安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

映画「グリーンブック」(DVD)を観ました。ストーリーや演技に加え、音楽も素晴らしい。

2022-10-26 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

最近、日の沈むのが早くなり、たまに早く帰宅しています。在宅時間が長いので、映画を観ようと「グリーンブック」(DVD)を借りてきて、改めて見たので、感想を記します。以前、ブロ友のdukeさんに教えていただいた映画です。

   

(あらすじ)

1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、クラブが改装のため閉鎖になり、無職になったので、南部でコンサートツアーを計画する黒人ピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけるシャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。出自も性格も全く異なる2人は、衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。

(監督・主な出演者、受賞など)

監督:ピーター・ファレリー
トニー・リップ:ヴィゴ・モーテンセン
ドクター(ドン)・シャーリー:マハーシャラ・アリ
ドロレス(トニー・リップの妻):リンダ・カーデリニ

この映画は、2018年に公開され、アカデミー賞の作品賞、脚本賞、及び助演男優賞(マハ―シャラ・アリ)を受賞し、主演男優賞(ヴィゴ・モーテンセン)、編集賞にノミネートされました。

(感想など)

実話を元にしたストーリーで、アメリカ南部へのコンサートツァー中に二人の友情が育まれ、最後まで目が離せない、心温まる映画でした。1962年という時点ですが、イタリア系白人家庭は、大家族で食事をともにするなど、家庭を大事にしている様子にも打たれました。

音楽にも感心しました。音楽担当は、クリス・バワーズ(Kris Bowers)で、映画中のピアノ演奏も彼によるものです。最後の方のレストランの場面で、ドン・シャーリ―が、求めに応じてショパンのエチュード「木枯らし」を演奏し、そこからジャムセッションが始まるところは感動しました。

車の中で、リップとシャーリーの二人がケンタッキー・フライド・チキンを食べまくる場面や、リップが妻のドロレスに旅先から送る手紙をシャーリーが直し、最後にそれがばれていたとわかる場面など、ユーモアセンスもあって、物語を明るくしています。

(映画の場面から)

ナイトクラブ「コパカバーナ(Copacabana)」の場面。ボビー・ライデルが出演中。コバカバーナは、一流の歌手が出演し、ボビー・ダーリン、サム・クック、ザ・シュープリームス、マーヴィン・ゲイがライブアルバムを録音しています。

グリーンブックを手渡される場面

タンタッキー州に入り、車の中でフライドチキンを食べる場面。ドン・シャーリーは、リップのすすめに、初め嫌がっていたが、レストランでも食べるように。ケンタッキー食べたくなる場面です。

演奏するピアノトリオ。音楽は、クラシック寄りのジャズといった感じで、サロン的なものです。

暴行を受けたシャーリーをリップが救い出す場面。

白人のレストランで食事をとらせてもらえないので、演奏を拒否し、黒人専用レストランに向かいます。

ここでも、フライドチキン。

ウェイトレスのリクエストで、ピアノを弾くドン・シャーリー。ショパンの「木枯らし」ですが、拍手喝さいでした。

お店のバンドが入り、セッションへ。ピアノも軽快にロックンロールしていました。

クリスマスイブの夜、リップが疲れて寝てしまい、ドンが運転してニューヨークに到着。リップの申し出に、メリー・クリスマスと応えて、立ち去るドン。

クリスマスイブを祝うリップの家族。兄弟などが集まったものと思います。イブの場面では、フランク・シナトラの歌う「Have Yourself A Merry Little Christmas」が流れていました。

妻のドロレス。

ドン・シャーリーが訪ねてきたので、出迎えたリップ。

実際のドン・シャーリーは、ボストン・ポップス・オケ(ボストン交響楽団)やシカゴ交響楽団と共演したピアニストですが、黒人がクラシックコンサートで成功するのは難しく、ジャズ的な演奏で成功を収めました。

【映画「グリーンブック」公式サイト】

映画『グリーンブック』公式サイト (gaga.ne.jp)