誤解の無いように始めに強調いたしますが、私は排他的な文化が悪いと非難する意図が毛頭ありません。
日本人はその排他性のお陰で日本古来の輝かしい伝統文化を守り、平和に暮らして来られたのです。ですから排他性は良い側面も有していることを始めに強調したいのです。
しかし島国に住む日本民族は大陸に住む中国人や朝鮮半島の民族と考え方が違います。ユーラシア大陸に住むモンゴル人とも違います。
この日本民族に強くみられる排他性は、その住んでいる所が孤立した島国であるということに由来するのは明らかです。日本は絶海に浮かぶ列島からなっているのです。
ですから古くから他民族の大規模な移住もありませんでした。明治維新によって政治構造は近代国家になった後も、かたくなに他国からの移民を受け入れませんでいた。少数のアイヌ民族を除けば、日本民族は単一な民族からなる国になっているのです。
私が日本人の排他性を体験的に深く理解したのは1962年のアメリカ留学の時でした。
留学先のオハイオに落ち着いてまずアメリカの豊かさに驚愕しました。これではアメリカとの戦争で日本が勝てる訳がないと何度もしみじみと思ったのです。
それからしばらく下宿先の近所や大学の構内を見回すと、そこには実に様々な人種の人々がいたのです。
オハイオで見たのは白人と黒人の他にもインド人、メキシコ人、南米系の原住民、南太平洋系の人々など実に多くの人種が混在していて、仲良く平和に暮らしているのです。
アメリカの強みは世界中の全ての国々から移民を受け入れて来たことなのです。アメリカ人は排他的ではないのです私はつくづく日本民族は排他的な民族だと思い知ったのです。
一方、ヨーロッパの国々も排他的でないのです。ドイツに住んだことがありますが、驚いたことに、ドイツはトルコやギリシャやルーマニアなどの東欧圏から多数の移民を受け入れているのです。
中国でも多民族国家であることを宣伝材料にしているのです。共産党政権に従順な限り、イスラム教もキリスト教もチベット仏教も平等に大切にしているのです。北京に行ってみるとイスラム教徒の多数の回族徒が白い帽子をかぶり悠々と闊歩しているのです。
イスラム教のお寺も多数あります。大学には豚肉抜きの回族のための学生食堂が必ず別に作ってありました。
これで日本民族が特別に排他的な民族だとお分かりになったと思います。
この排他的な日本が太平洋戦争でアメリカに徹底的に負けてしまったのです。それは1945年のことでした。
敗けただけではなくその終戦後の6年間、全国の津々浦々をアメリカ軍が占領していたことです。
そしてさらにサンフランシスコ講和によって日本が独立した後もアメリカ軍の軍事基地が全国にあり続けているのです。戦後の75年間、日本には圧倒的な軍事力を持ったアメリカ軍を受け入れざるを得ない状態だったのです。
この状態は旧石器時代や縄文時代から始まる日本民族の歴史上、初めての大きな出来事でした。
この結果、アメリカ文化が日本に怒涛の如く流れ込んで来たのです。
アメリカ占領軍は自由と平等の民主主義に従って日本の軍国主義を徹底的に絶滅させ、アメリカ流の国にしようとしました。
日本へ男女平等の選挙権を与えました。旧制の学校制度を廃止し、6・3・3・4年の新制の学校制度に変えました。だれでも平等に教育にあずかれるようにしたのです。これらはヨーロッパのエリート教育とは違います。
さらに共産主義の影響もあって日本の地主・小作制度を廃止し農地解放を実施したのです。
人間の平等と自由を日本に行きわたらせました。人権の重要性と個人の尊厳を日本民族へ押し付けるようにして教えました。
明治維新を第一の開国で1945年の終戦を第二の開国と考えることが出来ます。これで日本民族は排他的でなくなったでしょうか?
