家庭裁判所の待合室には、離婚などの人生の危機に直面している人が集まっている。先日、あるベテランの女性弁護士が、依頼者と思われる若い女性に、こんな話をしているのを聞いた。
「家庭が円満で、仕事も順調なときにこそ、『人は何のために生きるのか』という本質的な問いが頭をもたげてくる」
この弁護士は、人生における本当の危機は、紛争などの表面的かつ分かりやすい出来事であるとは限らないということを的確に指摘していて、横で聞いていた私も、心の中で大きく頷いたのである。
もっとも私は、公私ともに順調という時期をもったことがないため、幸いなことに「本当の危機」に見舞われた経験がないようである。
「家庭が円満で、仕事も順調なときにこそ、『人は何のために生きるのか』という本質的な問いが頭をもたげてくる」
この弁護士は、人生における本当の危機は、紛争などの表面的かつ分かりやすい出来事であるとは限らないということを的確に指摘していて、横で聞いていた私も、心の中で大きく頷いたのである。
もっとも私は、公私ともに順調という時期をもったことがないため、幸いなことに「本当の危機」に見舞われた経験がないようである。