後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「国益を守れば国民がより幸になる」という嘘

2009年06月06日 | 日記・エッセイ・コラム

最近、読売新聞の一面左に「国益と国民の幸は一致する」という評論が出ていまた。執筆したのは東京大学のある教授(国家准公務員)でした。こういう考え方には大きな虚構が組み込まれている場合があります。

国益の意味をわかり安く言い変えると、「国会議員と国家公務員の利益」という意味になる場合が多いのです。国民の幸とは民間の人々の幸と置き換えてみると分かり易いと思います。

そうすると、「国益と国民の幸福」は「国会議員・国家公務員の利益と民間人の幸福」と読み替えることが出来ます。第二次世界大戦は国益を守るために日本の軍人(もちろん国家公務員)が始めました。その結果民間人の大多数が酷い悲劇に巻き込まれたのです。

終戦後も「国益を守る為に」、政治家や国家公務員がいろいろな政策を実行しました。もちろんそのうちの幾つかは民間人の利益を増大しました。しかし多くの政策や施策は国会議員の政治資金の増加に役立ちました。国家公務員の権力の増大に役立ちました。国益を守るために中央省庁は実に多くの許認可制度を作り上げました。民間人は規制強化で身動きが出来ません。お役人は許認可権という権力を持つことが出来ました。

従って「国益」という言葉が出たら、国益の意味を具体的に定義しないと、何時の間にか民間人が酷い目にあう危険があるのです。国益という言葉ほど危険な言葉はありません。国の権力者は民間人を搾取して自分たちが利する場合が潜んでいるのです。

このようなことに気がついたのは自分が国家公務員を止めて民間企業で働き始めてからです。実にお恥ずかしい話です。政治家・国家公務員と民間人の考え方の違いに驚いたのです。前者は権力指向的であり、後者は経済力指向的です。そして「国益」という言葉は前者が好んで使います。後者は使いません。

皆様は「国益」という言葉がお好きですか?また具体的にはどのよう意味でお使いでしょうか?

ご意見をお聞かせ下さい。(終わり)


ご近所に美味しいコーヒー店がありますか?

2009年06月06日 | 日記・エッセイ・コラム

昔、「近所に美味しい豆腐屋があると幸せを感ずる」という文章を何回か読んだ記憶があります。同感です。しかし最近は美味しいコーヒー店があると幸せを感じます。こんなささいなことが人生の幸福を作っていると思います。

ここにご紹介する店はそのようなコーヒー店です。焙煎したての香ばしいコーヒーが280円です。世界中の生豆を揃えて売っている店です。散歩をかねてよく寄る店です。詳しくは電話、042-832-8187へ、あるいはHP:http://www.miraim.net/coffeeroast をご覧下さい。(終わり)

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隅田の花火というアジサイが咲きだしました

2009年06月06日 | 写真

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雨が上がったので、近所のコーヒー専門店へ焙煎したてのコーヒーを飲みに行きました。

道すがら家内が花々の写真を撮ります。最初の写真は「隅田の花火」とい名のアジサイです。二番目の写真のものは昔からの伝統的なアジサイです。その他、色々な花の写真があります。

お楽しみ頂ければ嬉しく思います。(終わり)


「北方領土を返さないロシア人はけしからんと怒る前に・・・」

2009年06月06日 | うんちく・小ネタ

別にロシア人を弁護しようとする文章ではありません。昨日、友人のmachanさんから中国人へ対するコメントを頂きました。「中国人の個人は好きだが、中国となると嫌いだ」と、いう趣旨のコメントです。国際関係のもめごとは全てこの感情から出発します。とても重要な感情問題なのでいささか分かりやすく説明してみます。

ロシア人は情が厚くて人間的で、つい好きになってしまう、と言う人によく会います。

しかしロシアの国は北方領土を返しません。永久に返したくないのです。

ロシア人とロシアを、ロシア人個人とロシア政府の権力者と置き換えると明快になります。一国を指導している(つもりの)権力者が日本政府の権力者と対峙して交渉しているのです。権力者は他者、他国を支配下に置きたいという本能を持っています。その本能が強烈で悪賢い人だけが権力闘争を勝ち抜いてその国の代表になれるのです。自分の軍隊が汗と血(?)を流して占領した領土など絶対に返しません。

日本の権力者もその事は十分わかっています。なにせ権力者同士なのですから。

しかし日本政府は北方領土を返せ!という社会運動をいつまでも展開します。

何故でしょうか?その方が自分の権力の存在理由がより強くなるからです。実際に返ってこないことは分かっていても自分の重要性を人々へアピール出来るからです。

韓国や中国の政府と日本政府は島々の領有権で永久に争っています。権力者同士が争っているのです。(権力者同士が戦争を始めるのです。)

さて、ここからが一番重要なことです。権力者がマスコミを使って「北方領土を返さないロシア人は悪い!ロシア人を憎むべきだ!」という趣旨の運動を始めます。人間の憎悪感を扇動して、選挙の時に投票して貰うとします。ロシア政府の権力者も同じような運動を展開します。ロシア人個人も日本人を疑問に思います。

ロシアも中国も、そして日本にも「人民が政府を指導する」という民主主義が徹底的に根付いていません。もしこの言い方が正しいとすると、それが不幸なのです。つまり政府の権力者の宣伝を信じてしまう傾向の強い文化になっているのです。

ロシア人はけしからん!中国人は強欲だ!韓国人が竹島を不法に占有している!と怒る前に、「ロシア人、中国人、韓国人」と言わないでロシア政府、中国政府、韓国政府と置き換えて考えてみましょう。そうすると同じように政府の宣伝に乗っている人々が相手の国にも大勢いることが見えてきます。

また続編を書きますが、要するにこれは「国家に頼り過ぎる個人」が問題なのです。

その延長には戦死者の国立墓地や靖国神社などの諸問題が横たわっているのです。

(続く)

今日は皆様がロシア政府の権力者とロシアの権力を持たない人々の違いをお考えになるようにえお祈りいたします。        藤山杜人