山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

南房総の山、富山(とみさん)  平成22年4月17日

2010年04月23日 | 番外編
 平成22年4月17日 天候曇り

前日冷たい雨が降り注いだ甲府盆地。朝7時の三つ峠ライブカメラを見るとレンズに氷がついている。しかし、空は曇り空で富士山は見えていなかった。しかし‥‥天候が回復してきた8時過ぎ、再度ライブカメラを携帯で見ると、真っ青な青空そして富士吉田の町をおおう雲海、さらに樹氷の尾根‥‥、おそらく今年最後と思われる樹氷の情景が広がっていた。予想していなかったわけではないのだが、この日は朝9時に仕事の予定があったので行くことができず、悔しい思いをした。
 仕事が10時には片づき、空を見上げると甲府盆地もしだいに青空が広がってきていた。さて、どこに行くか?全くあて無しだ。アストロガイドで今日の月の位置を調べると、夕暮れ後、細い月と金星が西の空に沈んで行く。しかし、北側寄りの位置であるため山梨県内からでは富士山頂に沈む月は撮影できない。ふと思い出したのが山仲間、「のぞむの富士」の望君の記事だ。確か千葉県の伊予ヶ岳とかいう山に行っていたはずだ。あの角度ならばひょっとして‥‥さっそくホームページを開き、場所を確認してプリントし、急いで車に乗り、千葉県南房総市富山(とみやま)に向けて出発。時間はもう11時近い。カーナビを伊予ヶ岳コロッケセンターとかいう場所にセット(伊予ヶ岳の名前ではここしか出てこなかったため)して、中央道、首都高、アクアラインを走って富山に到着した。高速を下りたものの、その先の道がさっぱりわからない。何せカラーのページを白黒でプリントしたものだから、真っ黒で字が全く読めないのだ。しかも縮尺が不明で距離が全くわからない。記事の中に確か中学校が出てきたのでカーナビで探すと、すぐ近くに中学校があったので、そちらに行ってみると、確かに山に行く道のようだが山の名前が伊予ヶ岳とは書いていない。富山、町の名前そのままではないか。とりあえず林道に入って進んで行くと、大きなお寺の門のようなところに出て、その門には「伏姫籠穴」と書かれていた。望君の地図を見るが、現在地は不明。ただ、伊予ヶ岳に行く道ではないのは明らかだ。その先には富山登山口の標識がある。時間は2時40分、まあいっか、この富山という山にとりあえず登ってみよう。帰ってきた家族連れの格好を見ると、普通のズックの靴に普通のカバンをぶら下げている。ということは、おそらくは登山というレベルには無い山ということなのだろう。いつものザックを担ぐと大げさになりそうだったので、足回りだけ登山仕様にして、ザックは職場にいつも持ってゆくリュックサックを背負い、杖は門の横に登山者用に準備されていた竹の杖を借りて歩き始めた。

    伏姫籠穴の門.残念ながらここには立ち寄らず.


    しばらくは林道歩き.左側に生えているツタの巻きついている木は,南房総らしい,琵琶の木.


    林道終点からいよいよ登山道に.良く整備された木道が続く.

 しばらくは舗装された林道を歩くが、15分ほどで突き当たりとなり、木道の整備された登山道に変わった。4~5人下りてくる人たちとすれ違ったが、この人たちは皆登山の格好をしていた。上に行くに従って傾斜はきつくなるが、木道の整備された良い道が続く。25分ほどで山頂直下の分岐点に到着、ここには立派な東屋とトイレが設置されていた。桜の花はもうそろそろ終焉を迎えようとしていた。そこから5分ほどで富山山頂に到着、時間は3時半。1時間とかからずに山頂に到着してしまった。なにせ標高350mほどしかないのにその中腹から登るのだから、地元の要害山に登るよりも標高差が無いということになる。東京湾が見えるこの景色は良いのだが、やはり登山という話になると物足りなさを感じてしまう。

    山頂下の水場.この日は雨の後で水は少し濁っていた.


    富山山頂.広い山頂で,展望台がついている.


    展望台から望む東京湾.天気が良ければ富士山が見えるはず.


    向こうは隣の南峰.電波塔が立つ.

