安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

アルヴィン・クィーン「FEELING GOOD」、原田マハ著「〈あの絵〉のまえで」(幻冬舎文庫)。

2024-11-30 19:30:00 | ベース・ドラムス

平安堂長野店に寄ったら、原田マハ著「〈あの絵〉のまえで」(幻冬舎文庫)が面白そうだったので購入。収録された6つの短編は、それぞれ心温まる爽やかな作品でした。爽やかな新作CDです。

ALVIN QUEEN (アルヴィン・クィーン)
FEELING GOOD (STUNT 2023年録音)

   

アルヴィン・クイーン(ds, 1950年生まれ)は、オスカー・ピーターソン(p)やダスコ・ゴイコヴィッチ(tp)との共演で知られるドラマーです。僕は、彼のプレイはかなり好きで、現在でも新譜が出ると購入しています。本作は、2023年9月録音のピアノ・トリオ作品です。

メンバーは、アルヴィン・クイーン(ds)、カールトン・ホームズ(p)、ダントン・ボラー(b)。ホームズ(p)は、1960年生まれ、マンハッタン音楽院出身で、演奏に加え、映画やテレビの音楽を作曲し、チャーリー・パーシップ(ds)やフレディ・ハバード(tp)、スティーヴィー・ワンダーらと共演。

(英文表記)Alvin Queen(ds)、 Carlton Holmes(p)、 Danton Boller(b)。

曲目は次のとおり。

1  Out of This World (Harold Arlen,  Johnny Mercer)
2  It Ain't Necessary So (George Gershwin,  Ira Gershwin)
3  Waltz For Ahmad (Jack Wilson)
4  Bleecker Street Theme (Ceder Walton)
5  Love Will Find A Way (Bedria Sanders)
6  The Night Has A Thousand Eye's (Gerry Brainin,  Buddy Bernier)
7  Spartacus Love Theme (Alex North,  Terry Callier)
8  Feeling Good (Anthony Newley,  Leslie Bricusse)
9  Firm Roots (Cedar Walton)
10  Send In The Clowns (Stephen Sondheim)
11  Falling In Love With Love (Richard Rodgers,  Lorenz Hart)
12  Someone To Watch Over Me (George Gershwin, Ira Gershwin,  Howard Dietz)
13  Three Little Words (Harry Ruby,  Bert Kalmar)
ジャック・ウィルソン作「Waltz For Ahmad」、シダー・ウォルトン作「Blecker Street Theme」と「Firm Roots」、ファラオ・サンダースの奥様のベドリア・サンダース作「Love Eill Find A Way」の4曲はジャズオリジナル、その他は、スタンダード曲といって良い曲です。

ピアノトリオ編成によりスタンダード曲中心の演奏が行われ、アルヴィン・クイーン(ds)が健在ぶりを示しています。「Waltz for Ahmad」では、三者が緊密なプレイを行い豊かな詩情を漂わせ、アップテンポの「The Night Has a Thousand Eyes」やボサノヴァテイストの「Feeling Good」では、クイーンのシンバルやボラーのフォービートが心地よく、「Firm Roots」は、クイーン(ds)のドラムソロから曲がスタートする編曲が面白い。「Send in The Clowns」におけるホームズ(p)のクラシカルなアプローチにも注目。

左から、カールトン・ホームズ(p)、アルヴィン・クイーン(ds)、ダントン・ボラー(b)。

(参考)本作から「Feeling Good」が聴けます。

Feeling Good

 

【原田マハ著「〈あの絵〉の前で」(幻冬舎文庫)】

   

表紙。表紙の絵は、グスタフ・クリムト作「オイゲニア・プリマフェージの肖像」。

(帯裏にある本書の紹介)

      

(感想など)

久しぶりに原田マハさんの小説を読みました。日本各地の美術館に収蔵されている絵をモチーフとして、それらに関連したエピソードを綴っています。絵そのものというよりも、その絵から勇気づけられたり、その絵の前で再会を果たすなど、物語は、絵を取り巻く人が中心です。

掲載されている6つの小説ともに、読後感は、爽やかです。けれども、母子家庭故に就職に苦労する主人公が登場するなど、一筋縄ではいかない面もあります。それぞれ短編でもありさらっと読め、解説を各地の美術館の学芸員が書いている点が画期的で、購入して良かった文庫本。

(原田マハさんの紹介)