人外花境

暇人の何でも自然観察日記

主に野歩き山歩き.たまに旅歩きの写真ブログ

旅する心とは

2008年10月20日 | 今日の雑感雑記

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近所の散歩で見掛けた青空に映えるツルウメモドキです。

赤坂憲雄の「岡本太郎の見た日本」の中に、こんな一文があった。(依然、太郎にハマッテます)

「獲物をもとめての、たえざる移動は、無限につづく『未知の世界への探検』となるだろう。

そうして不安・孤独・偶然といった要素が、(縄文時代の)狩猟民の世界観の土台になっている」

(  )内は筆者挿入

おやおやこれは、獲物を知と、狩猟民を旅人と書き換えれば、一人旅に出る者の心境と

同一ではないかと思ったりしました。

一方で「(弥生時代の)農耕民の世界観は、安定と均衡、節度と従順、必然と依存の

意識といったものに支えられている」とも書いている。

これも、農耕民を現代の日本人と置き換えれば、飼い慣らされた羊たちが狭いオリの中に

閉じこめられている様な、閉塞感に満ちた現代日本社会と同じじゃないかと思います。

「旅とは、現実からの逃避である」とはよく言いますが、その本質は

農耕民的世界から狩猟民的世界への回帰、弥生的なるものから縄文的なるものへの、

DNAに刻まれた郷愁にあるのではないでしょうか。

ただし、グルメにショッピング、物見遊山を目的とした団体旅行は範疇にあらず。

あれは江戸時代のお伊勢参りの現代版です。

今日はまだ酔っぱらっておりませんぞ、暇人の戯れ言です、念のため。


月は赤外線で写るか

2008年10月19日 | 自然観察

午前の西の空に残月が浮かんでいた。

ふと、月は赤外線でも写るか試してみたくなった。結果はこの通り。

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フイルターはいつものIR90を使用した。

考えてみれば、900nmは赤外線領域の中ではほとんど可視光に近い部分である。

このフイルターでは、人間の目に見えるものは写るという当然の結果であった。

目に見えない物を写してみたいなぁ~、そのためには赤外線では10μmとか

紫外線では100nmとかの波長領域で撮らなければいけない。

そんな特殊なフイルターは市売されていないし、デジカメのCCDでは無理だろうし。

でもプロの写真家は昔から目に見えない物(写っていない物)を撮ってきた。

写真を通して言外に訴える物である。テクに頼らず、感性を磨けと言う事だろう。


今日の手稲山

2008年10月18日 | 野歩き山歩き

今年の手稲山の紅葉は、昨年と比べればあまり綺麗に紅葉していないが

やはり気になるので様子を見てきた。いつものようにロープウエイ山麓駅から頂上までのコースを行く。

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ゲレンデ周辺は、すっかり葉も落ちて晩秋の気配である。

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頂上は木の間が透けて、アンテナの林と化していた。

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南斜面の岩壁も完全に落葉して、ダケカンバの白い幹が目に付くだけ。

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ヤマハハコがドライフラワーに成っていた。

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なんと驚く事に、コウリンタンポポがまだ咲いていた。

春先から晩秋まで延々と咲いている、本当にシブトイヤツである。

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ロープウエイ山麓駅付近で、枯れ木の林の中にコシアブラだけが葉を残していた。

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この木は葉の黒斑も無く白く透き通り、今まで見た中では一番きれいだった。

北尾根コースはまだ紅葉の盛りの様なので、近々行ってみようかな。


岡本太郎とヘンリー・D・ソロー

2008年10月17日 | 今日の雑感雑記

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 今日は何でしょか、天気が良いのになぜか家でゴロゴロでした。

こんな時は前に一度読んだ本、岡本太郎の「沖縄文化論ー忘れられた日本」と

ヘンリー・D・ソローの「森の生活(ウォールデン)」なんかを読み返ししてました。

 岡本太郎の「沖縄文化論」は、1959年11月から12月にかけての南西諸島の旅について

ソローの「森の生活」に至っては、1845年今から163年前の話である。

 でも何故か、私にとっては新鮮なのです。特にアメリカ発の世界大恐慌が始まるのではないか

なんて言われている昨今においては。

 本当にお金も仕事も無い人は大変だろうが(私も大変だぁ~!)大多数の日本人は

どって事無いんじゃないの、食い物が無くて三日後に飢え死にする訳じゃないんだから。

 そんな時この二冊は、いかに現在の日本人が物質的に恵まれており、

精神的に貧しいかを知らしめてくれます。生きていれば、どうだっていいんじゃないの。

 いえいえ、唯の酔っぱらいの戯言ですから、気にしないで下さい。

 眠れない夜は、ほの暗いランプの光の元で水割りなんてのを一杯、これ結構効果が有ります。

視床下部を暗闇に慣らしてから眠りに付く、一度試してみて下さい。


コシアブラ

2008年10月16日 | 野の花山の花

ウコギ科コシアブラ(別名:アブラホウ or ゴンゼツ)の黄葉が見頃の季節となりました。

今年の手稲山の紅葉はパットしないので、朝里峠へ見に行く。

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小雨のせいで病気が発生したのか、斑点が出てイマイチ綺麗でありません。

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コシアブラの黒熟した実です。

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写真では良く解らないので、葉を採ってきてスキャンしてみました。