答えは「否」です。
学校制度は大きく変わりましたが、学校では相変わらず知識を暗記させる江戸時代の寺子屋の教育を続行しています。創造性を伸ばす教育は非常に少ないのです。
そして日本は現在でも他民族の移民を厳しく禁じているのです。
日本民族の物質文化は変わりましたが、排他的な精神文化は変わらないのです。
しかし詳しく見ると、日本のなかで人間は平等だという精神はかなり普及しました。自由に自分らしい人生を送るという考え方も定着しました。そして障害者や弱者を差別しなという文化もある程度育ちました。これらはすべてアメリカ文化の影響なのです。ですから日本の精神文化もある部分は敗戦によって大きく変貌したのです。
このように日本の敗戦によってその民族文化の変わった部分もあるのです。
しかし日本民族の排他的な本質は変わらないのです。私は排他的な文化が悪いと非難する意図が毛頭ありません。しかし何故か淋しい感じがします。
今日の挿し絵がわりの写真は秋の富士山の風景です。出典は、「これぞ日本の秋」、https://yamahack.com/2825 です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)
日本人はその排他性のお陰で日本古来の輝かしい伝統文化を守り、平和に暮らして来られたのです。ですから排他性は良い側面も有していることを始めに強調したいのです。
しかし島国に住む日本民族は大陸に住む中国人や朝鮮半島の民族と考え方が違います。ユーラシア大陸に住むモンゴル人とも違います。
この日本民族に強くみられる排他性は、その住んでいる所が孤立した島国であるということに由来するのは明らかです。日本は絶海に浮かぶ列島からなっているのです。
ですから古くから他民族の大規模な移住もありませんでした。明治維新によって政治構造は近代国家になった後も、かたくなに他国からの移民を受け入れませんでいた。少数のアイヌ民族を除けば、日本民族は単一な民族からなる国になっているのです。
私が日本人の排他性を体験的に深く理解したのは1962年のアメリカ留学の時でした。
留学先のオハイオに落ち着いてまずアメリカの豊かさに驚愕しました。これではアメリカとの戦争で日本が勝てる訳がないと何度もしみじみと思ったのです。
それからしばらく下宿先の近所や大学の構内を見回すと、そこには実に様々な人種の人々がいたのです。
オハイオで見たのは白人と黒人の他にもインド人、メキシコ人、南米系の原住民、南太平洋系の人々など実に多くの人種が混在していて、仲良く平和に暮らしているのです。
アメリカの強みは世界中の全ての国々から移民を受け入れて来たことなのです。アメリカ人は排他的ではないのです私はつくづく日本民族は排他的な民族だと思い知ったのです。
一方、ヨーロッパの国々も排他的でないのです。ドイツに住んだことがありますが、驚いたことに、ドイツはトルコやギリシャやルーマニアなどの東欧圏から多数の移民を受け入れているのです。
中国でも多民族国家であることを宣伝材料にしているのです。共産党政権に従順な限り、イスラム教もキリスト教もチベット仏教も平等に大切にしているのです。北京に行ってみるとイスラム教徒の多数の回族徒が白い帽子をかぶり悠々と闊歩しているのです。
イスラム教のお寺も多数あります。大学には豚肉抜きの回族のための学生食堂が必ず別に作ってありました。
これで日本民族が特別に排他的な民族だとお分かりになったと思います。
この排他的な日本が太平洋戦争でアメリカに徹底的に負けてしまったのです。それは1945年のことでした。
敗けただけではなくその終戦後の6年間、全国の津々浦々をアメリカ軍が占領していたことです。
そしてさらにサンフランシスコ講和によって日本が独立した後もアメリカ軍の軍事基地が全国にあり続けているのです。戦後の75年間、日本には圧倒的な軍事力を持ったアメリカ軍を受け入れざるを得ない状態だったのです。
この状態は旧石器時代や縄文時代から始まる日本民族の歴史上、初めての大きな出来事でした。
この結果、アメリカ文化が日本に怒涛の如く流れ込んで来たのです。
アメリカ占領軍は自由と平等の民主主義に従って日本の軍国主義を徹底的に絶滅させ、アメリカ流の国にしようとしました。
日本へ男女平等の選挙権を与えました。旧制の学校制度を廃止し、6・3・3・4年の新制の学校制度に変えました。だれでも平等に教育にあずかれるようにしたのです。これらはヨーロッパのエリート教育とは違います。
さらに共産主義の影響もあって日本の地主・小作制度を廃止し農地解放を実施したのです。
人間の平等と自由を日本に行きわたらせました。人権の重要性と個人の尊厳を日本民族へ押し付けるようにして教えました。
明治維新を第一の開国で1945年の終戦を第二の開国と考えることが出来ます。これで日本民族は排他的でなくなったでしょうか?
答えは「否」です。
学校制度は大きく変わりましたが、学校では相変わらず知識を暗記させる江戸時代の寺子屋の教育を続行しています。創造性を伸ばす教育は非常に少ないのです。
そして日本は現在でも他民族の移民を厳しく禁じているのです。
日本民族の物質文化は変わりましたが、排他的な精神文化は変わらないのです。
しかし詳しく見ると、日本のなかで人間は平等だという精神はかなり普及しました。自由に自分らしい人生を送るという考え方も定着しました。そして障害者や弱者を差別しなという文化もある程度育ちました。これらはすべてアメリカ文化の影響なのです。ですから日本の精神文化もある部分は敗戦によって大きく変貌したのです。
このように日本の敗戦によってその民族文化の変わった部分もあるのです。
しかし日本民族の排他的な本質は変わらないのです。私は排他的な文化が悪いと非難する意図が毛頭ありません。しかし何故か淋しい感じがします。
今日の挿し絵がわりの写真は秋の富士山の風景です。出典は、「これぞ日本の秋」、https://yamahack.com/2825 です。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)