「ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2024」が開幕した。
私は、このイベントの存在は知っていたのだが、人込みが苦手なこともあってこれまで敬遠していた。
だが、今年は、「パスポート券」の存在を知って、行くことにしたのである。
5/3のタイムテーブル(有料コンサートタイムテーブル(5月3日)|ラ・フォル・ジュルネ TOKYO 2024 公式サイト (lfj.jp) )で言うと、
・モーツァルトのフィガロの結婚序曲
・ベートーヴェンのピアノ協奏曲3番
・ワーグナーのジークフリート牧歌
・メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲
・ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ
・ラヴェルのピアノ協奏曲ト長調
・ラヴェルのボレロ
・ワーグナーのマイスタージンガー前奏曲
・チャイコフスキーのピアノ協奏曲1番
が9,600円で聴けるのだから、これはお得だと思ったのだ。
もっとも、「聴ける」というのは正確ではないかもしれない。
というのは、この会場(東京国際フォーラム)はもともと会議場であり、音響設備はイマイチである代わりに、演奏者のズームアップ映像などを大きなスクリーンで見ることができる、つまり「観られる」会場だからである。
というわけで、今回も演奏者たちのクローズアップ映像が流れたのだが、驚いたのは、ピアニストの亀井聖矢さんの演奏ぶりである。
最近は鼻息を立てながら”激しく”弾くスタイルに傾いてきているのだが、その傾向がさらに強くなっている。
まず、”顔芸”が目立つ。
冒頭で挙げた動画で言うと、1分30秒付近くらいから出て来るような「トランス状態」に陥ったと思いきや、いきなりカッと目を見開くなどの動きは、私の知る限り、先日亡くなったフジコ・ヘミングさんに近いものがある。
次に、動画には出て来ないが、”演奏中に立ち上がってしまう”という場面が、私が確認できた限り20回くらい出て来た。
これは、最大限大きな音を出すための強烈な演奏技法(?)であるが、当然のことながら、スタインウェイ(時価約2000万円)の弦を切ってしまうリスクを孕んでいるため、主催者側にとっては冷や冷やものの所業でもある。
この演奏スタイルは、おそらくアンジェラ・アキさんくらいしか観たことがない。
つまり、亀井さんは、確実にヘミング化、アンジェラ化が進んでいるのである。
亡くなったフジコ・ヘミングさんに合掌。