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その他色々紅葉のスキャン画像です。


神仙沼

2008年10月15日 | 今日の雑感雑記

今日も新ネタが無いので、昨日のニセコ神仙沼です。

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神仙沼の名前の由来は、神仙が住むに相応しい人里離れた幽玄の地であることから命名された。

であるが、昨今の神仙沼からは当の昔に神や仙人は逃げ出しています。

大型観光バスがドカドカ横付けされ、大量の俗人を吐き出す様ではとても仙人の住める

環境では有りません。

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たまたま俗人の居ない風景の一部を切り取って見れば、「旅に病み 夢は枯れ野を駆けめぐる」

芭蕉の一句でも浮かんでくる状景なのでは有りますが。

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仙人とは、不老不死の仙術を会得し、深山幽谷の地で天上界と俗世間の狭間に生きる者

てなイメージが有るのですが、昔は結構彼方此方に居たと思いますよ。

三丁目の横町に住む半分モーロクしたご隠居さんも仙人だったし、

人様に迷惑掛けず、極貧の身に甘んじ花鳥風月と共に我が世を生きるホームレスみたいな

人も仙人だったし、たとえば種田山頭火なんて人も仙人ですよね。

一面かなりいい加減な人でもあったらしいですが。

環境問題とは、レジ袋を一枚5円で売る事ではありません。

いい加減な人でも、人畜無害なら笑って許せる社会、仙人が巷に住める環境こそが

真の環境に良い社会なのだと思います。以上ビンボー人の戯れ言でした。


ニセコの山は枯れ木の山だった

2008年10月14日 | 野歩き山歩き

昨日今日とニセコの山へ紅葉を見に行こうと、友人のAさんと一泊で出かけた。

紅葉については、以下の通り惨敗であったが、ニセコ山の家の露天風呂は極楽極楽!!!!。

従業員曰く「湯加減を間違えたのでぬるかったでしょ」、何と何とそれが正解。

とろける様な白濁した硫黄泉の温湯(ぬるまゆ)に浸かり、眺める朧月は至福の一時でした。

山歩き・温泉・冷たいビール、これはオジサン世代の三点セットです。

今日も昨日も、山で厚化粧したハイパーオバサン軍団と沢山すれ違いました。

A氏曰く「オヤジ二人が山登り・温泉・ビール飲んで寝るだけ、ちょっと色気が無いな」

仰せごもっとも、此は此で今後の検討課題ですな。

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目国内岳、すでに紅葉のコの字も有りませんでした。

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ニセコアンヌプリ、ダケカンバは枯れ木同然。気温7度で風が強く寒かった。

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イワオヌプリから西へ続くニセコ連峰。

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神仙沼湿原は一面の枯野、それでも団体客がゾロゾロと。

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下界には辛うじて紅葉が残っていました。


乙女の滝とビロードモウズイカ

2008年10月12日 | 野の花山の花

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午後から天気が良くなったので、裏山の乙女の滝まで散歩。

十月中旬の乙女の滝です、乙女の滝は北向きなのであまり絵に成らない。

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ビロードモウズイカの花がまだ咲いていた。何処にでも咲いている巨大なやつだが。

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アップで見れば花名の由来、確かにビロードモウズイカ(ビロード毛蕊花)ですね。

葉や花にビロードの様な繊細な毛が生えている。ヨーロッパ原産の外来種です。


岩に刻まれた自然の造形

2008年10月12日 | 自然観察

今日も新ネタが無いので過去ネタブログです。

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①北海道奥尻島の鍋釣岩、そばへ行ってトンカチで叩いた事無いが、安山岩の貫入岩が

  風化浸食されて出来たものらしい。南西沖地震でよくもまあ倒れなかったと感心する。

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②ニセコ連峰の南にある昆布岳のメガネ岩、板状節理の発達した安山岩が剥がれ落ち出来た。

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③沖縄本島万座毛のゾウの鼻、琉球石灰岩の海食洞。

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④宮古島の砂山ビーチ、同じく琉球石灰岩の海食洞。

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⑤穴は穴でも南大東島の星野洞、ここの石筍は純白で美しい。

  赤道付近で堆積した珊瑚礁石灰岩が、フイリピン海プレートに乗ってドンブラコと移動してきた。

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⑥道南江差鴎島の瓶子岩(へいしいわ)、よくもまあこんな不安定な岩塊が倒れず残っているものだ。

  新第三紀の海底火山の噴出物か。

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⑦与那国島の立神岩(たちじゃみいわ)、新第三紀中新世の八重山層群の砂岩が浸食され残った。

  昔此処に二人の漁師が登って降りられなくなった、てな伝説が有るらしいが、登れる?

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⑧大雪山系北海岳の御鉢平に面した斜面の溶岩。 イノシシの顔に見えたが、名前は無い様だ。

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⑨座間味島の中生代から古第三紀の粘板岩中に発達した砂岩の層内褶曲。

  硬い岩石も、時の力の前では水飴同様の良い例である。

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⑩西表島南風見田の浜の風食を受けた八重山層群の砂岩。


昔の有珠山

2008年10月11日 | 写真

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1977年の噴火以前の有珠山です。

この時は、札幌市内でも硫黄の臭いのする火山灰混じりの雨が降ってきました。

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先だっての有珠山です。

写真を撮る方向が違うので、何処がどう変わったのか良く解りませんが。