を撮ろうという目的なのだが、小雨混じりのこの空模様では訪れる人は少なそうだ。途中の大きなヒメシャラが林立する森は見事だったが、枯沢分岐付近にあるアマギシャクナゲは花付きがきわめて悪いうえに既に時期を過ぎていた。
ヒメシャラの林立する森
大きなヒメシャラの木。
涸沢分岐点。
涸沢分岐付近のアマギシャクナゲはほとんど花が付いていない。
しかもアマギシャクナゲはもう終わっている。
咲き残っていたアマギシャクナゲ
アマギシャクナゲ。
涸沢分岐から上部の森はブナが主体となる。
ブナ林の中を進む。
ミツバツツジは見頃を少し過ぎた頃。
万三郎岳下の分岐点。天城縦走路に進む。
9時半に万三郎岳下の分岐点に到着した。空は相変わらずどんよりしているが、この頃には雨が上がっていた。そのまま天城縦走路に入り、皮子平を目指す。隣の小岳を越えるとその先は急下りとなる。ここをまた登り返すのかと思うと少しばかり気が重くなる。標高差で約300m下り、スタート地点の天城高原ゴルフ場とあまり変わらない標高1,100m地点まで下りて皮子平に入る。
天城縦走路小岳付近。ブナの香りがただよう森を進む。
天城縦走コース、小岳から見る万三郎岳。
万三郎岳山頂付近を彩るミツバツツジ。
下に海と島(?)が見える。小岳付近から。
ヘビブナに立ち寄る。
ヘビブナ。さながら森の妖怪。
皮子平には人がいないだろうと思ったのだが、以外にも途中の道で10人近い人たちとすれ違った。東皮子平には天城山最大級のブナの大木があり、これに会ってみたかった。午前11時半東皮子平到着。既に訪問者は帰った後で、私一人で独占状態となる。写真を撮りながら昼食をとる。ここから西皮子平までは15分ほど、往復で30分のはずなので、ちょっと立ち寄るつもりだったのだが、皮子平のブナ林を少し歩いてすぐに足が止まってしまう。大きなブナが立ち並ぶ森の中にまだ幼いヒメシャラの木がたくさん生育している。今までに出会ったことが無い不思議な森の景色が広がっていた。しばらく味わっていなかった自分が森の中に取り込まれて森と一体化したような感覚、神様の懐に入り込んだような感覚を味わうことができた。
東皮子平の天城山最大級のブナ大木。
太い根元の部分。木の保護のために周辺にロープが張られている。
皮子平の森。
ブナの森の中にヒメシャラの木がたくさん生えている今までに出会ったことが無い不思議な森。
双子のブナの木。
苔の生したブナの大木。
国で保護している皮子平の森。
おそらく天然のヒノキ林。
西皮子平。どうやらワサビ田があったらしい。
ひょっとして出会えるかも知れない着生植物。しかし見つかったのはノキシノブなどのシダばかり。
結局1時間以上もこの森を存分に楽しませてもらい、午後1時に皮子平を出発することとなる。もう誰もいないだろうと思ったら、これから八丁池に縦走する人に5~6人すれ違った。小岳に登り返し、万三郎岳に戻る。
万三郎岳山頂付近のミツバツツジ。
このあたりが小岳から見たミツバツツジ群生地だろうが、展望できる場所が無い。
万三郎岳山頂。
山頂下のアマギシャクナゲ。ショボい。
万二郎岳の途中に咲き残っていたアマギシャクナゲ。
花付きはかなり悪い。
アマギシャクナゲ。
万二郎岳手前のピークへの登りにはハシゴが数本ある急登。
向こうに見えるのが万二郎岳。また下って登り返し。
歩いて来た万三郎岳と縦走路を振り返る。
万二郎岳山頂。
山頂にはアセビの大木がある。
万二郎岳直下のガレ地から見る景色。下に見えるのは菷木山、向こうに見えるのは大島。
万三郎岳は午後2時半に通過したが、万二郎岳に向かう途中でこれから登って行く10人ほどの団体さんとすれ違った。万三郎岳と万二郎岳の間にはまだアマギシャクナゲが咲き残っていたが、花付きはかなり悪かった。万二郎岳とその手前のピークへの登り返しは標高差こそあまり無いものの、結構な急登で辛かった。万二郎岳午後4時20分、駐車場には午後5時半に到着。
四辻付近はヤマツツジが見頃を迎えていた。午後5時になるともう森の中は薄暗い。
アマギシャクナゲは予想していたよりもさらに少なくて残念だったが、今回の一番の目的はブナの森だった。ヘビブナや巨木も良かったが最も感動したのは皮子平のヒメシャラの若木が林立するブナ森だった。いずれはヒメシャラが成長して今とは違う様相を呈するようになるのだろうが、その途中の過程にある珍しい森なのだろう。これだけのブナの森を抱えている天城山系ならば、今回出会えなかったあの着生植物がきっとどこかで生き残っていることだろう。
今回歩いたコース。 累積標高差1,011m、沿面距離13.4km。
早朝4時に起きて天城高原ゴルフ場駐車場に向かう。5時半に到着すると車が5台ほど止まっており、テント泊が2組いた。既に出発している人たちもいるようだ。天候はあいにくの小雨混じり、カッパを着て5時50分出発する。