 山頂の裏側を見ると、何やら山頂が岩場になった尖った山が見える。おそらくはあれが本来目指していた伊予ヶ岳だろう。ここで望君の地図を見直し、ようやく周辺一帯の状況が把握できた。天気が良ければ山頂の展望台から富士山や南アルプスが見えるらしいのだが、残念ながら雲に隠れて富士山は見えなかった。この様子では夜まで待っても無理だろう。30分ほど山頂で休憩して下山した。下山途中に広がる房総の森、山梨県の森とは全く違う情景だ。ツタの絡まる亜熱帯広葉樹林帯、薄暗いこの林、子供の頃にこういう林の中で蝶を追いかけ、カブトムシやクワガタを捕まえ、また、禁止されていたとりもちを仕掛けてメジロやウグイスなどを捕まえた記憶が蘇る。なんともなつかしい臭いのすることだろうか。

    山頂の三角点から裏側を見ると,尖った岩の山が見えた.あれが伊予ヶ岳.


    南房総の森.山梨県の山とは趣が全く違う.


    ツタの絡まる木,亜熱帯の森.子供の頃に過ごした房総の森,なつかしい臭いがする.

 ここは内房なので、我が故郷勝浦、また、高校のある鴨川は半島を横切って外房になる。折角来たので、ちょっと足を延ばして鴨川まで行ってみた。そして母校の校庭をちょっとだけ覗き見てきたが、校舎は新しくなっていたものの、建物の配置は昔と全く変わっていなかった。校門のすぐ向こうにある小さな池に、昔金魚がいて、石を投げ入れていじめたような記憶が‥‥なつかしい。さらにもう一ヶ所、今後のための秘密の場所を視察し、再び房総半島を横切り、館山道からアクアライン、首都高、中央道と乗り継いで甲府に戻った。夜9時半、何事も無かったかのように自宅に到着した。

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4 コメント

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はーくしょん (のぞむ)
2010-04-23 21:16:16
あ、こんな所で私の噂を・・・
拙レポを思い出してくれてありがとうございます。
ついでにリンクも貼っちゃったりして

http://nozomunew.web.fc2.com/aaj03timisaniyogatake.html

『富山』は私にとって18切符の山なのですが、甲府から車で行けてしまうのですね。でも、今回は伊予ヶ岳に行き損なったのは勿体無かったですね。山頂直下のあの鎖場はヨッシーさんが好きそうなのにな~

次回(あるかな)はもっと寒くて空気がクリアな日に伊予ヶ岳から『富山と富士山』を一緒に撮影したいです。その為には岩井近辺に前泊して早朝から登らないとダメでしょうね。

音楽会には行けませんが、是非また穴場の山に連れて行って下さいね。



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細い月に金星 (相模のtake)
2010-04-23 21:58:28
富士山頂に沈む細い月と金星、見れなくて残念でしたね。

私は、箱根の丸岳で同じことを考えていましたが昼からずっと厚い雲に、嫌われてしまいました。
月の入り1時間ほど前に諦めて帰りに山中湖のパノラマ台へ。厚い雲と湖霧がせめぎ合う幻想的な景色に、なんと数分間細い月が顔を出してくれました。
暗い雲中の一日のことも忘れて満足して帰ってきました。

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のぞむ君へ (ヨッシー)
2010-05-03 12:30:02
 あの記事がなければおそらく千葉には行かなかった,ということはなくて,目的の主眼は山ではなくて某所の視察にあったんです.むしろ富山がおまけ,あわやくば月を,と思ったのですが,そんなに甘くはなかったですね.私は千葉県出身なので,千葉の山は老後のためにとっておこうと思います.
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相模のtakeさんへ (ヨッシー)
2010-05-03 12:35:14
 takeさん,かなり積極的に撮影に行かれてますね.月や星を撮る人は同じようなことを考えている人が多いように思います.しかし,これからの季節,雲や霞が多くなって撮影が難しくなりますね.昨年は9月までとうとう天の川は1枚も撮影できませんでした.今年はどうなることか?
 日向山ですが,まずいところに日直が入ってしまいました.かくなるうえは・・・得意の夜間登山!ということになってしまいそうです.
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