夏中、手に入れた築60数年の古民家の壁塗りに没頭。珪藻土を平たい板に載せ、鏝と刷毛で塗る。その作業にいそしみながら、来し方行く末を慨嘆する。結婚、というより妊娠願望で見る、今更ながらの夢と現実。40半ばの女性。
何しろ珪藻土というのは、灰白色のどろりとした美肌クリームのごとき土。古き地肌をそれできれいに上塗りしてみようというのだから、いやでも、上塗りの下の下地が否応なしに見えてくる。拒絶も含めて、自らの生き様(まさに「イキ」ざま)を振り返るしかない。あの分野での「イッ」たことがないこともついつい愚痴になり、居直りになり、はたまたなにクソ! とうそぶいてみる。
親戚だかなんだかのもうろくじいさんとの奇妙な、互いに干渉しない、といっても「子づくり」実行計画を目論んでいる「おばさん」・主人公との間で、はたしてどう展開していくか?
読者の関心をよそに、自らの世界に没入していく、まさに女性「自身」の生き方。小気味いいのか、やけなのか・・・、読者も自分(作者)をも迷夢に巻き込みながらのおもしろさ。これこそが、大道さんの真骨頂ですね。
何しろ珪藻土というのは、灰白色のどろりとした美肌クリームのごとき土。古き地肌をそれできれいに上塗りしてみようというのだから、いやでも、上塗りの下の下地が否応なしに見えてくる。拒絶も含めて、自らの生き様(まさに「イキ」ざま)を振り返るしかない。あの分野での「イッ」たことがないこともついつい愚痴になり、居直りになり、はたまたなにクソ! とうそぶいてみる。
親戚だかなんだかのもうろくじいさんとの奇妙な、互いに干渉しない、といっても「子づくり」実行計画を目論んでいる「おばさん」・主人公との間で、はたしてどう展開していくか?
読者の関心をよそに、自らの世界に没入していく、まさに女性「自身」の生き方。小気味いいのか、やけなのか・・・、読者も自分(作者)をも迷夢に巻き込みながらのおもしろさ。これこそが、大道さんの真骨頂ですね。