ネットの上で知り合い、何度かお会いし、その物静かな人柄に惹かれていた「ひかるの」さんが肺ガンで亡くなって、もう5年になります。
彼はヒンズー語、タイ語、ネパール語、ブータン語などなどが話せました。アジアの各地を訪ね人々と温かい絆を結びました。
ひかるのさんはカトマンズとバンコックの両方に家があり26年も住んでいました。アジアの手紡ぎ、手織り布に魅せられて棲みついてしまったのです。
彼は独身でしたが息子が一人いました。バンコックでストリートチルドレンだった少年を引き取り、育て上げたのです。大人になって働いています。
バンコックでは病身の ひかるのさんの最後の世話をあれこれしてくれます。ひかるのさんにとっては唯一人の家族です。その息子とも別れ、東京へ帰って来ました。そして肺ガンで2010年の5月に亡くなったのです。
ひかるのさんは生前、2つのブログを精力的に書いていました。
「カトマンズ・バンコク慕情~アジアの旅の徒然に」:http://blogs.yahoo.co.jp/hikaruno_season とイ「ンド ブータン アジアの布 染織美術館」:http://asiancloth.blog69.fc2.com/ です。
これらのブログにはアジアの底辺に住む人々の喜びや悲しみがしみじみと書いてあります。
日本の多くの人々もこのブログに魅せられ、ひかるのさんと心の絆が出来ていたのです。
肺ガンの治療を受けていた東京厚生年金病院には毎日のように見舞客が訪れていました。そして日本に身寄りのないひかるのさんの世話を親身でする人もいました。みんなネットで繋がった絆だったのです。
5年後の現在考えてみるとアジアでの人々との絆、そして日本での人々の絆は不思議なものです。何か不可思議な力が人々に働いていたような気がいたします。
ひかるのさんのブログに私が初めて会ったのは2008年の8月でした。すぐに「美くしく楽しいブログを発見しました」と題する記事を2008年9月7日に、http://blog.goo.ne.jp/yamansi-satoyamaに掲載しました。
そんなことを思い出しながら彼の撮った写真を6枚示します。
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これはバンコックにある精霊の樹木です。ヒンズー教の影響を受けた庶民の信仰です。近代的なバンコックにもこんな信仰もあるのです。
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これはブータンの衣装のキラです。野蚕の絹を手織りにし、草木染にした布です。見ていると暖かい気持ちになるから不思議です。
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この2枚は肺ガンがちょっと良い時に病院を抜け出して近所の公園を散歩した時の風景です。晩春でした。これらの花々がひかるのさんが見た最後の花になりました。
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なお上で紹介した2つのブログは5年後の現在でも見ることが出来ます。ひかるのさんのことを詳しく知りたい方は是非ご覧になって下さい。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)