安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ビリー・テイラー I WISH I KNEW

2018-04-15 09:10:53 | ピアノ・トリオ

今月は僕の誕生月で、JA(農協)からお誕生日のプレゼントとして花をいただきました。毎月少額の積み立てを行っているので、それに付帯する特典としていただいたものです。長野県内のJAでは、花卉の集荷・販売も行っているので、その機能を生かして調達した花だろうと思いますが、気持ちも和み、低金利の昨今、いい企画だと感心しました。好企画のライブアルバム。

BILLY TAYLOR (ビリー・テイラー)
I WISH I KNEW (Tower 1967年録音)

   

ビリー・テイラー(1921~2010年)は、多くのアルバムを残したピアニストですが、いづれも穏やかな中庸をいくプレイをしていた印象があります。ところが、Capitolの傍系レーベルであるTowerに録音されたこのライブアルバムでは、ピチピチと跳ね、ファンキーなフレーズを繰り出し、サービス満点のプレイを行っていて、最初聴いたときにはかなり驚きました。

メンバーは、ビリー・テイラー(p)、ベン・タッカー(b)、グラディ・テイト(ds)。テイラーは、弾きまくっていますが、このようにテイラーをもっていったのは、ベースのベン・タッカーかもしれないと想像しました。強靭な黒っぽいプレイを行うタッカー、ブラシでも生き生きとしているグラディ・テイトといいメンバーが集まりました。

曲は、オリジナルが多いです。クレア・フィッシャー作「Pensativa」と「Morning」、ビリー・テイラーの自作が2曲で「I Wish I Knew How It Would Feel to be Free」、「Cag」、ベン・タッカー作「T.N.T」、ルロイ・ヴィネガー作「Hard to Find」、T.Castionという人の書いた「Lonesome Lover」、ボビー・ヘブ作「Sunny」の全6曲。「Pensativa」や「Sunny」は、今ではスタンダード化しています。ヴィネガーの「Hard to Find」は、先週の水曜日にアップしたリロイ・ヴィネガーの「Leroy Walk Again」に収録されている曲です。

えっ、これがビリー・テイラーという驚きの演奏が詰まっていて、ノリの良いプレイが初めから終わりまで楽しめます。「Pensativa」では、ボッサリズムにのり、テイラーが軽快なプレイを行い、右手がよく回っています。テイラー作の「I Wish I Knew」は、ゴスペルムードで掛け声や手拍子が聴こえ、ライブ会場が一体感で包まれているのがわかります。「Hard to Find」も調子よく演奏されますが、ポップスヒット曲「Sunny」はその上をいっているくらいで、グラディ・テイトの繰り出すリズムも弾んでいます。このCDの日本語解説は寺島靖国さんが書いていますが、本作に関しては同感で、ビリー・テイラーのイメージを変えるような愉悦盤です。

【JA(農協)からもらった花】

オプコニカという花です。

花がたくさんついていてよいです。

鉢を回して、方向をかえて撮影。


DOWN BEAT (ジャズ喫茶 横浜市中区花崎町)

2018-04-14 18:03:24 | ジャズ喫茶

横浜市のジャズ喫茶・バーの「down beat」は、1956年から営業を続けている老舗です。開店当時から変わらないであろう店内は、窓がなく薄暗く、比較的大きな音量でジャズが流れていて、往年のジャズ喫茶空間を想い起しました。このような集中してジャズに耳を傾けることのできる空間は、今や貴重です。

スピーカーは「アルテックA7」で、朗々としたなりっぷりで、特に木管楽器の再生がよく、ソニー・スティットの「Stitt's Bits」に聴き惚れました。グランドピアノが置いてあってライブも開催しているようですが、ジャズファンのためにこのままの営業形態で続けてほしいと願いながらお店を後にしました。

ビルの二階がdownbeatになります。

   

階段を上がって右に入口。

店内。天井には、アメリカのジャズ雑誌「downbeat」の切り抜きなどが貼ってあります。

壁にはジャズミュージシャンを描いた絵なども。

アルテックA7

入口を入って右にはカウンターもあります。

ビールを注文しました。まさかの大瓶でしたが、なんとか時間をかけて飲み終えました。すぐ酔うので、僕はお酒に関しては経済的です。

ソニー・スティットの名盤「STITT'S BITS」。すごくよく聴こえて、惚れ惚れ。

続いては、ポール・ブレイの「Introducing」。久しぶりに聴きましたが、オーソドックスなモダンジャズを演奏しています。

 【down beat(ダウンビート)】

住所:横浜市中区花咲町1-43 宮本ビル2F
電話:045-241-6167
ホームページ:yokohama-downbeat.com


三澤洋史著「オペラ座のお仕事」(早川書房)

