国際的な問題を取り上げると、その文章の趣旨に関係の無いコメントを下さる方がいらっしゃいます。礼儀正しいコメントならそれも嬉いものです。
しかし誤解の無いように今日の記事の趣旨を最初に書きます。
世界中にはいろいろな国家があります。その国々が勝手に自国の利益の為に行動することは国としての主権と考えられています。ただし、それには他国の領土を侵害しない限りという最低条件は付きまといます。
今日は
「先進国が悪いことをして、発展途上国がその真似をして悪いことをした場合、それをを止めさせることは困難だという問題提起」をしようと思います。この問題提起が今日の文章の趣旨です。問題提起ですから私には解答がありません。
でもいろいろな国際ニュースを見る度に自問自答をして考え続けている困った問題なのです。
この困った問題の一例が最近の北朝鮮による水爆実験です。
アメリカやロシアやイギリス、フランス、中国、インドなどが原発や核兵器を所有しています。アメリカなどはビキニ環礁で水爆実験を行いマグロ船の第5福竜丸が被ばくし、無線長だった久保山愛吉さんが死亡しました。
この事件は1954年の随分昔の話です。
最近、核兵器開発に遅れをとった北朝鮮が初めて水爆実験をしたというニュースが流れました。
それを受けてアメリカが主になって国連の安全保障会議が北朝鮮を非難する声明を出しました。
そしてアメリカ、日本、中国、韓国がそろって北朝鮮を非難し、経済的な制裁を加えようとしています。
アメリカはこの水爆実験を受けてB52大型戦略爆撃機を韓国上空を巡航させ北朝鮮を威圧しました。それに続いて横須賀基地にいる原子力空母「ロナルド・レーガン」を来月の米韓合同軍事演習に派遣して北朝鮮に脅威を与えようとしています。
中国自身も今回の水爆実験で北朝鮮を非難しています。理由は今まで弟分として大切にしてきた北朝鮮が中国に事前通告をしないで勝手に水爆実験したからと報道されています。面子を潰されたと怒っているのです。
水爆実験のおかげで日米韓の3国の団結が強まりました。それを中国が嫌がってもいるのです。
しかしアメリカも中国も水爆を保有しています。水爆実験に遅れをとった北朝鮮がその実験をしたとしてもそれは国家の主権として仕方のないことではないかと思います。先進国と発展途上国を平等に考えれば仕方の無いことではないでしょうか?
何か先進国だけが得をして遅れた国は何時までも損をする構図はいくらでもあります。
最近の地球温暖化防止のための動きもそうです。先進国がさんざん悪い排気ガスを多量に放出しておきながら遅れて発展している国々に悪い排気ガスを出すなと要求しているのです。
これは国家のエゴそのものです。
原爆を投下された日本人の一人として原爆や水爆は絶対にあってはならないものです。それは悪魔の落とし物です。その上、あの国は冷血にも多数の日本人を拉致している極悪な国です。
ですから私は北朝鮮を強く非難します。しかし一方で先進国と遅れた国の間の平等を考えると何か割り切れない気分になります。
このような問題をどのように考えるべきでしょうか?困った問題であることは間違いありません。
今日の挿絵代わりの写真は小金井公園の花のある風景です。一昨日撮った写真です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)