安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

秋山和慶指揮 群響定期。ニールセン:交響曲第4番「不滅」、グリーグ:ピアノ協奏曲(ピアノ/三浦謙司)

2022-04-25 19:30:00 | クラシック演奏会

群馬交響楽団の第577回定期演奏会が、4月23日(土)に高崎芸術劇場で開催されたので、聴いてきました。

   

(出 演)

指揮:秋山和慶
ピアノ:三浦謙司
管弦楽:群馬交響楽団

秋山和慶さんは、1941年生まれで、現在、中部フィル首席指揮者、日本センチュリー響ミュージックアドバイザー、東京交響楽団桂冠指揮者、バンクーバー響桂冠指揮者などの任にあり、世界の一流オーケストラに客演をしている。三浦謙司さんは、1993年生まれ、2019年ロン・ティボー・クレスパン国際コンクール優勝、フランス国立菅、モスクワ・ヴィルトゥオージなどと共演、世界各地のフェスティバルから招きを受けている。詳しくは、下記をご覧ください。

(曲 目)

シベリウス / 交響詩「春の歌」 作品16

グリーグ / ピアノ協奏曲 イ短調 作品16
マルチェッロ・J.S.バッハ編 / オーボエ協奏曲 Ⅱアダージョ (三浦謙司さんアンコール曲)

〈休憩〉

ニールセン / 交響曲第4番  作品29  FS76 「不滅」

(感 想)

2022~2023シーズン最初の演奏会は、秋山和慶さんの指揮による北欧プログラムでした。まず、シベリウスの交響詩「春の歌」は、穏やかで柔らかな陽射しが感じられるような佳曲でしたが、一抹の寂しさもあり、弦楽器の小音量による終結が余韻を漂わせていました。

グリーグの「ピアノ協奏曲」は、ソリストの三浦謙司さんの好演で、気持ちよく聴けました。第1楽章は力強い楽想ですが、力まず淡々と弾いているように見えました。第2楽章は柔らかなタッチで抒情も感じられ、なかなかよかった。アンコール曲の静かな出だしも印象的でした。

ニールセンの交響曲第4番「不滅」は、ティンパニが2台、左右に大きく離して配置され、第4部では高崎芸術劇場の大きな空間に鳴り響き圧巻でした。第1部から響きのバランスがとれ、木管楽器の合奏もよく調和していて、秋山さんの指揮の素晴らしさが伝わってきました。

(出演者のプロフィール)

   

   

(あらかじめ聴いたCD)

今回のブログラムのうち、グリーグ「ピアノ協奏曲」だけは、実際に聴いたことがありますが、シベリウスとニールセンの曲は初めてなので、CDをまず聴きました。

   

シベリウス「管弦楽曲集(シベリウス・ベスト)」から「春の歌」。
オスモ・ヴァンスカ指揮ラハティ交響楽団。フィンランディア、トォオネラの白鳥、悲しきワルツなど収録。(レーベルはBIS)  

   

ニールセン「交響曲全集」から第4番「不滅」。
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮サンフランシスコ交響楽団。ティンパニ2台の再生は僕の装置では全く無理で、オーケストラ曲は生演奏を努めて聴こうと改めて思っています。

さらに追加でグリーグ「ピアノ協奏曲」も聴いて行きました。

   

スビャトスラフ・リヒテル(p)、ロヴロ・フォン・マタチッチ指揮モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団。お気に入りのアルバムです。

【群馬交響楽団ホームページ】

群馬交響楽団 (gunkyo.com)


ジェローム・リチャードソン「GOING TO THE MOVIES」、高崎駅の「プロント」で珈琲タイム。

2022-04-24 19:30:00 | テナー・サックス

4月23日(土)に群響の演奏会を聴きに高崎に行きました。高崎駅ビル内のお店で昼食後、「プロント」に入り珈琲とケーキをいただきました。プロントは、昔、長野駅にありましたし、単身赴任時には池袋駅西口のお店に寄っていたので、懐かしかった。懐かしい映画音楽を。

JEROME RICHARDSON (ジェローム・リチャードソン)
GOING TO THE MOVIES (United Artists 1962年録音)

     