2018-04-13 20:05:10 | 読書

オペラについては、実際の舞台を観る機会はほとんどないのですが、アリアを中心にCDやDVDで楽しんできました。オペラの舞台裏や一般には馴染のない合唱指揮者という仕事について言及していた本があったので、借りて読んでみました。

   

著者の三澤洋史さんは、2001年9月から新国立劇場で専属の合唱指揮者を務め、1999年から2003年までバイロイト音楽祭で祝祭合唱団指導スタッフとして従事するなど、日本における合唱指揮者の第一人者として知られている方です。また、ミュージカルなどの作曲や台本、演出も手掛けています。

目次が内容をわかりやすく示しているので、掲げておきます。

第1部 こうして僕は指揮者になった 
     第1章 大工の息子が指揮者に  
     第2章 音楽の道へ

第2部 オペラ座へようこそ
     第3章 オペラ座の毎日  第4章 オペラ座のマエストロ 
     第5章 NOと言う合唱指揮者 第6章 燦然と輝くスター歌手

第3部 やっぱり凄かった! 世界のオペラ座
     第7章 聖地バイロイトの想い出 第8章 ベルカントの殿堂ースカラ座 
     第9章 熱い北京の夏ー日中アイーダ

第4部 指揮者のお仕事
     第10章 僕を育ててくれた指揮者たち 
     第11章 世界の巨匠たち、そして理想の指揮者とは?

「オペラ座の毎日」では、ベンジャミン・ブリテン作「ピーター・グライムズ」を例にして、オペラが作られていく過程を垣間見させてくれます。合唱団は、本番1か月前の立ち稽古までには読譜を済ませておくなど、早くから準備をしなければならず、合唱指揮者もその指導に当たる必要があり、たいへんな仕事であるとともに、オペラにおける合唱の重要性が理解できます。

オペラ座のマエストロでは、ネッロ・サンティやリッカルド・フリッツァの逸話や仕事ぶり、著者との友情が描かれ、スター歌手では、フロリアン・フォークトが登場するなど、このあたりはクラシックファンは面白く読めると思います。また、バイロイト音楽祭やミラノ・スカラ座での著者ならではの体験が語られていて、頗る興味深く読みました。

僕を育ててくれた指揮者として、若杉弘さんが登場しますが、パートごとにも演奏させて合わせていくやり方は、副指揮者だった著者の目を見開かさせるものでしたが、オーケストラの音づくりの難しさや面白さが伝わってきました。理想の指揮者として名前が挙がったのは、カラヤンとカルロス・クライバーです。

最後に理想的な指揮者像として、ジャズ分野のトランぺッター、マイルス・デイビスが挙げられたので驚きました。ジャズファンなら喜ぶ記述があるので、その部分を引用します。

『実に細かいサジェスチョンをマイルスは各奏者に出す。「リラクシン」というアルバムでは、美しいメロディーで前奏を弾き始めたレッド・ガーランドのピアノを口笛を吹いて止め、「和音のかたまりでやるんだ」とひとことだけ言う。レッドは考える。そして全く違うイントロを出した時、それに乗って吹き始めるマイルスのミュート・プレイの素晴らしさといったら! このように彼は、自分の言ったことに対して即座に結果を出して見せる。』

【マイルス・デイビスのアルバム「リラクシン」】

僕の持っているのは、日本盤のレコードです。このアルバムに収録されている「You're My Everything」で、三澤さんの指摘するイントロのやり直しが行われています。マイルスはもちろんですが、それにすぐに対応するレッド・ガーランド(p)も素晴らしい。


岡崎好朗(tp)カルテット・ライブ (4月5日 東京TUC)

2018-04-12 20:08:25 | 演奏会・ライブ

4月5日(木)に東京TUCで岡崎好朗(tp)カルテットのライブがあったので聴いてきました。今回の演奏曲目が、「クリフォード・ブラウン特集」ということなので、ワクワクしながら出かけました。

(出 演)

岡崎好朗(trp)
田中菜緒子(pf)
伊藤勇司(b)
井川 晃(ds)

(曲 目)

(第1セット)
1  Hymn of The Orient
2  Jordu
3  De-Dah
4  Portrait of Jenny
5  The Blues Walk

(第2セット) 
1  Daahoud
2  The Scene is Clean
3  Delilah
4  Time
5  Sweet Clifford 
    Joy Spring  (アンコール)

(感 想)

ジャズ史上屈指のトランぺッターであったクリフォード・ブラウンが作曲したり、演奏した曲を取り上げたライブでしたが、思い切りジャズ(ハードバップ)を楽しむことができ、至福の時間でした。岡崎さんは、ベテランの仲間入りをしてきたと思うのですが、トランペットを熱く吹き、真摯な演奏をしていて、音楽に対する姿勢も伝わってきました。

