山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

西沢渓谷を再訪する 令和3年6月6日

2021年06月10日 | 渓谷
 4月下旬に一度訪問している西沢渓谷であるが、そこに生育していたスルガスゲと思わしきスゲがまだ確認できていない。それと、そろそろホテイシダが元気に葉を伸ばしている頃であろう。クモイコザクラのその後の葉の変化も気になる。午前中は天候がいまひとつだったが午後になると青空が広がってきた。周回するには出発時間が遅すぎるため、途中で折り返して戻ることにして、入山者が少なくなる午後1時に西沢渓谷駐車場を出発する。


    大きなミズナラの木にホテイシダが茂っている。右上にはヤシャビシャクの姿も見える。


    結実してイガグリ状の実を付けているヤシャビシャク


    青々としてまだ若いホテイシダ。


    ホテイシダとシノブ。ホテイシダにはソーラスの痕跡が見える。


    コカンスゲはもう終焉で花穂が散っている。


    たくさん穂を出していたヒナスゲも終盤。穂はほとんど無くなっていた。


    ヒナスゲの雌花。このスゲは雌雄異株である。


    こちらが雄花。


    渓谷の流れ


    竜神の滝


    これは大型のカンスゲ


    そしてこちらがお目当てのスルガスゲと思わしきスゲ。大部分は穂が千切れて終わっていた。


    しかし、これは本当にスルガスゲなのかどうか?


    ヒメカンスゲに良く似ている。


    根元の鞘は赤紫色。図鑑にはザラつくと書かれているが何度触ってもザラつきは不明である。


    先端部の雄小穂は赤紫色、雌小穂の鱗片は果胞より短く、鋭頭。果胞には縦向きの筋が入る。


    葉は深い緑色で地面に近い低い位置に伸びる。葉の中央の脈および辺縁は触れるとザラつく。

 以上の所見から見て、このスゲはスルガスゲと見て間違い無さそうである。葉のざらつきについてはヒメカンスゲなどはまだ触っておらず、今後検討してみたいと思っている。


    オオクボシダ


    前回発見出来なかったオオクボシダの群生を今回は確認出来た。


    ヒメスギラン


    前回は人数が多かったので多数発見できたが、今回は単独入山で見たのは3株のみだった。


    クモイコザクラの葉と茎。葉は平坦になって窪みは少ないが葉脈はしっかりしている。


    茎には毛が多い。


    一方、ダイモンジソウの葉は平坦で葉脈が目立たない。茎には毛が無いか少ない。


    渓谷の脇に生えるモミジカラマツ


    キバナウツギ発見、と思ったが・・・


    花茎がはっきりしており、これはウコンウツギのほうだろう。

 5時近くまで渓谷内をうろつき、駐車場に戻ったのは少し薄暗くなった6時半ごろだった。私が一番最後かと思いきや、私の後ろから5~6人の団体さんが帰って来た。装備から見て西沢渓谷では無くて東沢か鶏冠山に入山したのではないかと思う。スッキリと宿題が片付いたというわけでは無いが、一番確認したかったスルガスゲはおそらく間違い無いであろう。

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2 コメント

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Unknown (ヤツガタケトウヒ)
2021-06-12 20:16:34
モミジチャルメルソウ(ユキノシタ科)ではなく、モミジカラマツソウ(キンポウゲ科)のほうですね・・・。
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修正 (ヤツガタケトウヒ)
2021-06-12 20:18:59
×モミジカラマツソウ→〇モミジカラマツでした・・・すみません。
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