マルチリード奏者のジェローム・リチャードソン( as, ts, bs,fl  1920年~2000年)は、1958~59年にNew Jazzレーベルにリーダー作を録音しているものの、スタジオミュージシャンやビッグバンドの一員としての活動が多く、リーダー作は少ない。本作は、ユナイテッド・アーティストに録音した映画音楽集。

メンバーは、ジェローム・リチャードソン(ts,bs,fl)、レス・スパン(g, fl)、リチャード・ワイアンズ(p)、ヘンリー・グライムス(b)、グラディ・テイト(ds)。メンバーは、腕の立つミュージシャンばかりですが、知名度はやや低いかもしれません。

曲目は次のとおり。

1  No Problem (Duke Jordan)
2  Moon River (Henry Mancicni)
3  Never On Sunday (M. Hadjadakis)
4  Tonight (Lenard Bernstein)
5  Delilah (N. Nicholas)
全て映画からの曲ですが、その映画は、1が「危険な関係」、2が「ティファニーで朝食を」、3が「日曜はダメよ」、4が「ウェスト・サイド・ストーリー」、5が「サムソンとデリラ」です。珠玉の名曲ばかりです。

テーマメロディがよく知られた曲ばかりですが、意外にソロも良くて、見逃すには惜しいアルバム。本作は中古レコード・CDともに値段が安く入手しやすいです。ジェローム・リチャードソンのバリトンソロがグルーヴィーな「No Problem」、レス・スパン(g)やリチャード・ワイアンズ(p)のソロが入る「Moon River」、リチャードソンやワイアンズのソロが熱気を帯びる「Delilah」など、拍手も聞こえる楽しいライブアルバム。

(参考 拙ブログのジェローム・リチャードソン「Midnight Oil」記事へのリンク)

ジェローム・リチャードソン MIDNIGHT OIL 

レコードを聴いているところです。

ジェローム・リチャードソン「Going To The Movies」で演奏されている「Never on Sunday」など映画音楽をジュリー・ロンドンの歌で聴きました。
レコード左から、「You Don't Have to be a Baby to Cry」(「Charade」収録)、「Whatever Julie Wants」(「Diamonds Are A Girl's Best Friend」収録)、最も右に「Love Letters」(「Never On Sunday」収録)。

【プロント 高崎モントレー店】

住所:群馬県高崎市八島町222 高崎モントレー コンコース
電話:027-386-9505
ホームページ:プロント 高崎モントレー店 (PRONTO) - 高崎(JR)/カフェ | 食べログ (tabelog.com)

高崎駅内のコンコースから折れたところに入口があります。

入口

店内。奧にもテーブル席があります。

珈琲とチョコレートケーキを注文。

珈琲。中くらいの濃さで飲みやすい珈琲でした。

「オペラ」といってもよいケーキでした。

一部取り分けたところ。

こちらのプロントには、無料wifiがあります。

壁には、レコードを飾ってありました。ロック系だと思いますが、全部で3枚。ちょっとした休憩に利用しやすいお店で、軽く飲むのにもよさそうです。


上田市住吉の「そば処 いちや」の「とろろ付きざるそば」でランチ。

2022-04-23 19:30:00 | グルメ

「そば処 いちや」は、上田菅平インター近くの住宅地にある一軒家の蕎麦屋さんです。上田市のジャズ喫茶「A列車」に名詞が置いてあったので知り、ランチにお邪魔しました。

とろろ付きのざるそばを注文。とろろのねばり具合がよく、汁に入れて蕎麦と絡めて食べるとかなり美味しい。蕎麦は、石臼挽きの挽きぐるみを使用した田舎風そばだそうですが、上品です。また訪れたい。

一軒家で、お座敷が客席になっています。

入口

店内。開店と同時に入ったので、とりあえず僕一人がお客様でした。

庭を観ながら寛げました。

メニュー。「つけ とろろ」を注文。「いちや膳」は、予約制です。「いちや膳」をいただいてみたいです。

まずはお茶が出てきました。そば茶です。

注文した「つけ とろろ」です。

蕎麦は、二八だそうです。細くて、少し柔らかめです。僕には合っていて、最後まで美味しくいただきました。

蕎麦のアップ

このとろろはよく出来ています。フワトロといった感じでしょうか。

薬味

ゴボウの漬物

汁にとろろと薬味を入れたところ。

そば湯

そば湯は濃厚でした。

小豆の煮たものを、そば湯と一緒に出していただきました。サービスだと思いますが、甘味としてよいです。 

日本酒も揃っています。

この器は、店主自らが作ったものだそうです。販売しています。

【そば処 いちや】

住所:長野県上田市住吉1160
電話:0268-25-1841
ホームページ:そば処 いちや - 上田/そば/ネット予約可 | 食べログ (tabelog.com)

