Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

”職人”の時代

2023年04月14日 06時30分00秒 | Weblog
"Face à Polyphème, il est l'homme de la technè, et lorsqu'il crevé I'œil du Cyclope avec un pieu qu'il a  taillé lui-même, son action est, métaphoriquement, celle d'un carpentier et d'un bronzier. "(p310)
(拙訳:ポリュペーモス(彼もテクネ(技術)の男である)に対面し、彼(オデュッセウス)はキュクロープスの眼を彼自身が削って作った杭で破裂させたのだから、彼の行為は、比喩的に言えば、大工と鋳造師の行為なのである。)

 オデュッセウスもキュクロープスも、実は”職人”(artisan, Meister)だったという指摘である。
 ”職人”と言えば、80年代以降、西欧と北米では、心ある人々は、専門職層(つまり”職人”)を育成するための高等教育に力を注いできている。
 そして、アジアの一部の国・地域でも、この流れに乗ろうとする動きが続いてきた。
 ところが、非常に残念なことに、わが国は、この動きに完全に"乗り遅れ”、相対的に若い世代がまるごと取り残されてしまった(最後の棒倒し(10))。
 このままでは、わが国に(層をなすほどの数の)オデュッセウスたちが誕生するのは難しい。
 それでは、キュクロープスはどうだろうか?
 「一つ目の巨人」は、歴史的には、製鉄・鍛造・鋳造などの鉄器製造に関する神として位置づけられてきた。
 これについては複数の解釈が可能だろうが、「武器」製造の”職人”を象徴していると見るのが素直だろう。
 現代で言えば、「軍産複合体」あたりだろうか?
 そうなると、現在進行中の政治的な動き、例えばトマホーク(もともとネイティヴ・アメリカンの斧)が大好きなところからすると、わが国にも今後「小さな巨人」くらいの”職人”たちが生まれる可能性はありそうだ。
 だが、巨人の好物は人間なので、多くの人が犠牲になるかもしれない。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 個人の覚醒(2) | トップ | パクリ疑惑 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事