(この写真は本文の内容とは関係のない挿絵です。昨年潮来から持ち帰った根株から7番目に咲いた花です)
国民の考えが一国の外交政策を決めるという建前の民主主義国、アメリカでは草の根外交が重要だとよく言われています。しかし我々にとっては、「草の根外交」などという意味が分かりません。
そこで、今日はこの「草の根外交」のことを考えてみましょう。
我が国の国際外交は政治権力者が外務省というエリート公務員組織を通じて行います。当然のことながら日本の外務省の行う外交政策は民間人の利益にならないことが多くなります。日本の在外大使館は国会議員の面倒は良く見ますが、民間人へは親切でありません。
これに対して草の根外交とは、民間の日本人が個人的に外国に住み、外国の人々を支援する活動を意味します。さらに草の根外交の意味を広げて、個人的に外国の人と付き合うことも含めます。人間同士の付き合いですから楽しい交際だけでもありません。嫌な目にも会いますし、酷く裏切られたりもします。この個人的体験を国の外交政策へ反映させるのは「選挙」を通してしか出来ません。
実例を一つだけ上げます。昔、韓国人に個人的に酷い目にあわされた人は韓国へ厳しい政策を主張している候補者へ投票します。また逆に韓国人に良いことをして貰った人は反対の政策を主張している候補者へ投票します。これが個人的体験を外交政策へ反映させる実行行為なのです。
しかし、国会議員の選挙の時、候補者が外交政策について明確な主張をすることはありません。国内政策や税金低減のことばかり詳しく主張します。ですから草の根外交はなんの影響力もないのが日本の現実です。日本では外務省の外交活動と草の根外交が断絶状態にあるのです。
アメリカ人の国家外交政策への民間人の草の根的参加の実例を一つだけ知っています。それはベトナム戦争でアメリカが負けて撤退した後のことです。アメリカ側へ協力したベトナム人が難民としてアメリカに逃れてきました。私のアメリカの友人はその難民を、20人近くも自宅に引き取って衣食住を与え、就職先を探して送り出したのです。全くのボランティアです。国家からは補助金など出ません。その数年後に、私が彼の家に数日泊まったとき、そのいきさつを詳しく聞きました。
彼の説明は以下のようでした。「国がベトナム難民を支援するという外交政策を決定したのでアメリカ人が個人的にこの外交政策へ協力しただけです。草の根として自主的に参加したのです。これが草の根外交というもので、近所の人々もベトナム難民を泊めていました」。
そして続けて言います。「その後しばらくしてボートピープルが出た時もアメリカ人は個人的にお金を集めて船を出し、ベトナム沖で難民船からベトナム人を助け上げたのです」。
アメリカ人は国家の外交政策は国民一人一人が決定し、一旦決まったら個人的に出来る部分に直接参加するのです。少なくともそれが民主主義と思い込んでいるようです。
日本の外交政策と比較して、皆様はどのようにお考えでしょうか? (終わり)
朝から雨で気分が良くないので、せめて気持ちだけでも晴れ上がるように、花の写真を3枚お送り致します。カトマンズにお住まいのブログ上の友人の「ひかるの」さんが昨日撮影しました。彼の文章も悠々とした暮らしぶりを伺わせるのです。写真の下に転載します。
ひかるのさんとは東京で2回お会いしました。タイやインドやネパールに25年も住んでいます。Quality of Life のことを考えるとき、ひかるのさんの忙しい日本の生活から離れた人生を思い出します。質の高い人生の一つの在り方と思います。
今日も皆様のご健康と、悠々たる日常をお祈り申し上げます。 藤山杜人
ネパールの暦で 雨の月 アサールの月が1週間過ぎてしまったというのに、 雨期入りの気配はない。
今日も目覚め際に 窓の外を眺めると 空が灰色に曇っている。 いよいよ、雨かと期待していると 午前10時になると 太陽が顔を出した。 今日も暑い1日の始まりである。
今日の計画停電は 午前中は 10時から正午まで、夜は8時から10時までの
4時間である。 計画停電時間は 午前10時から始まったので、いつものように散歩に出掛ける ことにした。
ふらふらと歩いているうちに 急に思い立ち、バグマティ上流にあるパタンの旧市街のバグマティ川沿いにあるナラヤン寺院まで足を向けることに決めた。歩くと片道2キロ以上ある。
バグマティ川に沿って 対岸に2年前に出来たスラムを眺めながら、歩きづらい砂利道を進んでいく。路上の片隅に目をやると 紫色の昼顔らしい花が咲いている。はっとするような鮮やかな紫だ。夏の暑い陽射しなど もろともしていない。
砂利道から UNの援助によって造られた公園の中に入っていくと、今、カトマンズの
どこでも咲き誇っている花が咲いているが その名前は知らない。薄い桃色系のものと濃い桃色系など 花の色は何種類かあるようだ。
公園を抜けた民家の脇には 芙蓉の花なのだろうか、これも太陽を目指して咲き誇っている。陽射しはどんどん強くなり、歩くことも耐え難くなる。カトマンズ庶民たちの洗濯場になっている広場までやってくると女の子たちが 花を摘んでいる。近づいていくと これ又、名も知らぬ花が咲き誇っている。女の子たちに聞くと 首飾りを作る花だと言う。
この広場まで2キロ以上の道のりを歩いてきた。再び同じ距離を帰っていくことになる。
今度は 来た道とは反対のバグマティ川沿いの道を歩くが、日陰はなく、いささか頭は ぼーっとしてくる、喉は渇くで 歩くことさえ苦痛になってきた。
やっとの思いで 家の近くまで帰ってくると、パン屋の屋根を覆うように
ブーゲンビリヤの花が 圧倒するような赤で咲き誇っている。
これは 大した見ものである。
パン屋のパンの味以上に凄いぞ。
いっぺんに疲れが吹き飛んでしまった。(終わり)
(出典:http://asiancloth.blog69.fc2.com/)===ついでに彼との交信も====
ご無沙汰してしまいました。御元気なご様子を拝見し嬉しく思います。
ところで、ここに掲載してある「カトマンズの花々」を小生のブログでご紹介したいのです。どうぞ転載のお許しを下さい。一番目と三番目と十番目の3枚をお願いいたします。
御元気でお暮らし下さい。敬具、藤山杜人
どうぞお使いになってください。
暑い毎日が続くカトマンズです。
カトマンズ市民は 皆 水不足の真っ只中にあります。
お互いに顔を合わせれば、いつ雨が降るのだろうというのが
掛け言葉です。
宍戸様から メールを頂きました。
全く見知らぬ人だったので 驚きましたが、藤山様の
ブログのお仲間だったのですね。 ひかるの