後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

「日本の歴史(5)弥生時代を明快に示す吉野ケ里遺跡」

2023年01月01日 | 日記・エッセイ・コラム
吉野ヶ里遺跡は、佐賀県神埼郡吉野ヶ里町と神埼市にまたがる吉野ヶ里丘陵にある弥生時代の遺跡です。この遺跡は弥生時代の人々の生活を具体的に示す貴重な遺跡です。部落の間の戦いの様相も示しています。吉野ヶ里遺跡の特徴は集落同士の戦いの防御の備えを持った遺構であることです。
弥生時代後期には外壕と内壕の二重の環濠ができ、V字型に深く掘られた総延長約2.5キロメートルの外壕が囲んでいる範囲は約40ヘクタールにもなります。壕の内外には木柵、土塁、逆茂木といった敵の侵入を防ぐ柵が施されています。

大きな外壕の中に内壕が2つあり、その中に建物がまとまって立てられています。北の集落は北内郭、南の集落は南内郭と呼ばれています。
弥生時代の竪穴建物、祭祀のための高床建物などがあります。祭祀が行われる主祭殿、東祭殿、斎堂なども内郭の中で見つかっています。また、食料を保管する高床倉庫、貯蔵穴、土坑、青銅器製造の跡なども発掘されました。
多数の遺体がまとまって埋葬された甕棺、石棺、土坑墓は、住民や兵士などの一般の人の共同墓地だと考えられます。

発掘された甕棺の中の人骨には、怪我をしたり矢じりが刺さったままのもの、首から上が無いものなどがあり、当時の戦いのすさまじさが見てとれます。また、ガラス製の管玉などの装飾品が一緒に埋葬されたものも多く見つかっています。
多数の土器、石器、青銅器、鉄器、木器が出土しています。勾玉や管玉などのアクセサリー類、銅剣、銅鏡、織物、布製品などの装飾品や祭祀に用いられるものなど沢山の遺物が出て来ました。1998年には銅鐸も遺跡の周辺部で発見されました。
この貴重な吉野ヶ里遺跡の写真を示します。

1番目の写真は主祭祀殿と王の家です。

2番目の写真は共同で煮炊きを行うための建物です。
吉野ヶ里遺跡では竪穴住居内の炉から煮炊きをした痕跡が見つかっていません。南内郭では竪穴住居の脇に小型の掘立柱建物が数棟見つかっており、これが共同で煮炊きを行うための建物であったと考えられています。

3番目の写真は高床式の穀類の倉です。

4番目の写真は吉野ケ里遺跡から出土した多数の生活用具です。

5番目の写真は吉野ケ里遺跡から出土した甕棺です。

弥生時代の終わりは3世紀頃です。3世紀は「古墳時代」の始めでもあります。邪馬台国では男子はみな顔や体に入墨を施していなました、人々は朱や丹を体に塗っていました。そして男子は冠をつけず、髪を結って髷をつくっていて女子はざんばら髪でした。着物は幅広い布を横で結び合わせているだけでした。
吉野ケ里に住んでいた当時の人々はそんな暮らしをしていたのです。

さて最後に稲作が始まった弥生時代の吉野ケ里遺跡を総括しておきます。
弥生時代になると紀元前4世紀頃には、吉野ヶ里丘陵の中に集落が形成され始め、これが大規模な集落へと発展することになったと考えられます。

初期には、吉野ヶ里丘陵のところどころに分散して「ムラ」ができ始めました。また、南のほうの集落に環濠が出現します。

中期には、吉野ヶ里の丘陵地帯を一周する環濠が出現すます。集落が発展していくとともに、防御が厳重になっていきます。
また墳丘墓や甕棺が多く見られるようになります。大きな墳丘墓になると南北約46メートル、東西約27メートルの長方形に近い墳丘で、高さは4.5メートル以上あったと推定されています。14基以上の甕棺を埋葬しているものもあり後期には、環壕がさらに拡大し、二重になるとともに、建物が巨大化します。3世紀ごろには集落は最盛期を迎えました。

後期には、環壕がさらに拡大し、二重になるとともに、建物が巨大化し、3世紀ごろには集落は最盛期を迎えたのです。北内郭と南内郭の2つの内郭ができ、文化の発展が見られます。
甕棺の数などから推測しておよそ1,200人、吉野ヶ里を中心とするクニ全体では5,400人くらいの人々が住んでいたと推測されます。

吉野ヶ里墳丘墓のルーツは、朝鮮半島を経由せずに中国江南もしくは山東半島から北部九州に直接伝わったとする研究があります。吉野ヶ里遺跡は中国とも関係があったのかも知れません。

今日は稲作の始まった弥生時代の代表的な遺跡として有名な吉野ヶ里遺跡をごご紹介いたしました。縄文時代、弥生時代、古墳時代、飛鳥時代と続く、その中の弥生時代の人々の生活の様子をご紹介いたしました。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

「カトリック教会、2023年元旦のミサ動画配信」

2023年01月01日 | 日記
カトリック教会、2023年元旦のミサ動画配信は以下の通りです。

2023年  元日 10時『神の母聖マリアの主日』のミサ

カトリック関口教会、
https://www.youtube.com/watch?v=3vFOo-MvtKk

聖イグナチオ教会
https://www.youtube.com/watch?v=u8wzAUf8O-M


今日教会に行かない信者の方々はこの動画配信のミサにご参加なられるのも良いと存じます。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。後藤和弘(藤山杜人)

写真はローマのバチカンにあるサンピエトロ寺院です。サン・ピエトロ大聖堂はカトリックの本山です。創建は4世紀。現在の聖堂は2代目にあたり、1626年に完成したものです。

後の3枚の写真は今日の関口教会のミサ風景です。