後藤和弘のブログ

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中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

お釈迦様の前に立った人間の平等と自由

2013年03月16日 | 日記・エッセイ・コラム

カトリックの復活祭の前の40日を四旬節と言い質素な生活をして復活祭を迎える心の準備をします。そしてその四旬節の前に「灰の水曜日」があります。教会に行って神父様から頭に灰をかけて貰います。すべての人間は土から生まれて灰に帰るという事を思い起こすためです。

どんなに偉い人も、全ての権力者も、貧しい者も富める者もみんな、みんな完全に平等に灰になってしまうのです。これこそが神の前に立った人間の平等というものです。そしていずれは皆が灰になるのですから神に与えられた能力にしたがって自由闊達に生きれば良いのです。これが神の与える自由というものです。

ところで話は飛びますが私は祖父が曹洞宗のお寺の住職をしていたので幼少の頃から般若心経を唱えていました。

その教えは、どんなに偉い人も、全ての権力者も、貧しい人もみんな、みんな完全に平等に空(クウ)なのです。そして全ての空(クウ)なものこそ人間や、全ての物質の本質なのです。

そしてお釈迦様は弟子のシャーリプトラ(舎利子)へ以下のように語るのです。

舎利子(シャーリプトラ)よ この諸法は空の相にして 生ずることなし滅することなし。 垢ならず浄ならず 増えず減せず。是の故に空の中に色は無く 受も想も行も識も無し・・・・以下省略・・・

このお経を聞くと私はカトリックの灰の水曜日の教えと全く同じではないかと感じるのです。

このお経の前では人間は完全に平等なのです。平等だからこそ自由に生きて良いのです。気持が癒されます。気持が晴れ晴れします。お釈迦様の慈悲を感じます。そうです。お釈迦様は人間の一人一人を平等に大切にします。

以下に般若心経とその解説をお送りします。般若心経の意味は上に書いたものよりもっと、もっと深く、その完全な理解は凡俗の私には無理です。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。

後藤和弘(藤山杜人)

=====参考資料======================

『般若心経』は膨大な『般若経』600巻の精髄をまとめたもので、字数にしてわずか262文字の短い経典ですが、深遠な仏教の思想と広大な慈悲のいとなみである宗教的実践を簡潔に説いています。この経は、日本ではほとんどの宗派で読まれています。『般若心経』は、正式には『摩訶般若波羅蜜多心経』と呼ばれ、大いなる(摩訶)、智慧(般若)の完成(波羅蜜多)の真髄を説いた経典のことです。その内容は『般若経』の中心思想である「空」の思想を簡潔に説いています。この「空」の概念は、ただ単に何物もない・空っぽである、という意味ではありません。すべてのものには「固定的な実体はない」という哲学的概念を含んでいます。ですから経文中の「色即是空、空即是色」とは、色(すべての目に見える対象)は空(永遠に変化しないものはない)なのだ、そして空(変化生成するもの)なるものが色(対象世界)なのだ、という意味なのです。.この経典の異訳は全部で8種類ほどあるとされ、なかでも鳩摩羅什(くまらじゅう)訳の『摩訶般若波羅蜜大明呪経(まかはんにゃはらみつだいみょうじゅきょう)』と玄奘(げんじょう)訳の『摩訶般若波羅蜜多心経』がもっともよく知られています。玄奘訳はのちに読誦用としてもっともひろく用いられるようになり、それが現在、一般に『般若心経』といわれているものです。


般若心経(はんにゃしんぎょう)
  

 仏説摩訶般若波羅蜜多心経
 ぶっせつまかはんにゃはらみったしんぎょう

 観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五薀皆空 度一切苦厄
 かんじざいぼさつ ぎょうじんはんにゃはらみったじ  しょうけんごうんかいくう どいっさいくやく

 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色 受想行識 亦復如是
 しゃりし しきふいく くうふいしき しきそくぜくう くうそくぜしき じゅそうぎょうしき やくぶにょぜ

 舎利子 是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減
  しゃりし ぜしょほうくうそう ふしょうふめつ ふくふじょう ふぞうふげん

 是故空中 無色無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法 無眼界乃至無意識界
 ぜこくうちゅう むしきむじゅそうぎょうしき むげんにびぜつしんに むしきしょうこうみそくほう むげんかいないしむいしきかい

 無無明亦無無明尽 乃至無老死亦無老死尽 
 むむみょうやくむむみょうじん   ないしむろうしやくむろうしじん

 無苦集滅道 無智亦無得 以無所得故
  むくしゅうめつどう  むちやくむとく  いむしょとくこ 
 

 菩提薩埵 依般若波羅蜜多故 心無罣礙 無罣礙故 無有恐怖
 ぼだいさった   えはんにゃはらみったこ    しんむけげ   むけげこ    むうくふ

 遠離一切顚倒夢想 究竟涅槃 三世諸仏 依般若波羅蜜多故 得阿耨多羅三藐三菩提
 おんりいっさいてんどうむそう くぎょうねはん さんぜしょぶつ えはんにゃはらみったこ とくあのくたらさんみゃくさんぼだい

 故知般若波羅蜜多 是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪 能除一切苦 真実不虚
  こちはんにゃはらみった ぜだいじんしゅ ぜだいみょうしゅ ぜむじょうしゅ ぜむとうどうじゅ のうじょいっさいく しんじつふこ

 故説般若波羅蜜多呪 即説呪曰
  こせつはんにゃはらみったしゅ そくせしゅわつ


 羯諦羯諦波羅羯諦波羅僧羯諦菩提薩婆訶
  ぎゃていぎゃていはらぎゃていはらそうぎゃていぼじそわか

 般若心経
 はんにゃしんぎょう
般若心経(はんにゃしんぎょう)の解釈
 仏が説かれた「悟りの智慧を完成させる偉大な真言」の教え

 観自在菩薩が深般若波羅蜜多を修行し時に 

 五薀は皆な空であると照見して一切の苦厄を救いたまえり

 舎利子よ 色は空に異ならず 空は色に異ならず 色は即ち是れ空 空は即ち是れ受も想も行も識も またまた是の如し

 舎利子よ この諸法は空の相にして 生ずることなし滅することなし

 垢ならず浄ならず 増えず減せず

 是の故に空の中に色は無く 受も想も行も識も無し

 眼耳鼻舌身意も無く 色声香味触法も無く 眼界も無くそれから意識界までもすべて無し

 無明も無く亦た無明が尽きることも無くそれから 老死に至るすべても無し

 苦集滅道も無く 得る所無しを以ての故に 智も無くまた得も無し 

 菩提薩埵は 般若波羅蜜多に依るが故に 心のくもり無く

 くもり無きが故に 恐怖も無し

 一切の顚倒した夢のような想いを遠く離して 涅槃を達成した

 現在過去未来のすべての仏も 般若波羅蜜多によるが故に 大いなる悟りを得られた

 故に知るべし

 般若波羅蜜多の是れ大いなる真言 是れ大いなる悟りの真言 是れ無上の真言 是れ比類なき真言

 能く一切苦しみを除き 真実にして虚偽なし

 故に般若波羅蜜多の真言を説く 即ち真言を説いて曰く

 ガテー ガテー パーラガテー パーラサンガテー ボディ スヴァーハー

 般若心経