近ごろ巷で気になるもの

ちょっとこの間少し早めに帰宅したんです。
まあ珍しく仕事が済んだもので。
まだ夕日が明るい時間でしたね。
私鉄の駅に降りたんです。

ふだんは人通りも多くて。
でもまだ帰宅ラッシュではない。
駅前の広場は、といってもささやかなベンチが二つばかり並んでいて。
ぐるりと丸いベンチもあるくらいの、
もうただ通り過ぎるためのスペースてな空間で。

私、改札を出て階段を下りてきました。
目の前がスーパーですから、ちょっと寄り道でもと思って
すると、賑やかな声が聞こえてくるんですな、下から。
今の時間、いったいなんだろう？
ふと見ると、私よりももっと年取った連中が（人たちが）
大声で話しているんですな、そのベンチのところで。
お酒を飲みながら、つまみを食べながら。
まあ楽しそうにクダをまいているんです。

オイオイ、今の時間からそんな飲んでどうするの皆さん！
そうか。この間、駅前にある空き店の前でたむろっていて
近所のからの苦情でしめだされた連中（人たち）か！
今度はここで酒盛り・たむろですか！
苦虫をつぶしたような、通行人の目線も何のその。
４、５人で実に盛り上がっていましたね。

昔は、中学生・高校生連中がタバコを吸ったり、
缶ジュース飲み散らかしたり、
コンビニ食品を食い散らかしたり、
唾を吐いたりで、
実にどうしようもない光景がありましたが。
今や、「不良」老人が行くあてもないままなのかどうだか、
夕方から騒いでいる。

そういう光景を目撃して思いました。
これからはこういう連中が増えてくるぞ、と。
福祉だか、何だか分からないが、年金も含めて、
いったいどう面倒を見ていくのか。
昨今、声高に叫ばれる、老人医療に関わる「自己責任」論。
賛成しがたい私も、「ちょっとオタクたち」と言いたくなりました。
でも殺されたらイヤですから、見て見ぬ振りをして、通り過ぎました。

実は、昨日、またまた、そういう光景を見ました。
都内でも有数の乗降客を誇る、ＪＲ駅前。
そうとう広いバス広場の片隅のベンチで、
老人たちが酒を酌み交わし、大声でしゃべっていました。
座りきれない連中は、どっかりと地べたに腰を下ろして。
実は、午後３時過ぎの光景でした。

そこは、大きなデパートに通じる人通りの
激しい通りの片隅でした。
「棄民政策」なのか「自分から選んだ道」なのか、
はたまた何が彼らをしてそうさせたのか？
けっして他人事ではない心境になりました、定年間近の私には。