Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

検証されない経験則

2020年07月17日 06時59分44秒 | Weblog
専門家への不遜な態度
 「今日の判決は、第一審のせん妄の専門家証人も、控訴審のせん妄の専門家証人も、彼らは日頃がん患者などの高齢者のせん妄を診ており、彼らが言うせん妄と、今回のせん妄は違うんだという趣旨のことを言い、専門家証人の証言の信用性を真っ向から否定した。(判決の全文をまだ入手できておらず、細かな言い回しまでは定かではない)
そこに科学的根拠は何もない。全く無い。
せん妄についてのズブの素人である裁判官が、せん妄についての日本指折りの専門家に対して、科学的根拠を全く示さずに彼らの証言の信用性を否定し、無罪判決を破棄して有罪判決を言い渡した。


 ほぼ被害者の供述だけが犯罪事実の証拠である事件において、またしても、「加害者と面識のない性犯罪の被害者が、あえて被害の事実を申告した場合、高度の信用性が認められる」という刑事裁判官にとっての「経験則」(仮に「被害者は嘘をつかないテーゼ」と呼んでみる。)が適用されてしまった。
 この「経験則」は、権威ある「刑事実務証拠法 第5版」でも延々と展開されているが、検証された命題というわけではない。
 むしろ、防衛医大教授痴漢冤罪事件のように、被害の実体が疑問とされたケースもある。
 民事事件でも、まれではあるが、被害妄想型人格障害や演技性人格障害などによって事実が誇張又は捏造された事案に遭遇することがある。
 だから、「被害者は嘘をつかないテーゼ」は、慎重に吟味したうえで適用すべきだと思うのである。
コメント
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