有名曲に交じり、エルモ・ホープ作の「De-Dah」やリッチー・パウエル作「Time」といった少しマイナーな曲も入れて、バランスのいい選曲でした。「Jordu」をトランペットの演奏で聴けただけで嬉しかったのですが、岡崎(tp)、田中(p)ら各人のソロもメロディアスで歌心が出ていました。

前半の最終曲「The Blues Walk」は、アップテンポで、興奮ものの熱演が聴けました。ピアノやドラムスのソロに加え、トランペットとピアノのかけあいなど仕掛けもよかった。第2セットでは、難しい曲だと言って始めた「Daahoud」や僕の好きな「Delilah」をやってくれ、ハードバップとスタンダード曲を存分に聴くことができました。

アンコール曲の「Joy Spring」は季節的にも相応しく、爽やかでした。なお、後半の最初に、「Happy Birthday to You」が岡崎のトランペットで始まり、誰だと思っていたら、ピアノの田中菜緒子さんの誕生日でした。バーステイケーキもプレゼントされ、なごやかな場面もありました。

田中菜緒子(p)、岡崎好朗(tp)、伊藤勇司(b)

伊藤勇司(b)、井川 晃(ds)

夕暮れの東京TUCの入口。お店は地下一階です。

【東京TUC】

住所:東京都千代田区岩本町2丁目16−5 TUCビル
電話:
 03-3866-8393
ホームページ:TokyoTuc.com


リロイ・ヴィネガー LEYROY WALKS AGAIN

2018-04-11 20:01:18 | ベース・ドラムス

先週の日曜日、松川村の温泉施設「すずむし荘」に出かけるのに高瀬川沿いの道を走りましたが、途中、道の駅「寄って停まつかわ」に寄りました。地元産の野菜の直売所がありますが、その一角に、山の写真が印刷されたクリアファイルが置いてあったので購入しました。山の名前を確かめるのに便利そうです。登山・ハイキングは軽快に歩きたいものですが、歩くようにプレイするベーシストのアルバム。 

LEROY VINNEGAR (リロイ・ヴィネガー)
LEROY WALKS AGAIN! (CONTEMPORARY 1962年、63年録音)

   

ベーシストのリロイ・ヴィネガー(1928~99年)は、数作のリーダー作を残していますが、コンテンポラリーレーベルに録音した2作は、西海岸の精鋭を集めたもので、スイングして心地よく気持ちも明るくなるアルバムです。歩くようにリズムを刻んでいますが、数々のセッションに起用されたのも納得できる躍動感が溢れています。

メンバーは、リロイ・ヴィネガー(b)、テディ・エドワーズ(ts)、フレディ・ヒル(tp)、ヴィクター・フェルドマン(p,vib)、ロン・ジェファーソン(ds)、マイク・メルボイン(p)、ロイ・エアーズ(vib)、ミルト・ターナー(ds)。2つのセッションが収録され、リズム陣が日によって異なります。フレディ・ヒルは、ジェラルド・ウィルソン楽団に在団したり、ナンシー・ウィルソン(vo)と録音も残しているトランぺッターです。

曲目は、リロイ・ヴィネガーの自作が3曲で「Hard to Find」、「Subway Grate」、「For Carl」、フレディ・ハバード作「Down Under」、レス・マッキャン作「Restin' In Jail」、ドン・ネルソン作「Motherland 」、テディ・エドワーズ作「Wheelin' and Dealin'」、スタンダード曲の「I'll String Along With You」の全8曲。「For Carl」は、1958年3月17日に29歳で交通事故で亡くなったカール・パーキンス(p)にヴィネガーが捧げた作品。

ゆったりと大きくスイングするリロイ・ヴィネガー(b)のリズムに乗ったグルーヴィーな演奏が楽しめます。テディ・エドワーズ(ts)が好調で、最初の「Hard to Find」からスムーズというよりもハードなプレイ満載。「Subway Grate」におけるエドワーズ(ts)とフレディ・ヒル(tp)のソロやアンサンブルを聴いていると、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズを連想させるような演奏ぶりで、ハードバップ全開です。「For Carl」は、メルボイン(p)が寂し気にメロディを奏でるなど作曲者を含む演奏は、カールに対する想いが一段と籠もっているようです。本作はジャケットもかっこよく、レコードで聴いています。

【道の駅 寄って亭まつかわ】

住所:長野県北安曇郡松川村細野5375-1
電話:0261-61-1200
ホームページ:yottetei

建物全景

建物の裏から望む有明山。

わさびの花

しいたけ

バスが入ってきたようで、お客様でにぎわっています。

   

僕が購入したクリアファイル。山の名前と標高を付した信州の山の写真が印刷されています。