日本で一番古い、そして現役の水力発電所は明治21年、1888年に仙台に出来た三居沢水力発電所でした。(日本一古い水力発電所・・・仙台、三居沢(さんきょざわ)水力発電所)
それで東京で一番古い現役の水力発電所は何処でしょうか?
それは大月市猿橋にある駒橋水力発電所です。明治40年、1907年に東京電燈が作った発電所で、その出力は15000KWで当時としては日本で最大の水力発電所でした。
そして発電所から東京の早稲田変電所までの76Kmを電圧55KVの高圧で長距送電に成功したのです。明治40年以降の東京市の夜が明るくなったのは駒橋発電所の完成と長距離高圧送電技術の成功のおかげなのです。
この駒橋水力発電所は現在東京電力のものとして相変らず発電を続けています。
この産業技術遺産探訪記は、http://www.gijyutu.com/ooki/tanken/tanken2002/koma/koma.htmに掲載されています。そこから以下の写真をお借りして示します。
落差104mと高い山の頂きへどのように水を引いて来るのでしょうか?不思議です。そこで水路を調べましたら以下の地図を見つけました。
発電用の水は山中湖や忍野八海から流れ下る桂川の上流の、都留市古渡で取水しています。そしてすぐに川茂水力発電所で小規模な発電をしてから駒橋発電所へえんえんと送るのです。随所に水を送るトンネルを掘り抜き、ひたすら水を流します。
下は富士山が遠景として見える川茂水力発電所です。
出典は山梨日日新聞です。
さて駒橋発電所で使用した水はその後どうなるのでしょうか?一度桂川の下流へ返します。そこで桂川の水と合体して、八ツ沢水力発電所へトンネルと水道橋をつないでまたえんえんと送るのです。下にその桂川の取水口の写真を示します。
取水口は写真の右上のほうに写っています。
この取水口から大野調整池までにある3つの水道橋が産業技術遺産になっています。
それはそれとして、大野調整池からまたトンネルで水は八ツ沢水力発電所へ送られるのです。その上、八ツ沢水力発電所で使用済みの水はさらに松留水力発電所へ送られ発電をした後で、再び桂川に返され、相模湖へ注ぎ込むのです。
相模湖ダムの下部には相模湖ダム水力発電所がり、さらにその下流には城山ダムがあり、もう一つ大規模な水力発電所があるのです。
ちなみにこの相模湖ダム水力発電所と城山ダム水力発電所は、神奈川県庁企業局のもので東京電力のものではありません。もっとも発電した電気は東京電力へ売っているようです。
以上のように山中湖や忍野八海から流れてくる桂川には、水路をうまく作ることによって幾つもの発電所を作ることが出来るのです。その上、相模湖ダムや城山ダムを利用したダム式水力発電所も作ることも出来ます。
このような水流の巧みな利用方法は人間の知恵や文化がつまっていて、何故かロマンを感じさせます。
上に示したような考え方で、もう一度ご自分の住んでいる所の川やダム湖を見直すといろいろ興味深い発見をすると思いいます。(続く)
仕事をやめて毎日趣味を楽しむだけの生活になると人間の考え方が大変に変わるようです。
私自身は70歳になって仕事を一切止めてから物の考え方が驚くほど変わりました。その変化は驚異的なものです。自分ながらあきれています。
現役の間は老後は淋しいだろうと考えていました。仕事が面白かったので、それが無くなるのですから不幸になると信じていたのです。
ところが毎日が急に晴れ晴れとして楽しくなったのです。不思議です。
そこで考え方がどのように変わったかを以下の実例について連載記事として書いていきたいと思います。そして何故変わったのか、その理由も考察して行きたいと思います。
(1)家族や親類に対する考え方の変化。
(2)友人や知人に対する考え方の変化。
(3)職業に関する考え方の変化。
(4)恩人、自分を支えてくれた人々への深い感謝。
(5)趣味に対する考え方の変化。
(6)宗教や死生観に対す考え方の変化。
その他いろいろと考え方が変わったものが沢山あります。
考え方の変化は職業への執着心からの解放、因習的な家族制度からの解放、家族への期待や要求心からの解放、仕事のストレスからの完全解放、この世への執着心からの解放などなどが原因になって驚異的な変化が起きたものと考えています。
高齢になると物事が自然と公平に見えるようになります。我欲が弱くなるので、全てがあるがままに見えるのです。そうすると以前とはまったく違う風景が見えてくるのです。
これこそが老境の幸せです。勿論、体力も衰え、いろいろな病気とも一緒に歩かねばなりません。しかしその不幸よりも大きな幸せを感じる毎日になるのです。こんな変化は自分でも驚いています。若い時には想像も出来なかったことです。
さて高齢になった皆様はご自分の考え方が現役の頃と大きく変わったでしょうか?
そんなことを書きつづっていきたいと存じます。下の写真は先週の鎌倉の浜辺です。春が来たのでさっそく親子が遊びに来ていました。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。
後藤和弘(藤山杜人)