ビーチロック(海浜岩)とは、奄美大島以南の島々の海岸線に分布する琉球列島特有の岩石で、海水の蒸 発に伴い海水中の炭酸カルシュウムが結晶化し、周りの砂や砂礫を固めて出来たものです。したがって琉球 列島の様に、日差しが強く気温が高い潮間帯に形成されます。この写真では、手前の海藻の付いた緑色の部 分と、奥の一段高くなった黒色の部分に分かれています。手前は現在形成中のビーチロックで、奥の部分は 成長の止まった離水ビーチロックです。海水準の変動か地盤の隆起により、現在の潮間帯よりも高い位置に 分布しています。
離水ビーチロックを近くで見るとこんな感じで、砂浜に打ち上げられたシャコ貝の殻などを取り込み岩石化し ています。中にはコカコーラのビンを取り込んで固化したビーチロックが有ったそうです。すなわち数十年で形成さ れるものも有るということです。琉球列島のビーチロックは、7500年前から現在の間に形成されたことが解って います。ビーチロックの分布標高と形成年代が解れば、海水準変動または地盤の隆起沈降の変遷を知ること が出来るのです。
ビーチロックと琉球石灰岩の表面の様子を比べたものです。明らかに違う種類の岩石であることが解ると思 います。こんど沖縄方面へ行かれる方は、ビーチロックの表面を丹念に観察してみて下さい。もしかしたら、貝 殻以外の何か人工物を発見出来るかも知れませんよ。