西表島の北の海上に浮かぶ鳩間島は、直径1.0km程の楕円形の島で最高地点は標高31.4mである。島の 基盤を成す地質は八重山層群の砂岩で、島の周辺を隆起珊瑚礁(琉球石灰岩)が取り巻いている。島の中央 部だけがポコッと高くなった鍋ぶたみたいな形をしている。西表島に面した集落周辺以外は、殆ど荒れ地でア ダン・ソテツ・オオバイヌビワその他諸々の亜熱帯の林である。島の人口は50人程度とのことであるが、何で生 計を立てているのかは解らない。2005年に放送されたテレビドラマ「瑠璃の島」で一躍有名になったが、其れ まではナンにも無い過疎の島であった。
島の最も高い所、鳩間中森へ続く道でこの上に鳩間灯台が建っている。途中には鬱蒼とした茂みの中に佇 むウタキが有る。そもそも鳩間島の歴史は、元禄十五年(1702年)黒島からの強制移住によって始まる。当時 百五十人が移住してきたらしが、元よりこんな小さな島で自活出来る訳もなく、対岸の西表島へ小舟で出かけ 田畑を耕作していた。今でも島内に耕地が無いのはその時からの名残か?
復元された物見台、標高31.4mの三角点はこの下に有る。
物見台の上から島の北方を見る。何もない林が続いているのみ。
島の南側には西表島がすぐ近くに見える。西表島はやはり大きな島である。
鳩間灯台越しに見る西表島。