『ラ・シルフィード』第2幕より
『椿姫』第2幕より友人の踊り
『アルレキナーダ』よりパ・ド・ドゥ
『白鳥の湖』第1幕よりパ・ド・トロワ
『ラ・バヤデール』より幻想のシーンのパ・ド・ドゥ
『Phases』
『ドン・キホーテ』第3幕より
毎年レベルの高さに感心しながら観ている「エトワールへの道程」。
英才教育の成果(英才教育と卒業後の進路)というべきか、「ドン・キホーテ」のキトリ役のダンサーに至っては、落ち着き払ったヴェテランのような見事なダンスを披露した。
先日も、ショパン・コンクールの予備予選出場者171名のうち24名が日本人であるというニュースが流れたが、日本は、確実に「英才教育路線」が拡大している国の一つなのだ。
それにしても、こういう「一芸に秀でた」ひと(子ども)を生み出す条件は一体どういうものなのだろうか?
私見では、その最たるものは、「少子化」である。
ショパン・コンクールの例ばかり持ち出して恐縮だが、毎回圧倒的多数が参加する中国(今回は60名超)や韓国(今回は23名)と日本とで共通しているのは、「少子化」である。
「中国の昨年2023年の出生人口は902万人。今世紀以降のピークだった2016年の1786万人から、わずか7年間で約半分に減った。」
「韓国の合計特殊出生率は2023年に0.72と世界最低水準を記録した。このままでは高齢者扶養比率(20〜64歳人口に対する65歳以上人口の割合)が現在の28%から155%まで上昇し、社会構造が大きく変化すると予測されている。」
私は、これらの国では、比較的裕福な親たちが、「一芸に秀でた子ども」を熱心に育てていると考える。
ちなみに、私は、司法修習時代、合格者の中に一人っ子が多いのに驚いた経験があるが、それは当然のことである。
かつては「資本試験」と言われたほど合格するまでにお金がかかる資格なので、どうしても経済的な余裕のある家庭の子女が多くなるわけだ。
反面、この国では、この30年で「望まれない子どもたち」は大きく減少したはずである(失われた30年と望まれない子どもたち)。
・・・むむむ、「望まれない子どもたち」が減った代わりに、「一芸に秀でた子どもたち」が増えたということなのか?
そうすると、政府が少子化対策をすればするほど、「一芸に秀でた子どもたち」は減ってしまうのではないか?
・・・などと考えてしまう夕暮れ時であった。