Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

ピアニスト、ティーチャー、プロデューサー、コンポーザー

2025年01月24日 06時30分00秒 | Weblog
  • ピアノ協奏曲第2番 イ長調 S.125/R.456
  • 死の舞踏 (「怒りの日」によるピアノと管弦楽のためのパラフレーズ) S.126/R.457
  • ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調 S.124/R.455
  • ハンガリー幻想曲 S.123/R.458
  • <アンコール曲>
  • ラフマニノフ作曲/阪田知樹編 ここは素晴らしい処
  • ガーシュウィン Lady be Good
 私はこの人が弾くショパン(バラキレフ編曲)ピアノ協奏曲第1 番 ホ短調 作品11より第2 楽章「ロマンス」を聴くのを”起床儀礼”としており、コンサートも出来るだけ行くようにしている(眠くならないクライスレリアーナ)
 というわけで、今月は今回の東フィルとの協奏曲を、3月にはソロを聴きに行くこととした。

 「若い世代に伝え、優れた弟子をたくさん育て、世界水準でピアノ演奏のレベルを上げた人だというところを尊敬しています。
 作曲の分野でも、グリーグやスメタナ、フォーレなど、才能ある次世代の作曲家の背中を押して、彼らの活躍を助けました。さらにはシューマンやベートーヴェンという前の時代の作曲家の作品も積極的に演奏し、時にはピアノ用に編曲して人々に広めました。今私たちが優れた作品を享受できているのは、リストのそんな功績によるところも間違いなくあると思います。
 音楽界に大きな影響を与えたという意味で、音楽家として一つの理想的な形だと思います。

 リストは35歳ころにピアニストを引退し、「作曲家」となった。
 それゆえ、「コンポーザー・ピアニスト」とも呼ばれる。 
 のみならず、弟子の教育や新人のプロデュースも熱心にやっていた。
 つまり、「コンポーザー・ピアニスト」、かつティーチャー・プロデューサーという、一人4役の活躍をしたのである。

 「まず、4曲中、私が一番好きな作品を選ぶとすれば、ピアノ協奏曲第2番です。物語の要素、前述の二面性の要素が強く現れています。
 オーケストラが最初に奏でる旋律が徐々に変化して最後は別物になるという作曲手法には、リストのピアノソナタに通じる個性が感じられます。ピアノ入りの交響詩のようです。それまでのピアノ協奏曲と全く異なる革新性も好きです。
 「ハンガリー幻想曲」は、ハンガリー狂詩曲第14番を改定してピアノ協奏曲の形にしたもので、リストのハンガリー人だという自覚や愛国心の強さが伝わってくる楽曲です。また「死の舞踏」は私が2016年にリスト国際コンクールに優勝したときファイナルで演奏した、思い出のレパートリーです。
 そして、これまで折りに触れてたくさん演奏してきたのが、ピアノ協奏曲第1番。リストは、チェルニーのもとで学んだ自分はベートーヴェンの孫弟子にあたると強く意識していて、ベートーヴェンの「皇帝」を数え切れないほどの回数弾いたといいます。そして、いざ自分が初めて協奏曲を書くとなって、「皇帝」と同じ調性、ファンファーレ風のオーケストラに続けてすぐに華やかなピアノが入るという「皇帝」に似たはじまり方を選びました。ベートーヴェンの孫弟子としての意識があらわれた、とても重要な作品だと思います。
 作曲するうえでは、その人ならではのポリシーがあることがとても大切です。例えばリストは、ベートーヴェンが31番のソナタで行った、多楽章を一つに結びつけることを発展させて、ロ短調ソナタや二つの協奏曲を書いたといえます。そこには、自分は歴史を引き継いでいるのだという、リストの作曲家としてのポリシーがよく現れていると思います。

 パンフレットに「ワーグナーやリヒャルト・シュトラウスの歌劇を思わせる・・・」という説明があるように、コンチェルト2番は”歌”がベースにあるようだ。
 これに対し、1番は、「皇帝」へのオマージュのようである。
 つまり、リストは、ベートーヴェンとワーグナー以後をつなぐ役割も果たしていたということのようだ。
 これとは別に、面白かったのは、リストは、「ロマ音楽」を「ハンガリーの民謡」と勘違いしていたということである。
 なので、「ハンガリー幻想曲」という題名は、本来は間違いなのだそうだ。
 リストは、こんな風にいろいろと面白い人なのである。
 
 

 

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