(参考 上田市街地で出かけた蕎麦屋さん)

上田市の「東都庵 駅前店」の六文銭そば。多彩な味が楽しめました。

上田市の蕎麦店「くろつぼ」でランチ (蕎麦 長野県上田市常磐城)

作家、池波正太郎さん所縁の「刀屋」でもり蕎麦と天ぷらの昼食(長野県上田市中央)


BSテレ東「エンター・ザ・ミュージック」を観て、ブラームス交響曲第2番などクラシック三昧

2022-04-22 19:30:00 | クラシック

新型コロナ感染症対策のため、ジャズやクラシックの演奏会に出かけるのは、控えめにしています。その代わり、テレビ番組を観ていて、中でも、BSテレ東の「エンター・ザ・ミュージック」は毎回視聴しています。

少し前ですが、4月9日放映ののブラームス「交響曲第2番」(2020年4月11日の再放送)の内容がとても良く、やや地味だと考えていた同曲に親しみを感じ、改めてCDを聴き、併せて、他のCDも聴きました。

【エンター・ザ・ミュージック】

 毎週土曜 朝8時30分~BSテレ東にて放送中エンター・ザ・ミュージック|BSテレ東 (bs-tvtokyo.co.jp))。ゲストと指揮者の藤岡幸夫さんが「音楽は世界を豊かにする!」のコンセプトを元に、音楽のジャンルを越えたトークや演奏を展開します。

出演は、指揮者の藤岡幸夫さん、アナウンサーの角谷暁子さん。ゲストは、新井鴎子(音楽構成作家)さん。

『バッハ、ベートーヴェンと共にドイツ音楽における“三大B”と称されるブラームスが、着想から完成まで20年以上かかった交響曲第1番と打って変わって、わずか5ヶ月で完成させた交響曲第2番を特集。その時代背景、作品の特徴を紐解きながら、関西フィルによる名演をじっくりとお届けする。』内容です。

藤岡幸夫指揮関西フィルによる演奏。

新井鴎子(音楽構成作家)さんによる解説。1851年から1868年までの約20年間は、「シンフォニー 死の時代」と言われ、後世に残るような作品は書かれなかったそうです。そこへ登場しのがブルックナーとブラームス。

第2楽章冒頭に関する「藤岡メモ」。こういうメモは、とても参考になります。

新井鴎子(音楽構成作家)さんの解説で、交響曲について、1902年までにヨーロッパで演奏された回数を多い順にあげると、シューベルト「ザ・グレイト」、ブラームス第2番、ベートーヴェン「運命」の順だそうです。この結果、特に「ザ・グレイト」の1位に驚いている藤岡さんです。

第3楽章を演奏している関西フィルの木管楽器奏者。ここには映っていませんが、ホルンの演奏がなかなかよかったと思いました。

(参考 関西フィルによる「南国のばら」の演奏)

【エンター・ザ・ミュージック】ワルツ『南国のばら』作品388(抜粋) - YouTube

(CDでブラームス「交響曲第2番」などを聴きました。)

    

ブラームス「交響曲第2番」。カール・シューリヒト指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1953年録音)。デッカレコーディングのBOXセットの一枚です。

   

ギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団 「ブラームス交響曲全集」 (RCA  1982~1985年録音)から第2番。

(さらに他のものも聴きました。)

   

続いてブラームス「弦楽六重奏曲第1番、第2番」。アマデウス弦楽四重奏団ほか(1966年、68年録音)。特に第1番が好きです。

   

シューベルト「交響曲第9番 ザ・グレイト」。ニコラウス・アーノンクール指揮ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団。ヨーロッパでは、この交響曲が最も演奏回数が多く人気があったとは、驚きました。

   

締めは、シベリウス「交響曲第5番」を藤岡幸夫指揮関西フィルハーモニー管弦楽団の演奏で。


ロザンナ・ヴィトロ「LISTEN HERE」、今村翔吾著「くらましや稼業」(ハルキ文庫)

