伊勢物語で、都落ちした在原業平が隅田川で京都では見かけない鳥を見て、船頭に聞くと、「都鳥」と教えてくれました。そこで「名にし負はば いざ言問はん都鳥 わが思う人は ありやなしやと」と詠みました。
この鳥の見かけの様子から伊勢物語の都鳥は現在のユリカモメであると言われています。現在は京都の鴨川でもユリカモメは沢山飛んでいますが、それは1975年頃から以後のことで、昔は京都にはユリカモメはいませんでした。
一方、現在のミヤコドリはチドリの仲間で、ユリカモメとは全然別種の鳥です。
しかし両方とも日本全土で見られる冬鳥の渡り鳥です。夏は千島、カムチャツカ、サハリン、シベリアなどへ渡ってそこで繁殖します。
カモメは留鳥と思っている人も多いようですが立派な渡り鳥で、冬鳥です。
漢字で都鳥と書けばユリカモメです。都鳥をミヤコドリとカタカナで書けばチドリの仲間の「ミヤコドリ」なのです。ややこしいですね。
下にユリカモメとミヤコドリの写真を示します
上は冬羽の日本で見られるユリカモメです。下が夏羽のユリカモメで北方の営巣地で巣を作っているところです。枯れて倒れた白樺が寒い地方を示しています。
ユリカモメは、ユーラシア大陸北部やイギリス、アイスランドなどで繁殖し、冬は南下しヨーロッパ、アフリカ、インド、東南アジアへ渡り越冬する。北アメリカ東海岸に渡るものもいる。
上の2枚の写真の出典は、 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%A2%E3%83%A1です。
上と下はミヤコドリです。体系がチドリの仲間を示しています。
写真の出典は、 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A4%E3%82%B3%E3%83%89%E3%83%AAです。
ミヤコドリは、北欧、中央アジア、沿海州、カムチャツカ半島などで繁殖し、西欧、アフリカ西岸、中東、中国南部、日本にかけての海岸で越冬する。かつて日本では旅鳥または冬鳥として主に九州に渡来していたが、近年は東京湾でも定期的に観察されるようになった。海岸で小さな群れを作ってすごすことが多い。
日本では冬鳥として、北海道から南西諸島まで広く渡来し、小型のカモメ類の大半が本種である。ただし、北海道では厳冬期にはほとんど見られなくなる。主に、全国の海岸や河川、沼地などに普通に渡来する。