貴族が貧しい農奴を搾取して贅沢な生活をしている。宗教団体が貴族階級に支援され豪華な教会を建設する。費用が莫大なので貴族がまた領民の農奴の搾取を一層過酷にする。これが産業革命に遅れをとった革命前の帝政ロシアの社会でした。革命が起きるのは歴史的必然でした。その革命を支えた思想が共産主義でした。農民を大切にし、宗教を否定し、ロシア正教を壊滅させました。教会の鐘を破壊し、神父を追放し、人々が教会へ行くのを禁じました。これが1917年のロシア革命から1989年のベルリンの壁の崩壊まで72年間続いたのです。共産主義は革命を起こすには有効な思想でしたが、人々を豊かにし、社会の経済発展の為には致命的な欠陥を露呈しました。人々を怠惰にし、生産効率を下げ、政治家の権力闘争だけを熾烈にする本質的な欠陥を持っていたのです。冷戦でアメリカに完全に敗北したのは当然の帰結のように思えます。
昨夜のNHKテレビの10時から「世界遺産への招待状」で最近のロシアの教会活動の復活の様子が丁寧に報道していました。ロシア正教は聖ニコライが1950年代に函館に伝え。日露戦争のとき、日本のロシア正教会は実質的に独立して日本正教会となりました。
一昨日お茶の水のニコライ堂で3時間という長い聖体礼儀に参加したばかりなので非常に親近感を持って見ました。
我々日本人にとって違和感を与える異様なタマネギ頭の塔を許してあげればもっと温かい気持ちで見ることができます。
この写真はWikipedeaで「ロシア正教」を検索すると出てくる写真です。
過酷にも何千万人も粛清したスターリンの、「唯一の良い政策」はロシア正教の教会や修道院の建物は破壊せず、「農民搾取の証拠品」として博物館として保存したことです。
1991年から本格的にキリスト教の復活を認められれ、ロシア人の80%が教会に帰ってきたと報じていました。建物だけで椅子もイコンも無い、ガランとした教会の床に膝突いて拝む人々の群れを見て、本当に良かったと嬉しくなりました。1982年に訪問した中国の瀋陽の荒れ果てた天主堂の中に信者が床に座って祈っていた風景を思いだしました。
とりあえず「まずは目出度い」と思い、ここにロシア人へ神とハリストス様の祝福が有りますようにお祈りを致します。