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安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

今村翔吾著「幸村を討て」(中央公論新社)が面白い。

2022-04-15 19:30:00 | 読書

直木賞を受賞した今村翔吾さんの著書が本屋に積んであったので、その中から「幸村を討て」に興味が湧き購入しました。

 

   

表紙

(著者略歴)

1984年京都府生まれ。2018年、デビュー作『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』で第7回歴史時代作家クラブ賞を受賞。「童神」で第10回角川春樹小説賞を受賞し、『童の神』と改題された同作は第160回直木賞候補になった。20年『八本目の槍』で第41回吉川英治文学新人賞と第8回野村胡堂文学賞を受賞。『じんかん』が第163回直木賞候補になるとともに、第11回山田風太郎賞を受賞。22年『塞王の楯』で第166回直木賞を受賞。

(帯裏にある本書紹介)

亡き昌幸とその次男幸村―何年にもわたる真田父子の企みを読めず、翻弄される諸将。徳川家康、織田有楽斎、南条元忠、後藤又兵衛、伊達政宗、毛利勝永、ついには昌幸の長男信之までもが、口々に叫んだ。「幸村を討て!」と。戦国最後の戦いを通じて描く、親子、兄弟、そして「家」をめぐる、切なくも手に汗握る物語。 

(感 想)

大坂冬の陣と夏の陣を舞台に、真田幸村を巡る物語が展開されます。幸村と信之が真田家を守り、後世に名を残そうとする暗躍が物語の筋ですが、その描き方は、取り巻く徳川家康、織田有楽斎、南条元忠、後藤又兵衛らの視点から記述されていて、それが新鮮です。

真田家というのは小説家にとって、すごく魅力のある戦国大名だというのを今更ながら感じました。池波正太郎には『真田太平記』があり、今度は今村翔吾作『幸村を討て』が著され、真田幸村らを取り上げられるのは、僕にとっても親しみが湧き、嬉しい。

幸村の子どもを伊達政宗が保護する記述がありますが、これは一部史実で仙台真田家につながります。その辺りも今村さんが書いてくれたらと期待しています。後藤又兵衛由来の又兵衛桜もでてくるなど、エピソードも豊富で、読み応えがありました。

(平安堂長野書店の今村翔吾コーナー)

   

【後藤又兵衛所縁の又兵衛桜 (奈良県宇陀市)】

奈良県宇陀市のホームページからお借りした写真です。