書店で新書の棚を見ていたら、澤 和樹著「教養として学んでおきたいクラシック音楽」が目についたので購入しました。
表紙。
(著者紹介)
1955年和歌山市生まれ。1979年東京藝術大学大学院修了。ロン=ティボー、ヴィエニアフスキ、ミュンヘンなどの国際コンクールに入賞。イザイ・メダル、ボルドー音楽祭金メダル受賞など、ヴァイオリニストとして国際的に活躍。1990年澤クヮルテット結成。1996年指揮活動開始。2004年和歌山県文化賞受賞。東京藝術大学音楽学部教授、音楽学部長を経て2016年4月より東京藝術大学長。英国王立音楽院名誉教授。
(内容の紹介)
クラシック音楽は、とても良いものです!
格調高い音楽を、もっと知りたい、その知識を深めたいという期待にお応えできるように、ヴァイオリニストで東京藝術大学の学長である、澤 和樹先生にわかりやすく、楽しく、解説していただきました。
演奏者としてのご自身の経験と教育者としてのお考えも踏まえたうえで、クラシック音楽の美しさ、楽しさ、すばらしさを、この本を通じてご理解いただける一冊になっています。
【大まかな目次。著者が挙げられたもので、azuminoが聴きたい曲・演奏者】
第1章 クラシック音楽とは何か?
第2章 おすすめクラシック音楽・名曲カタログ ~バロック・古典派編~
バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲
モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番・第21番、ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲
第3章 クラシック音楽家として生きるということ
第4章 おすすめクラシック音楽・名曲カタログ ~ロマン派から近現代音楽まで~
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲
チャイコフキー:弦楽セレナーデハ長調
フランク:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ
ビゼー:交響曲ハ長調
ドビュッシー:映像(ピアノ曲・管弦楽曲)
ラヴェル:ダフニスとクロエ
第5章 演奏会に行ってみよう
第6章 もっと聴こう、クラシック音楽
「巨匠の名演で聴く」
ヤッシャ・ハイフェッツ(vn) サン=サーンス:『序奏とロンド・カプリチオーソ』
マルタ・アルゲリッチ(p) プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番
カルロス・クライバー(指揮) 全て
管弦楽団 ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、チェコ・フィル(著者お気に入り)、
ロイヤル・コンセルトヘボウ
「注目の若手」
沖澤のどか(指揮)、鈴木優人(指揮)、グスターヴォ・ドゥダメル(指揮)
第7章 これからもクラシック音楽は生き続ける
(感 想)
ヴァイオリニストで東京藝大学長の著者(澤 和樹さん)が、第2章、第4章及び第6章で挙げている推薦曲や演奏家を知って、CD購入の目安にするつもりで読み始めました。それらに加え、第7章の、芸術とクラシック音楽の今後に関する記述が印象いものでした。
第2章や第4章に記された曲は親しみやすいもの中心で、フランクなどフランスの作曲家のものも挙げてあり、嬉しくなりました。第6章では、チェコ・フィルを高く評価していて、同オケのCDを聴いてみたくなりました。指揮者の沖澤さんと鈴木さんの名前が挙がっているので、この二人の活動に注目したい。
第7章は、東京藝大の卒業生の就職対策、音楽を習う子供に対する支援、音楽を医療に生かすなど社会貢献、芸術愛好者を増やすための対策など、現在の取り組みや抱負などが記され、感心するとともに、興味を抱きました。良書です。
(文中の写真から)