季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

JACK

2017-03-21 20:23:35 | 映画 movie
寒さと温かいのがまだらにやってきて、光は明るく春にぐんぐん近づいてきている。
花祭り、復活祭の気分で作り始めた。

       

復活祭の玉子を飾りたいなと思ってるんだけど、どうやってきれいに塗ろうかなと考えて、この前手芸屋さんで手に入れた物を使ってみる。
前に石鹸につけて花石鹸を作ったナフキンがたくさんあったので使える。
簡単できれいだな、しかもこの塗料、屋外でも大丈夫らしい。まあ部屋に飾るけどね。
これをどんな紐で下げるか、どんな枝に付けるのか。考えるのも楽しい。
そうやって春がやってくるのを待つ。

       

この前観た映画。噂に聞いてて録画しておいたんだけど、なんだか重そうで覚悟がいるなあと思って頃合いをみてた。
そして時間をとって観た。



「ぼくらの家路(JACK)」
ドイツの映画。

― 以下、ネタバレしてます。

やっぱり切ない映画だった。
とんでもない様子だけど、これって世界中でほんとうに普通に良くある光景なんだと思う。
いわゆるネグレクトと言うやつ。
奔放な母親の元で小さな弟の親代わりになって家事をする兄ジャック。
弟のやけどが原因で施設で暮らすことに。
施設でのいざこざから抜け出して母に会いに出るけど、たどり着いた家に母はいない。
預けられた弟を迎えに行って母を探すけど、何日も全く手がかりもなくサバイバルの日々。

ジャックはいつも冷静に目の前の課題に取り組んで淡々と生きている。
生き残っている。

私が一番悲しかったのが、お腹が空いてたまらなくなったらファーストフード店でこっそりがっつり盗んだスティックシュガーとフレッシュをベンチで口に流し込むシーン。
うわ~うわ~、わかるけど、あかんやん。やばいやばい。
終末的やわ。
ジャックの「一応タダやしカロリー摂れるし美味しいし」って言う切羽詰まった感じがひしひしと伝わる。

結局お母さんは帰ってくる。やっとやっと会いたかったお母さんに会えた。
んだけど、やっぱりいつも通りに新しい彼に夢中な幸せモード全開な母。
子どもたちの事も実際は愛してるんだと思う。でもお母さんの意識の範囲内ってすごく狭い。
死ぬかもしれなかったんだよ、ほんとに。ずっと寂しかったんだよ。でもそれは言わないで、朝起きたら弟を連れて安全な所へ向かう。
その決断がこの映画の要点だと思う。

10歳のジャック、ほんまにダメな親を見限る。
それはものすごい決断で勇気のいる事だと思う。なかなか出来ない事。ここにどんなヒーローにも出来ないスーパーパワーが表現されている。

親はだれでも子どもにとって一番の保護者だと言うのは迷信だ。実際、子どもに一番のダメージを与えられる人が親でもある。
それはクリニックでたくさんの患者さんを観て来てもわかる事。
子どもこそがどんな親にとっても全身全霊で愛してくれる唯一無二の存在である。それは真実である。でもそれに気付く親は少ない。
ある時にある範囲で親を見限る事。誰にでもある意味必要な事なんじゃないか。
それが放任であるか過干渉であるかに限らず。
そんな思いを持った映画でした。
淡々としてるけど考えさせられる。とんでもないのに当たり前みたいに進んで行くそんな映画だった。








       
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