天城高原ゴルフ場の登山口。
小雨混じりの天候、森の中は暗い。ヤマツツジが彩る。
四辻。だが分かれているのは3方向。シャクナゲコース(涸沢分岐方向)に入る。
四辻で右の谷に進み、シャクナゲコースに入る。人があまりいないうちにシャクナゲの写真を撮ろうという目的なのだが、小雨混じりのこの空模様では訪れる人は少なそうだ。途中の大きなヒメシャラが林立する森は見事だったが、枯沢分岐付近にあるアマギシャクナゲは花付きがきわめて悪いうえに既に時期を過ぎていた。
ヒメシャラの林立する森
大きなヒメシャラの木。
涸沢分岐点。
涸沢分岐付近のアマギシャクナゲはほとんど花が付いていない。
しかもアマギシャクナゲはもう終わっている。
咲き残っていたアマギシャクナゲ
アマギシャクナゲ。
涸沢分岐から上部の森はブナが主体となる。
ブナ林の中を進む。
ミツバツツジは見頃を少し過ぎた頃。
万三郎岳下の分岐点。天城縦走路に進む。
9時半に万三郎岳下の分岐点に到着した。空は相変わらずどんよりしているが、この頃には雨が上がっていた。そのまま天城縦走路に入り、皮子平を目指す。隣の小岳を越えるとその先は急下りとなる。ここをまた登り返すのかと思うと少しばかり気が重くなる。標高差で約300m下り、スタート地点の天城高原ゴルフ場とあまり変わらない標高1,100m地点まで下りて皮子平に入る。
天城縦走路小岳付近。ブナの香りがただよう森を進む。
天城縦走コース、小岳から見る万三郎岳。
万三郎岳山頂付近を彩るミツバツツジ。
下に海と島(?)が見える。小岳付近から。
ヘビブナに立ち寄る。
ヘビブナ。さながら森の妖怪。
皮子平には人がいないだろうと思ったのだが、以外にも途中の道で10人近い人たちとすれ違った。東皮子平には天城山最大級のブナの大木があり、これに会ってみたかった。午前11時半東皮子平到着。既に訪問者は帰った後で、私一人で独占状態となる。写真を撮りながら昼食をとる。ここから西皮子平までは15分ほど、往復で30分のはずなので、ちょっと立ち寄るつもりだったのだが、皮子平のブナ林を少し歩いてすぐに足が止まってしまう。大きなブナが立ち並ぶ森の中にまだ幼いヒメシャラの木がたくさん生育している。今までに出会ったことが無い不思議な森の景色が広がっていた。しばらく味わっていなかった自分が森の中に取り込まれて森と一体化したような感覚、神様の懐に入り込んだような感覚を味わうことができた。
東皮子平の天城山最大級のブナ大木。
太い根元の部分。木の保護のために周辺にロープが張られている。
皮子平の森。
ブナの森の中にヒメシャラの木がたくさん生えている今までに出会ったことが無い不思議な森。
双子のブナの木。
苔の生したブナの大木。
国で保護している皮子平の森。
おそらく天然のヒノキ林。
西皮子平。どうやらワサビ田があったらしい。
ひょっとして出会えるかも知れない着生植物。しかし見つかったのはノキシノブなどのシダばかり。
結局1時間以上もこの森を存分に楽しませてもらい、午後1時に皮子平を出発することとなる。もう誰もいないだろうと思ったら、これから八丁池に縦走する人に5~6人すれ違った。小岳に登り返し、万三郎岳に戻る。
万三郎岳山頂付近のミツバツツジ。
このあたりが小岳から見たミツバツツジ群生地だろうが、展望できる場所が無い。
万三郎岳山頂。
山頂下のアマギシャクナゲ。ショボい。
万二郎岳の途中に咲き残っていたアマギシャクナゲ。
花付きはかなり悪い。
アマギシャクナゲ。
万二郎岳手前のピークへの登りにはハシゴが数本ある急登。
向こうに見えるのが万二郎岳。また下って登り返し。
歩いて来た万三郎岳と縦走路を振り返る。
万二郎岳山頂。
山頂にはアセビの大木がある。
万二郎岳直下のガレ地から見る景色。下に見えるのは菷木山、向こうに見えるのは大島。
万三郎岳は午後2時半に通過したが、万二郎岳に向かう途中でこれから登って行く10人ほどの団体さんとすれ違った。万三郎岳と万二郎岳の間にはまだアマギシャクナゲが咲き残っていたが、花付きはかなり悪かった。万二郎岳とその手前のピークへの登り返しは標高差こそあまり無いものの、結構な急登で辛かった。万二郎岳午後4時20分、駐車場には午後5時半に到着。
四辻付近はヤマツツジが見頃を迎えていた。午後5時になるともう森の中は薄暗い。
アマギシャクナゲは予想していたよりもさらに少なくて残念だったが、今回の一番の目的はブナの森だった。ヘビブナや巨木も良かったが最も感動したのは皮子平のヒメシャラの若木が林立するブナ森だった。いずれはヒメシャラが成長して今とは違う様相を呈するようになるのだろうが、その途中の過程にある珍しい森なのだろう。これだけのブナの森を抱えている天城山系ならば、今回出会えなかったあの着生植物がきっとどこかで生き残っていることだろう。
今回歩いたコース。 累積標高差1,011m、沿面距離13.4km。