後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「シクラメンが美しく咲く季節になりました」

2021年12月06日 | 写真
毎年今頃になると家内とシクラメンの鉢植えを買いに行きます。つぼみが次々と咲き、来年の4月末まで楽しめます。
栽培農家へ買いに行ったりしましたが、数年前からコーナンの三鷹店へ買いに行くことにしています。品質が良くてみずみずしい花が沢山並んでいます。
今日は先日撮ってきたシクラメンの花々の写真をお送りいたします。お楽しみ下さい。




「老境になると蕎麦の味と、種々の宗教の違いが分かる」

2021年12月06日 | 日記・エッセイ・コラム
蕎麦の美味しさがわかる人は粋な人という考え方もあります。種々の宗教の奥深さがわかる人は知恵のある人です。若い人でもどちらも分かる人もいます。しかし人間は老境になるとどちらも自然に分かるようになります。私も特に勉強しませんでしたが年老いると自然にそうなったのです。運良く長生き出来たことに感謝しています。
そんな事なので今日は蕎麦の美味しさと宗教の違いや奥深さについて書いてみます。宗教の奥深さとはあまり抽象的過ぎますので、一例として妙見信仰だけを取り上げて書き進めて行きます。
私は若い頃は蕎麦やうどんはお米のご飯の代用食という固定観念を持っていたのでなるべく敬遠していました。戦中、戦後の食料難の時代を経験しているので、白いご飯にあこがれていたのです。お米の代用食はそば、うどん、じゃがいも、さつまいも、コーリャン、などなどでした。
ところが東京に住みはじてみると蕎麦の味がわかる人を尊敬する文化があるのです。これには少なからず驚きました。江戸時代のなごりでしょうか。
通ぶってつゆを少しだけつけて蕎麦を粋に食べる人もいます。そして美味しい蕎麦の打ち方について薀蓄を披露するのです。
蕎麦の栽培地と天候による味の相違、石臼で挽くときの速度、粉の練り方、打ち方、切り方、ゆで方、などについていろいろ聞きました。ですから美味しい蕎麦のつくりかたの理屈はすっかり暗記しています。
しかしソバは所詮ソバに過ぎません。鰻の蒲焼、黒毛和牛のステーキにはかないません。はっきり言えばまずい食品です。それが証拠には美食趣味の京都、大阪の人々はあまり尊重して食べません。箱根の関から西の方ではソバは主流でないのです。
ところが70歳を過ぎた頃から蕎麦が美味しいと感じるようになってきたのです。美味しいと言われている蕎麦屋を訪ねたり、現在は一週間に一度は信州の生蕎麦を買ってきて、ザルソバで食べています。
深大寺の門前には美味しい蕎麦屋があります。相模湖のそばにも「喜庵」という美味しい蕎麦屋があります。よく行った店なので「喜庵」の3枚の写真を示します。以前家内が撮った写真です。主人が箱根駅伝に4回出場した駒澤大学の選手だったと聞いて、ランニングが趣味の彼女はたいそう喜んでいました。
1番目の写真は「喜庵」の主人が蕎麦をを茹でている場面です。
2番目の写真は「喜庵」の店内風景です。

3番目の写真は「喜庵」のザル蕎麦とモリ蕎麦です。
老境にいたると好みの料理も変化しますが、ものの見方や考え方も変わります。
特に宗教の奥深さが少しずつわかってきます。宗教を信じればご利益があり、幸せになれるという段階の奥に、自己中心の世界ではなく神中心の宇宙が広がっていることが分かるようになってきます。
人間の小さい存在が感じられます。そして自分の人生は一朝邯鄲の夢に過ぎないと実感できるのです。

宗教の奥深さの一例として次に妙見信仰をご紹介したいと思います。
この信仰は道教の北極星(北辰)と北斗七星に対する信仰であり、日本では仏教と混淆し、北辰妙見菩薩に対する信仰に変化したのです。
この北極星信仰は、その動かない星が北の空にあって宇宙の全てを支配する最高神すなわち天帝として崇める宗教なのです。そして北斗七星は天帝の依頼を受けて人間の行状を監視し、その生死や禍福を支配しているのです。
下の写真に北極星の写真と北斗七星とカシオペア座と北極星の位置関係を示しています。

4番目の写真は北極星と北斗七星の位置を示す図です。
この妙見信仰は推古天皇のころ日本へ入ってきたと言われています。
奈良の明日香にある高松塚古墳の天井に北斗七星が描かれ、北壁には北極星の象徴である玄武像(カメと蛇が絡み合った像)が描かれていたのは日本へ北極星と北斗七星の信仰が入ってきた証拠と言われています。
正倉院の御物にも北斗七星が描かれているので奈良時代には北辰信仰が入っていたと考えられています。
この北辰信仰が時代とともに仏教と混淆して、妙見信仰へと変化していったのです。
私的なことで恐縮ですが、私の祖父が住職をしていた兵庫県の曹洞宗の正林寺に行くために何度も乗った能勢電鉄の終点が能勢の妙見さんでした。本尊さんは北辰妙見菩薩なのです。
その関係で能勢の妙見さんのことは昔から知っていた懐かしい場所なのです。
この妙見信仰のお寺は能勢氏が1600年頃に建立したものです。そして能勢氏は日蓮宗の信者だったので法華経の守護神の北辰妙見菩薩をご本尊にしたのです。
私の住んでいる小金井市の近所の稲城市にこの妙見信仰の寺があります。
私が撮って来た写真を2枚示します。

5番目の写真は北辰妙見尊を祀る神社の鳥居と北辰妙見寺の山門の写真です。

6番目の写真は本堂です。この北辰妙見寺は天台宗のお寺になっています。

今日は老境になると蕎麦の味が分るようになり、宗教のことも深く理解出来ることを書きました。宗教の一例として妙見信仰を説明いたしました。

それはそれとして、今日も皆様の心の平和とご健康をお祈り申し上げます。後藤和弘