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山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

櫛形山の稀少植物  令和2年9月13日

2020年09月15日 | 山に咲く花
 今回の櫛形山周回はお花畑だけが目的ではなく、昨年山梨県で初めて見た花とまだソーラスを確認していないシダを見ておきたかったことがある。いずれの植物も確認は出来たのだが、酷い食害に遭っていて昨年以上に個体が小さくなってしまっていた。


    見たかったのはこの花。


    ナガミノツルキケマン。元々は山梨県絶滅危惧ⅠA類だったが生育地から消失したようで、2018年版ではDD類(調査不足)になってしまった花。


    元々はもっと背が高くなるはずの花だがまともに咲いているものはひとつも見当たらない。


    それにしても酷いやられようである。


    ことごとく食害に遭っていて茎しか残っていない。

 この状況が何年か続くとこの場所でも消滅してしまう可能性がある。保護柵設置か何か手を打つ必要があるが勝手に手を出して良いものかどうか・・・年内にみどり自然課に行く予定があるので相談したいと思う。


    もうひとつ見ておきたかったのがこのシダ、テバコワラビ。このシダも鹿の食害で激減してしまった。


    ソーラスは葉の下側、中央側から外に向かって付着する。


    羽片に付いたソーラス


    小羽片のソーラスは裂片の根元近くに付着する。


    嬉しいことに、小ぶりではあるが別の場所にも生育していた。


    たぶんこれもテバコワラビ。ソーラスは付いていなかった。


    さらに別の場所でも数個体を確認した。小型のものはいずれもソーラスが付いていなかった。

 葉質が柔らかいこのテバコワラビは絶好の鹿の餌食になってしまったようで、今回確認出来た個体は20個体ほどで、この山からいつ消滅してもおかしく無い状態にある。大きく成長して個体数を増やしてくれることを期待したい。


    もうひとつ危険な状態にあるのがこのホザキツキヌキソウ。周辺の草に埋もれてしまっていて今年も葉が成長していない。


    種を付けてはいるがおそらく中身は入っていないだろう。同じ遺伝子を持った個体同志ではまともな実を付けない。


    まだ確定できていないこのシダ。時間が遅くなってしまい薄暗い中で撮影。イッポンワラビに似るがこちらはひと回り大型である。


    羽片のソーラス


    接写。この不揃いな大きさのソーラスからハコネシケチシダではないかと思っているのだが??

 もしハコネシケチシダだとすれば山梨県ではほとんど発見されていないシダということになる。今の私のレベルで確定に至るのは困難なので、もう少し他の場所のシダを観察しつつ、詳しい方たちとも相談しながら確定して行きたいと思っている。

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