Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

洞窟からの脱出

2020年07月31日 07時17分23秒 | Weblog
中国が憎み恐れる米国の対中政策ブレーンの“正体”
 「この演説の最大の特徴は、中国共産党と中国人民を区別し、中国共産党と中国を区別している、ということだ。そして中国人民に、国際社会とともに、自由のために中国共産党と戦おうと、大胆にも呼び掛ける内容である。今まで、こんな発想の政策を、米国が取ったことがあっただろうか。
 実は、中国共産党が最も恐れているのは、その政権のレジティマシー(正統性)の揺らぎを人民に気づかれること、そして人民そのものである。中国共産党にとって人民は最大の敵。だから、言論統制、大プロパガンダで、世論をコントロールしてきた。外敵から国家を守る国防予算よりも、国内の異見分子を鎮圧する治安維持部隊に国家予算を割くのはそのためだ。


 中国共産党は、「ひとつの頂点が存在し、その内部においては一体である集団」、すなわち枝分節関係(segmentation)によって形成された集団(枝分節集団、枝分節体)といえる。
 この種の集団は、「オデュッセイア」の中では、キュクロプスというキャラクターによって、いわば暗号のように描写されている。
 すなわち、「一つ目」(頂点が一つ)の巨人(集団)は、生産労働に従事せず、恵まれた自然の中で、羊やヤギ、あるいは迷い込んだ人間を食べて生活している。
 だが、この巨人には弱点がある。
 「目」(頂点)をつぶされると、一気に弱ってしまうのである。
 
政治の成立(木庭顕)
 「・・・相手の頂点は一つであり、その中枢を攻撃すればよい。・・・第二に、相手の全体を倒すことは自殺行為である。頂点を粉砕したとしても、相手のcorpusは温存しなければならない。そうしなければ相手の枝分節体の内部に入ってしまっているから、中を幾らかきたてても破壊・脱出は可能でない。」(p252~253)
 私見では、アメリカ政府は、党をキュクロプス、人民をオデュッセウス一行と見立てた上で、新たに戦略を練ってきたように思われる。
 キュクロプスの住む洞窟には人民が閉じ込められているのだが、ポンペイオ長官は、その人民に向かって、キュクロプスに対し「対等性、透明性、説明責任を求める」よう呼びかけたというわけである。
 
コメント
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