第一部
日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)
渡し場の段
木下順二=作 二代野澤喜左衛門=作曲
瓜子姫とあまんじゃく(うりこひめとあまんじゃく)
井上ひさし生誕90年記念
井上ひさし=作 野澤松之輔=作曲
望月太明藏=作調
金壺親父恋達引(かなつぼおやじこいのたてひき)
―モリエール「守銭奴」より―
日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)
渡し場の段
木下順二=作 二代野澤喜左衛門=作曲
瓜子姫とあまんじゃく(うりこひめとあまんじゃく)
井上ひさし生誕90年記念
井上ひさし=作 野澤松之輔=作曲
望月太明藏=作調
金壺親父恋達引(かなつぼおやじこいのたてひき)
―モリエール「守銭奴」より―
今月の国立劇場文楽公演は3部制。
多忙な月なので、全部観る時間がなく、泣く泣く断念したのがこの第一部である。
もっとも、社会学的・法学的分析の対象となるのは、井上ひさし氏の「金壺親父恋達引」のみである。
プラウトゥスはギリシャ作品の輸入が多く、これにも実は元ネタがあったそうだ。
だが、オリジナルのギリシャ版「金の小壺」は現存するかどうかを含めて不明と言うことらしい。
呉服屋:金仲屋の主人:金左衛門は、その名の通り守銭奴。
彼には、三十両の持参金付きで町娘が後妻に来ることになっている。
その町娘というのがお舟で、実は彼女は金左衛門の息子:万七と相思相愛の仲なのである。
要するに、本作は、父と息子が一人の娘を巡って争うという、特殊な三角関係の物語である。
プラウトゥスのお定まりのストーリーの型は、
「息子が友人たちに助けられながら、金満の父を出し抜いて娘といっしょになる」
というもので、本作もおおむねこれを踏襲しているようだ。