- J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV 988
- J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 よりシャコンヌ
CDでは中学以来000回以上は聴いているはずの「ゴルトベルク変奏曲」だが(聴き過ぎに注意)、チェロ四重奏による「ゴルトベルク変奏曲」を聴くのはこれが初めて。
もともとチェンバロ用の曲であるため、チェロ四重奏に編曲するのはおそらく大変だったろう。
アリアの段階でその片鱗が見えるのだが、例えば、”音を省く”工夫がその最たるものだろう。
もともと弦楽器は、速いが音階を滑らかに移行する音には対応出来ても、”速く飛ぶ音”を弾くようには出来ていないはずである(コンサートマスターの本音)。
なので、第5変奏などは若干の違和感を覚える。
他方で、第7変奏のように、ピアノやチェンバロよりしっくりくる変奏もある。
一時間半近い大局なのだが、常に4人で演奏しているわけではなく、1人か2人が休んでいる時間も結構ある。
そんな中で、辻本玲さんはかなりの時間奮闘しており、しかも演奏ぶりに乱れが見られない。
カルテットと言ってもこういう”要”となる演奏者が必要なのかもしれない。
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第1番 変ホ長調 Op.12
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番 ホ短調「クロイツェル・ソナタ」
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番 ホ短調 Op.59-2「ラズモフスキー 第2番」
ヤナーチェク:弦楽四重奏曲第1番 ホ短調「クロイツェル・ソナタ」
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第8番 ホ短調 Op.59-2「ラズモフスキー 第2番」
<アンコール曲>
デューク・エリントン:コットンクラブ・ストンプ
こちらは通常のカルテット。
例によってというか、ピタリと息が合っている。
最前列中央なので、4人が文字通り「息を合わせる」のを目の当たりにする。
「クロイツェル・ソナタ」で深い苦悩に沈んだ後の「ラズモフスキー第2番」という曲の並べ方がよく、最後はいい気分になる。
この四重奏団も、見ているとヴァイオリンのジョナサン・オンさんが全体をリードしているように見える。
辻本さんと同じく、”要”の役割を果たしているのだろう。
アンコール曲はまさかのデューク・エリントンで、四重奏団はジャズも出来るのだと実感する。