2022-04-21 19:30:00 | ヴォーカル(L~R)

今村翔吾著「幸村を討て!」が良かったので(その感想記事)、同著者の「くらまし屋稼業」(ハルキ文庫)を読んでいます。池波正太郎著「藤枝梅安シリーズ」を想起させる内容で、本格的な歴史小説ではないですが、面白い。本格派ヴォーカルを。

ROSEANNA VITRO ロザンナ・ヴィトロ)
LISTEN HERE (Skyline 1982年録音)

   

ロザンナ・ヴィトロ(vo, 1951年生)は、ヒューストンのロックバンドで歌っていたところを、アーネット・コブ(ts)に勧められて1980年にニューヨークへ。ライオネル・ハンプトン楽団で活動し、以後活躍しています。本作は彼女の初リーダー作で、最近、初めてCD化されたので購入しました。

メンバーは、ロザンナ・ヴィトロ(vo)、ケニー・バロン(p)、バスター・ウィリアムズ(b)、ベン・ライリー(ds)、アーネット・コブ(ts, 3曲のみ参加)、Bliss Rodrigeez(p, 3のみ)、Scot hardy(g, 6のみ)、Duduka Da Fonseca(per, 1と6のみ)。ケニー・バロンやアーネット・コブら豪華な伴奏陣です。

曲目は次のとおり。

1  No More Blues (Antonio Carlos jobin, Vinicius de Moraes)
2  You Go To My Head (J. Fred Coots, H. Gillespie)
3  Centerpiece (Jon Hendricks, Harry Edison)
4  Love You Madly (Duke Ellington)
5  A Time For Love (Johnny Mandel, Paul Webster)
6  This Happy Madness (Antonio Carlos Jobin, Vinicius de Moraes)
7  Listen Here (David Frishberg)
8  It Could Happen To You (Johnny Burke. James Van Heusen)
9  Easy Street (Alan Rankin Jones)
10  Sometime Ago (Sergio Mihanovich)
11  You Took Advantage Of Me (Richard Rodgers, Lorenz Hart)
12  Black Coffee (Sonny Burke, Paul Francis Webster)
A・ C・ ジョビン作のボサノヴァ2曲、エリントンやフリシュバーグ作のジャズオリジナル、「You Go To My Head」や「It Could Happen To You」、「Black Coffee」といった有名スタンダード曲が選曲されています。

声量があり、音域が広く、スキャットも自在で、ディクションも明快など、ロザンナ・ヴィトロの活きの良い歌唱が圧巻です。「Black Coffee」などはスキャットを用いたかなり奔放な歌唱ですが、ボッサの「No More Blues」やバラードの「You Go To My Head」や「A Time For Love」」では抑え気味で、曲により歌い方を変えています。アーネット・コブ(ts)が参加した「Love You Madly」はブルージーで、ヴィトロの歌、バロン(p)のソロとユニットとしても楽しめます。

【ロザンナ・ヴィロト ホームページ】

Roseanna Vitro (squarespace.com)

(参考)ロザンナ・ヴィトロが歌う「You Go To My Head」

You Go To My Head - YouTube

【ロザンナ・ヴィトロが紹介されているジャズ批評2021年11月号】

   

「スィンギン・ビューティーズ」は、医師でジャズ評論の後藤誠一さんが、ジャズ批評誌に17年間、100回にわたり連載した記事です。1回に一人の女性歌手を取り上げて、プロフィールとアルバムについてまとめています。

   

ロザンナ・ヴィトロに関するページ。「Listen Here」も紹介されています。

【今村翔吾著「くらましや稼業」(ハルキ文庫)】  

   

表紙

(帯裏にある紹介)

   

(感 想)

「くらまし屋」と呼ばれる堤平九郎の稼業を描いています。「くらまし屋」とは、今の自分の姿を消して、新しい土地で新しい姿で人生をやり直したいという依頼人の望みを叶える仕事で、江戸の町からの出奔を成功させることが中心のようです。

主人公は、剣術の達人でもあり、人の動きが派手で、全体に劇画向きです。破天荒な設定ですが、小説中の人物が動き出すと、そういうこともあるかなという気分にしてくれます。気軽に読めるので、第2巻以後も読んでみるつもりです。