最近、いずれも若い女性のソリストだが、演奏中と演奏後のギャップにびっくりしたコンサートが2つあった。
「鬼才ファジル・サイ作曲のヴァイオリン協奏曲『ハーレムの千一夜』の独奏には、2023年9月に開催されたファジル・サイの来日公演「FAZIL SAY 2023」にて、サイのヴァイオリン・ソナタ第2番『イタ山』を日本初演し話題をさらった服部百音が登場します。
『ハーレムの千一夜』はサイが描いた現代版シェエラザード。彼の世界観を知る服部百音がヴァイオリンで語る千一夜物語に、どうぞご期待ください。」
『ハーレムの千一夜』はサイが描いた現代版シェエラザード。彼の世界観を知る服部百音がヴァイオリンで語る千一夜物語に、どうぞご期待ください。」
物静かでしとやかな服部さんだが、演奏開始と同時に鬼気迫る表情で、格闘家のようにステージ上を動く(この映像(2022年 Vn:服部百音 井上道義&読売日響 ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲 第1番)より実際はもっとすごい)。
「ハーレムの千一夜」という曲自体が、凶暴性や猥雑さをたっぷり含んだ曲なので、こういう演奏スタイルになるのはある意味では納得である。
終演後のにこやかな表情とのギャップが何とも言えない。
「2023年第47回ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリおよび聴衆賞。同年、第92回日本音楽コンクール第1位および岩谷賞(聴衆賞)を受賞。
音楽とじっくりと向き合い、美しい音と情感豊かな表現力で魅了するピアニスト。」
音楽とじっくりと向き合い、美しい音と情感豊かな表現力で魅了するピアニスト。」
シューベルト:高雅なワルツ集(12のレントラー) D 969 op.77
フォーレ:ヴァルス=カプリス 第2番 変ニ長調 op.38
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第18番「幻想」ト長調 D 894 Op.78
フォーレ:ヴァルス=カプリス 第2番 変ニ長調 op.38
ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第18番「幻想」ト長調 D 894 Op.78
<アンコール曲>
ショパン:黒鍵のエチュード
シューベルト:楽興の時第3番
こちらは若手新進女性ピアニストのソロ・コンサート。
丸顔の可愛らしい女性だが、時おりアルゲリッチを彷彿とさせる激しさを垣間見せる(この映像(2023ピティナ特級セミファイナル シューベルト:ピアノ・ソナタ 第18番「幻想」,D894,Op.78 pf.鈴木 愛美:Suzuki, Manami)にちょっとあらわれている。)。
激しく情熱的な弾きっぷりと、終演後に前髪をかき分ける仕草とのギャップに感じ入ってしまう。
ちなみに、聴衆は過半数が中高年の男性という印象である。
・・・こんな風に見てきたが、若い頃の中村紘子さんや堀米ゆず子さんもこんな風に”ギャップ”を見せていたのかもしれない。